30日夜 メーカープレゼンバトルに出場します
NEC、富士通、カシオなど名だたる大企業の中に…(エンガジェットHPより)
大手デジタル機器情報サイト「エンガジェット」が主催するメーカープレゼンバトルに登壇する10社に、なんとインスタコードが選ばれました!
NEC、富士通、カシオ、マイクロソフトなどの大手をはじめ、魅力的な新製品が数々紹介される中、社員たった1名のインスタコードがバトルに挑みます。
オンラインから無料視聴できるそうなので、ぜひ応援に来て下さい。
6月30日(火) 19:00-21:00を予定
前代未聞の目標金額5000万円
インスタコードのクラウドファンディングが開始してちょうど1ヶ月が経過し、残すところ約1250万円(25%)となりました。
日本国内の購入型クラウドファンディングで目標金額5000万円というプロジェクトは、私が調べた限りでは、過去に成功例がありません。
英語圏を見れば、世界最大手のクラウドファンディング Kickstarter などでは目標50万ドルを成功させたプロジェクトもありますが、たった1億人のローカル言語(日本語)でこれだけの金額を集めるのは、無謀なチャレンジだと言われ続けてきました。
できればクラファンをやりたくなかった
4~5年前のブームとは違う
4~5年前、量産のための資金をクラウドファンディングで調達するというのが、トレンドになりかけたことがありました。
3Dプリンタが普及して、誰でも気軽にハードウェアを作れる時代になったからです。
しかし、特に電子機器の場合、3Dプリンタで作る「試作」と違い、大量生産して安定した製品を作る「量産」には、生産性、安全性など様々な配慮が必要で、多くの知識と経験が求められます。
スタートアップ企業にはハードルが高く、試作はできても最終的な製品を作れないまま失敗するケースが多発しました。
現在の国内のクラウドファンディグは、インスタコードのような「開発中の製品」ではなく、発売が既に決まっているケースがほとんどです。
2016年10億円以上調達したものの製品化できなかったPebble2とPebble Time 2(Kickstarter HPより)
コロナの影響で資金調達に苦労して…
新しい電子機器を世に出すには、莫大な開発コストがかかります。
本来なら、銀行の融資や公的融資を受けたり、投資家に投資してもらって、資金調達をするところですが、コロナウイルス不況の影響で、スタートアップ企業への融資や投資がほとんどストップしている状態でした。
もともと、クラウドファンディングで資金調達するという考えはなかったのですが、製品を欲しいと思う方が本当にいるなら、その人達から直接お金を集めれば良いのでは…という考えに至り、クラウドファンディング会社に相談をしました。
しかし、いくつかのクラファン会社からは断られました。
その理由は「目標金額5000万円」だったからです。
クラファンで開発資金を集めるのは非常識ですよ
クラウドファンディングの会社には
「目標金額1000万円にしてください」
と言われました。
「開発資金はクラウドファンディング以外で調達して下さい」
と言われることもありました。
それには2つの理由があると思います。
・1.目標金額が高すぎるとユーザーは支援を躊躇する。
・2.目標達成できなかったら運営会社の収入はゼロ。
目標1000万円ならば、クラウドファンディングの会社にはほぼ確実に手数料収入が入ります。
ですから、日本のクラウドファンディングの現状は、資金調達のための場所ではなく、他でしっかり資金調達をして既に発売が決まっている製品を出品する場所になっているケースが多いようです。
このたび私は、他で資金調達していないので、もし1000万円そこそこで終了した場合どうなるでしょう?
製造にはもっと多くの資金が必要なので、私は数千万円の借金をして製品を作らないといけません。
しかも、たったそれだけしか支持が得られなかったということは、製品化出来たとしても大して売れないかも知れません。
1000万円集まっても、私は借金と製品在庫を抱えたままです。
そんな具合に、クラファンで成功しても世間から消えてしまう製品はたくさんあります。
だったら、必要な金額が集まらない場合、製品化を断念したほうがリスクがありません。
そんな考えに理解を示してくれたのがkibidango(きびだんご)さんだったのです。
きびだんごチームの皆さん(きびだんごHPより)
本当に5000万円必要なの?
