Re:fulのボディを最終加工
皆さん、こんにちは。
Re:fulプロジェクトの藤川です。
いささか旧聞に属して申し訳ないのですが、先月、Re:fulのボディの最終仕上げを担当していただく
昭栄家具センターさんを栃木県足利市に訪問してきました。
ん、おかしいな? Re:fulのボディ製作はたしか富山の尾山製材さんじゃないの?
と思ったあなたはRe:ful通!
Re:fulのボディは尾山製材さんで加工された後、昭栄家具センターさんに送られ、
最終加工が施された上で、検査を経てトヨトミへ出荷されるのです。
元々は、昭栄家具センターさんが尾山製材さんを紹介してくれたんです。
このつながりがなかったら、Re:fulは生まれなかったかも!
足利市の工業団地の一角にある昭栄家具センターさん。明治25年創業でなんとその歴史は120年を超える老舗の家具屋さんです。
昭栄家具センターさんは家具の製造販売はもちろん、「建彦木工」のブランドで
すごく素敵な木工芸品も手掛けていらっしゃるんです。
一見の価値あり!
工場内にはたくさんの木工機械が並びます。素晴らしい製品を送り出す会社は必ずきれいに整頓されています。
量産試作用のボディがすでに尾山製材さんから送られてきていました!
昭栄家具センターさんではタッチスイッチボタンの穴あけや全面のウレタン塗装が行われます。
Re:fulのボディは国産山桜の無垢材を削り出していますが、
やはり自然素材なので高温高湿の環境下ではひずみが生じてしまいます。
それを防ぐために、尾山製材さんで吸水率10%以下まで乾燥させてから切削加工し、
さらに表面にうすーくウレタン塗装を加えることで、加工後の吸湿を防ぎ、
寸法変化ができるだけ生じないようにしています。
それでも、やはり吸湿を完全に防ぐことは難しいので、
Re:fulを高温多湿のところに置くのは避けてくださいね。
タッチスイッチボタンのガイド穴加工を行うNCマシン。XYZ方向の加工が可能で、一度に4個のボディを加工しちゃいます。
NCマシンで開けたガイド穴をもとに、木工ボール盤でタッチスイッチボタンの穴を仕上げます。一つ一つ手作業です。
清水専務が考えた穴あけ方法!
実はこの穴あけ加工、一見簡単そうに見えますが、すごく難しくてネックになっていたんです。
こういうところで老舗のノウハウは活きます!
こうして穴加工を終えたボディは一つ一つ丁寧に研磨されます。
研磨する木材に合わせてやすりの番手はもちろん、ロールクッションの硬さも変えます。
最後の仕上げ研磨は手作業です。本当にたくさん手をかけてもらってます。
Re:fulのボディは直径で160ミリ、高さが90ミリあります。
私は知らなかったのですが、実は無垢材からの削り出しでこの大きさというのは
なかなかないサイズだそうで、銘木と呼ばれるクラスの立派な木からでなくては
取ることができないそうです。
たしかに、以前尾山製材さんで見た山桜の丸太は直径70センチくらいありました!
今回は昭栄家具センターさんと尾山製材さんのタッグで実現しましたが、
昭栄家具センターでRe:fulを担当してくれている清水専務から
「正直言うと、簡単に手に入るような材料ではないです」と言われました。
加工前のボディ。仕上げ前なのでよく見ると切削の跡が少し残っていますが、きれいに仕上げます。
さて、上の写真はどちらも同じ山桜なんですが、やはり自然材料ということで
結構色目は違ったりします。
また、左側は縦目と呼ばれる材料の取り方、右側は横目と呼ばれる取り方で、
それぞれ木目感が異なります。
縦目はどちらかというとさわやかな感じ、横目は力強い重厚感があると思います。
私は横目の方が好きですが(特にガラスフードを乗せるとそう感じますね)、
同じRe:fulメンバーの山本は縦目がいいそうです。
さて、皆さまにお届けするRe:fulのボディはどうしても材料の都合上、
縦目と横目が混在することになります。
申し訳ございませんが、木目や色合いの選択はできませんので、
どちらが届いてもかわいがっていただけたら、と思います。
また、自然材ということでフシなどがボディの表面に現れることがあります。
自然材独自の風合いとして「品質を損ねない範囲」と判断したものを選りすぐっておりますが、
そのあたりはご理解いただけると幸いです。
次回は……
何を書こうかな。
量産試作が近づいてきて、いろいろな部材のさんぷるとかが入ってきているので、
ネタはすごくたまってるんですけど、なかなか書く時間が取れなくてほんとうにすみません。
できる限り皆さんにお伝えしていきたいと思っておりますが、
もし何かリクエストがあれば遠慮なくどうぞ。