いつものように店の前に車を停め、入り口でスリッパに履き替え、カンカンと音を鳴らし階段を上がっていく。
「こんばんは~。よろしくお願いします~。」
ガラス戸を開け、挨拶をする。
黒を基調としたおしゃれな店の奥から、ハンチング帽の男性が現れる。
店内から出入り口に向かって撮った写真。
薬剤師のハーブティー専門店・JasperGreen
岐阜県中津川市でハーブティー専門店「JasperGreen」を営む前田一輝(まえだかずき)さん。
薬剤師の資格を持ち、来店客一人ひとりの悩みや要望をヒアリングし、その人に合ったハーブティーを教えてくれる。
私が初めてお店を訪れたのは、1年半ほど前のことだったか。
「冷え性で、体を温めてくれるものが欲しいのですが。」
そう話すと、「作ってみますね。どうぞ、こちらに。」と言って奥のテーブルへ案内された。
『作ってみますね』?
初来店だった私は、てっきり既存商品のみのお店だと勘違いしていて、その言葉に驚いた。
ハーブの効果や味の違いなど丁寧に説明してくださり、2、3杯試飲をさせてもらったと思う。
試飲も無料だと言うから、更に驚いた。(いや、今でも驚いている。)
奥の部屋には様々なハーブとティーカップが並べられている。眺めるだけで心がときめく店内。
薬草の師
岐阜県中津川市出身の前田さん。子どもの頃から植物や動物が好きだった。
お祖父さんが薬草に詳しく、薬草を夏休みの研究テーマに選んだ時も、一緒に考え、実験の協力をしてくれたそう。
前田さんが小学生の時、お祖父さんがガンになった。
「植物で治せるかもしれない、って本気で思ったんです。」
ガンに効果的という説のある植物について一生懸命調べたと言う。
そして、薬学部へ進学。医療への知識を深めた。
海外での学び
大学卒業後は、アメリカやオーストラリアなどへ数年間留学した。
日本と海外とで医療や人間性の違いを感じたと言う。
「自由だなあ、みたいな。ぎゅっと考え過ぎてるところがなくて、ラクそうで。楽しんでいいんだな、って思えて。」
日本人は良くも悪くも真面目ですよね、と私は強く頷いた。
また海外では、病院で医師の診察を受ける前に薬剤師に相談する、というのが習慣となっている所もあると言う。
そうすることで、薬の説明をきちんと受けることができ、不安を解消できる。
日本の薬剤師とはまた違った立ち位置にあるようだ。
JasperGreenへの想い
とある国の町で、病院へ行く前に薬剤師への相談を促したところ、町全体の医療費が減った事例があるそうだ。
病院では相談しきれない不安を打ち明けられることと、自分で健康に気を付けようという意識が芽生えるためだと言う。
「僕も、医療をちょっと違う風に変えられたらいいな、なんて思っていて。」
こんなこと言うと過激かもしれないんですが、と笑う。
薬剤師として働いていた頃は、思うような仕事ができなかったと話す前田さん。
「ちゃんと説明してあげられる場所を作りたかったんです。」
『ハーブティー専門店 JasperGreen』というお店は、そんな想いから生まれたのだった。
自生する物が一番いい
JasperGreen様で取り扱うハーブは、色んな土地から仕入れているそうだ。
「自然と生える所に生えてる物がいいと思うんです。」
自家栽培も試みたが、やはり自生する物とは栄養などが異なるのではないかと考え直し、仕入れることにした。
ハーブの中には、一見過酷とも思える条件下で育ちやすい物もあると言うから驚きだ。
良さを知ってもらう、という壁
試飲を無料で行っているのは、もちろん味に納得した上で購入してもらうためだ。
そしてもう一つ。
ハーブと言う、日本ではまだ馴染みのない方もいるであろう物を、より気軽に楽しんでもらうためでもあると言う。
ハーブティーの香りに心が安らぐ。ティーカップも美しい。
「ハーブの良さをなかなか知ってもらえないのと同じように、自分もまだ本の良さを知っていないのかもしれません。」
ふと、そんな一言を漏らした前田さん。
私はとても共感したし、この何気ない一言に重要な何かが隠れているような気がした。
人それぞれの好みの問題、で済ませてしまえばそれまでだ。
でも、もし何か工夫して、それまで関心の薄かった人が興味をそそられるようなものを提供できたら、きっとすごく楽しいだろうなと思った。
hontenへの願い
hontenへのメッセージを伺ったところ、「欲しい本がなかなか売っていなくて。」と話を始めた。
「お店に飾って映えるような英語の本とか、ちょっとマニアックな本って、普通のお店に無いんですよね。」
需要と供給、という単語が頭を過る。
ここは田舎だ。書店に並ぶのは、どうしてもより多くの人が求める本に偏ってしまう。
「僕自身『いい本』が欲しいし、hontenさんには、その人に合った本を届けて欲しいです。」
hontenの大切な役目を教えてもらった気がした。
小規模な移動本屋だからこそできることがある。
特別な体験と、特別な一冊が得られるような場所にしたい、と改めて強く思った。
返礼品紹介
JasperGreen様のハーブティーをお届けする返礼品は次の2つ。
JasperGreen様は店頭販売のみでネット販売はしておらず、ネットでJasperGreen様のハーブティーが手に入ることは珍しい。
この機会にぜひ、おいしくて特別なハーブティーを味わってみてほしい。
◆C.オリジナルハーブティーセット ¥ 4,500
hontenクラウドファンディングのため特別に、第1回hontenをイメージしたハーブティーをブレンドしてくださった。
ハーブティーをあまり飲んだことがない人でも飲みやすいよう、紅茶にも少し似た味にしていただいた。
読書のとき傍にいてほしくなるような、穏やかな香り、落ち着く色合いのハーブティー。
エルダーフラワー、レッドクローバー、マルベリー、フェンネル、ルイボス、ハニーブッシュ、金木犀等を調合している。
*約50g(2週間分)のお届け。
*数量限定品(2020/02/27時点で残り3つ)
◆H.あなたのための極上読書セット ¥12,000
JasperGreen様が店頭で行っているのと同じように、支援者の悩みに合わせたハーブティーをセレクト・調合してくれる。
(私の方で、あなたの一番気になる悩みごと、苦手な味、色合いなどをヒアリングし、JasperGreen様に伝えるという形式。)
*約80g(1カ月分)のお届け。
*数量限定品(2020/02/27時点で残り2つ)
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