よく「5000万円もかからないでしょ?」と言う人がいます。
そういう人には声を大にして言いたいです。
「だったら目標金額をもっと低くするわっ!」
・・・・(人´∩`)スイマセン
試作機の開発費「たった1000万円」
現在、インスタコードの試作機は3台あります。
私自身、多少のプログラムの経験はあるものの、ハードウェア製造の知識は全くないので仕様書やアルゴリズムを書いただけ。
開発製造は、様々な外部の専門家に依頼してここまで至りました。
この試作機の製造には約1000万円かかっています。
「え!?1000万円も!?」と驚く人もいますが
製造のことを少しでも知っている人なら
「え!?たった1000万円で出来たの!?」と驚かれます。
1000万円もよく出せましたね
とはいえ、1000万円という金額は私のような庶民にやすやすと出せる金額ではありません。
もともとローンを組んで住んでいた東京のマンションを売って静岡の賃貸に引っ越し、車も燃費の悪いミニバンから中古の軽自動車に乗り換え、生命保険も一部切り崩し・・・・
色々と工面して開発資金に充てました。
それまでにかなり市場調査をして、ある程度勝算があったのですが、プライベートなことをちょっと話すと、私は子どもがいないので、子育てにかかるお金と比べれば1000万円は安いと考え取り掛かることができたのも事実です。
この子(インスタコード)が立派に育ってくれれば、老後を養ってくれるかも知れないという淡い期待を込めて。
たった1000万円で作れた種明かし
本来、試作機は、
・製品の仕様
・安全性
・耐久性
・生産性
・製造コスト
などを確認するために作るものです。
しかし、私の手元にある試作機の内部はほとんど手作りなので、実際の製品の安全性、耐久性、生産性などを確認する段階に至っていません。
この試作機は
・本当に売れるかどうか
を確認するためだけに作った「マーケティング試作」です。
ですから
「デザイン」「操作感」
は重視していますが
「内部構造」「壊れにくさ」「作りやすさ」「安全性」「不良率」
など、製造に必要な要素はほとんど無視して
【とりあえず動くもの】
を作っただけなのです。
会社の規模が小さいので大きな失敗は許されません。
ですから確実に売れる製品かどうか調査をするために、まずは少ない予算で、とりあえず製品のイメージができる試作機を作ったのです。
「本来の意味の試作機」を製造するには、もっともっとコストがかかるのです。
試作機開発ミーティングの様子
本当は6000万円必要です
クラウドファンディングが成功したら、まず「本来の意味の試作機」を設計製造し、量産の計画を始めます。
「不良率が低い」「壊れにくい」「作りやすい」「安全な」
そんな製品にするために、内部構造、製造工程、部品の選定、全てを見直し、テストを重ねていきます。
そのような工程を経て製造をするために、初期コストがかなりかかってしまいます。
さらに、インスタコードを実用的に使っていただくために、コード譜を見られるWEBサービスの構築や、スマホアプリの開発、マニュアルの作成など、周辺環境の整備も必要になります。
製造コストの他に、輸送・配送費や、クラウドファンディング運営会社への手数料も必要です。
(きびだんごは日本一手数料が安い!)
そのようなコストも含めると、おおよそ6000万円はかかる試算です。
そこに私の人件費は入っていません(笑)
どうして目標金額を5000万円にしたのかというと
1000万円くらいは借金してもいいや、と思ったからです。
なぜ日本だけ?
インスタコードは世界中で販売することを目指しています。
今年の1月には、アメリカで開催される世界最大の音楽ショー「NAMM SHOW」にも出展し
世界中どこの国でも売れる製品だと確信を得ました。
海外の方にも好評でした
でも、今回のクラウドファンディングは日本語で、日本だけで開催しています。
なぜなら、新しい電子機器には、どんなリスクが潜んでいるか分からないからです。
部品の不良によるトラブルや、思いがけない使い方による事故など、様々なリスクを抱えています。
交換修理などの対応が必要になるかも知れません。
インスタコードの製造を依頼するジェネシスさんは中国の会社ですが、日本人の藤岡淳一氏が代表を務めており、主に日本向けのIoT製品を製造するメーカーです。
宮崎県にサポートセンターを構えているので、日本のお客様には修理等の対応できる体制を整えています。
まずは、日本という小さなマーケットでしっかりしたサポートを行ないながら販売し、徐々に世界各国でのサポート体制を整えて製品を届けていく計画です。
ジェネシス宮崎CSセンター(ジェネシスHPより)
安心できる製品を提供するために
今回製造を依頼するジェネシスさんは
「今の試作機のままでも量産できますよ」とおっしゃいました。
でも、スピードを重視して今のままで製品化すれば、不良率も上がるし、壊れるリスクも高くなります。
未完成の製品でも良いからスピード感を持って世に出して、いち早くお金を生む
…というのが世界を席巻した中国 深センの製造業の発想なのかも知れません。
よくガジェット好きの間では「人柱」という言葉が使われます。
新製品は不良や故障のリスクが高い、ということを承知の上で買う人のことです。
そういう選択肢もあることは承知していますが
インスタコードを購入する人には「人柱」になってほしくないので
これから1年間かけて、和幸ゴム工業さんを始めとした国内企業の力を借りて、より良い製品にするための開発をしっかり行ない、中国のジェネシスさんのスピード感と小回りのきく対応で、皆さんに安心できる製品を届けたいと思っています。
もちろん、大手電子機器メーカーのように、開発に何年もかけるほどの経済的余裕はありませんから、大手の製品と比べれば劣る部分もあるかも知れません。
日本企業の品質の良さと、中国企業のスピード感の良いところを生かして
29,800円という低価格と、1年というスピードで、出来る限り完成度の高い製品を届けたいと思っています。
なので、クラウドファンディングへのご支援お願いします!!!
昨日 静岡県にかかってた虹