RICOH Image Pointer 誕生秘話①
https://kibidango.com/project/1298/action/8909
の続きです。
プロト1号機のさらに前
これがプロト1号機です!
こんにちは!リコーの和田雄二です。
本日はRICOH Handy Projectorの誕生秘話②として、最初のプロト機(プロト1号機)を作り始める手前まで、アイデアに至った部分をご紹介したいと思います。
コピー機の設計の仕事から、新しいものを産み出そう、という仕事に変わった場面からです。
私はその部署に後から入ったため、私が参加した時点で活動自体は1年半くらい経っていました。
いくつかのチームがあって、その中の一つに入ったのですが、まずは各自自分でネタを持ち寄る、ということで、私は異動直後の猶予もあり1カ月くらい考える時間がありました。
この時期には、いわゆる日本の〇〇白書を過去にさかのぼってひたすら読む。自社の強みややっている事業をリストアップする。
また、超ニッチなスキルながら元々のコピー機にまつわる技術を分解して、他に活かせないか考えてみる。
こんなことをしていました。
私自身は、元々文系寄りの理系を勝手に自称していたのですが、仕事をしているうちに設計をひたすらやっていて、世の中が全くわからなくなっていたので、
〇〇白書系は本当に参考になりました。(あまりに仕事漬けの時期もあり、その頃は最新の社会の話題はどんなに有名でも全く何も知らない、なんて感じでした)
*余談ですが、情報通信白書で、iPhoneやAndroidが発表されるより前に、ほぼ同じような概念の図が載っているんです。そのときはテレビのリモコンで家中の全てを操作できる、
ユビキタスネットワーク社会が予想されていました。これを見て、〇〇白書は政府が示す指針でもあるので、非常に参考になると思っており、今でも目を通すことを良くおススメしています。
プロジェクター
リコーではプロジェクタの事業部を持っており、販売させていただいております。
そのため、私がリストアップした自社保有技術(事業)の表にはプロジェクタも勿論入っており、プロジェクションマッピングを活かして何かできないか、など色々考えていました。
そんなとき、用事で実家(割と近所なんです)から帰った妻が衝撃のアイテムを持って帰って来たのです。
いなばペットフード株式会社様の許可をいただき、私が持っているものを撮影しています。
壁に映すと・・・
CIAOちゅ~るポインタでの価値検証
このCIAOちゅ~るポインタを見たとき、凄く引き寄せられました。
こういう固定の絵を出すポインターグッズがあることは知っていたのですが、自分では触ったことがなかったのです。
妻と家でCIAOちゅ~るを光らせてるだけでもなんだか楽しい。
これ、絵を変えられたらもっと面白いのでは?と、現在のRICOH Image Pointerのアイデアをこのときに突如閃きました。
プロジェクター事業で何かできないかな、と思っていたのでまさに合わさった瞬間でした。
(ちなみに、こちらのCIAOちゅ~るポインタはCIAOちゅ~るを買うともらえるキャンペーン期間があり、そこでもらったものです。いなばペットフード様に大感謝です)
使い古されたRICOHモデル CIAOちゅ~るポインター
そもそもこのアイデアは面白いのだろうか・・・?よくわからなかったので、CIAOちゅ~るポインタに失礼して、リコーのロゴが入った紙を巻いてみました。
そして、iPhoneに繋いだライトニングケーブルのUSB端子側をこの紙の中にとりあえず隠してる状態で、
YoutubeにあるCIAOちゅ~るのCM動画を流しつつ、このポインタを付けるということをやってみました。
その際、「ちょっと調子悪くて、動画が同期しないんですが、本当はこの動画が映ってるんです。遅延発生時にはロゴになっちゃうんです」と言いつつ、
皆さま大好きなあの音楽のCMを流して、謎の実演をしてみました。
真の意味ではこれが最初のプロトというか、RICOH Image Pointerの原点です。(プロト0号機)
大体10人くらいにこれをやってみると、え!?どうやってるの?と興味を示してくれました。これは良い反応じゃないかな?と思い、
このアイデアをチーム内で話してみました。(当時は"レーザーポインタ型ハンディプロジェクタ"と読んでいました)
プロト0号機の時点では・・・
チームで話をしてみたものの、特にこれといった反応もなく、まぁ考えてみれば?くらいの反応でした。
実はこのときのチーム。職制を通じて作られただけのチームでしたが、技術担当の米田と一緒のチームでした。
米田は私に「モノを作ってみることは大切」という深センのメイカー関連の資料をくれたり、自分の経験として教えてくれました。
とはいえ、プロジェクタなんて作り方が全くわからない・・・そう思っていたら、米田が謎の基盤を買ってくれていたのです。
(届いてから教えてくれました。こんなものがありますよ、と。)
米田購入謎の基板。(BeagleBoneBlackWirelessとDLP2000EVMです)
この謎の基板でプロト1号機を作って、「面白いね!」「商品にしよう!」みたいなストーリーが、、、この後には勿論続きません。
プロト1号機に纏わる話は次回にさせていただきたいと思います。
お読みいただきまして、誠にありがとうございます。
和田。