こんにちは、Ztella事務局の松崎です。
ハイレゾ音源対応のDACは様々なものが日本でも売られていますが、このZtellaの特徴は何よりもケーブルにしか見えないそのコンパクトさと、サンプリング周波数384kHz、ビット深度32ビット、DSD 1-bit 5.6MHzまで対応し、FLACのみならずMQA音源まで聴ける点。早速様々なアプリやサービスを使って、もっぱらストリーミング配信サービスを使いながら実際のハイレゾ音源を聴き比べてみました。(使用デバイス:iPhone 11 Pro、Sennheiser MOMENTUM Wireless)
聴いてみて改めてわかるのは、当たり前ではあるのですが音の解像度が標準ストリーミングとは全く違うこと。今まで慣れ親しんで聴いてきた曲のそれぞれのセクションや、和声の一つ一つの音までくっきりはっきりと聴こえてきます。比較のために通常のストリーミング配信サービスを使って同じ音源を聴いてみると、どことなくうっすらと霧がかかったような印象をうけます。よく高画質テレビを観るときに比較するのは黒の部分の深さ、とか言いますがそれにも似た印象です。
また、ボーカルの息遣いや「そこにいる」空気感が伝わってくるのもハイレゾ音源ならでは。特にヘッドホンを使うとスピーカーよりはっきりとその違いがわかります。これがヘッドホンアンプなどの大きなデバイスを使わずに、スマホを使って楽しめてしまうのは素晴らしい限りです。
Ztellaを使って感じたのは「ハイレゾ音源を常に自分と共に持ち歩いていたい」という人にぴったりのプロダクトであること。かくいう自分も、元々持っていたCD音源をFLACにリッピングしてRAIDドライブに保存して、というようなことをコツコツとやっていた黒歴史を持っているのですが、その当時も、あまりの音源の膨大さに途中でサジを投げて、今やそうしたCDはいくつもの段ボールに詰められて納戸の奥深くに埋葬されている始末。
これまでダウンロード中心でしか楽しめなかったハイレゾ音源ですが、いくつものハイレゾストリーミング配信サービスが登場する中、時代はハイレゾストリーミング配信にとって代わられつつあります。
とはいうものの、まだまだスマホ自体にハイレゾ音源をデコードできるDACが搭載されていない中では、Ztellaのようなアダプタは、スマホで楽しむハイレゾ音源、という未来のライフスタイルに現時点で最も近づくことのできる一つの答え、とも言えるのではないでしょうか。
【使ったハイレゾストリーミング配信サービス】
[Amazon Music HD]
Amazon Music HDの特徴は元の録音情報を保持したまま高音質で楽曲が配信されること(同社HPより)。中でもUltra HDは標準ストリーミング配信の10倍以上のビットレートで配信されるとのこと(最大3730kbps)。このUltra HD音源を再生すると、ztellaのLEDインジケーターがハイレゾ音源をデコード中である赤色に点灯します。
Amazon Music HD
[TIDAL](※日本では利用不可)
ハイレゾ音源愛好者にとってはレファレンスとも言えるTIDAL、残念ながらこれを書いている2020年1月時点では日本では利用できませんが、音源はMQA音源楽曲数で17万以上と極めて豊富です。MQA音源を聴くと、ZtellaのLEDインジケーターはMQA音源を示すマゼンタ色(薄むらさき色)に光ります。
TIDAL Master Quality Audio
[OTOTOY Collections]
ご存知ハイレゾ音源サービスの老舗。以前からFLAC音源などとてもお世話になっています。2018年からはOTOTOY Collectionsの名前でブラウザベースでも利用できる、自分の購入した音源をストリーミングで聴けるサービスも開始しています。他のサービスと何よりも違うのは、国内音源の豊富さ。標準ストリーミングサービスでも聴ける音源でも、ハイレゾ音源はOTOTOYだけ、というようなものも多い印象を受けます。試聴したのは24bit/96kHzの音源だったので、LEDは赤色に光っています。
[Spotify(標準ストリーミングサービス)]
Spotify Premiumを利用すると320kbpsのハイレゾ音源も聴けるようですが、試聴時には標準音源を聴きました。その場合にはZtellaのLEDインジケーターは青く光ります。
Spotifyの音源を聴くとLEDは青く点灯
Q: 標準ストリーミングだとZtellaを使う意味ないの?
ちなみにiPhoneはイヤホンミニプラグが内蔵されなくなってからは、DACはLightning-3.5mmヘッドホンジャックアダプタの中に内蔵されるようになったとのことですが、内蔵されているDACチップの性能は公開されていません。それに比べ、Ztellaに使われているのはオーディオ専用のDACとして開発されているESS社のSabre 9281 Proという多機能DACチップ。性能の違いは明白です。
参考記事
文責:Ztella事務局 松崎(きびだんご株式会社)