Purveyorsの次なる挑戦。桐生発クラフトビールを世界に届けたい!
醸造士の阿久沢です!part_2
暑い日々が続いていますね。 ついついビールに手が伸びてしまうブルワー(ビール醸造士)の阿久沢です。
Farcry Brewing では、3種類ほどのビールをレギュラービールとして醸造する予定です。 ビール醸造が始まるまで、もうしばらくお待ちください!

ビールが苦手でした。。
前回に引き続いて、自己紹介をしていきたいと思います。
少年時代は、野に昆虫採取に行き、家に帰ればスーファミゲームのやりこみ、 アウトドア属性とインドア属性を兼ね備えたハイブリッド少年でした。
ものつくりと探求する気持ちから化学に関心を持ち、大学では有機合成化学を専攻していました。
ここまでの経歴で醸造学科にいたとかそういうのはありません。
そして、正直に申し上げてしまうと、昔はビールが苦手でした。 味が決して嫌いとかではなかったんです。
こんな言い訳がましいことを言っていると、
仲の良い友人に
『俺、お前のこと最初すっげー苦手だったんだよね。仲良くなれると思ってなかった』
と言ってるような感じですが、本当にそんな感じでした。
大学時代の飲み会で、 「とりあえずビール」でキンキンに冷えたビールがドンと置かれ、 「乾杯!」とともにグイッと一気に飲み干す。
おそらくビールをおいしく飲むシチュエーションの一つだと思います。 ですが、一番おいしく飲めるとされていたであろうシチュエーションと相性が悪かったんです。
笑い話なんですが、冷たいもの飲むとすぐにお腹をくだす。 だから、とにかく自分の内臓を冷やしたくない。だからなるべく避ける。
『あー、ビール君かー。あいつはちょっとクールだしな、ちょっと俺とは合わないわ。』
当時のビール君は僕からの印象はこんな感じだったんです。
「おまえはどれをのむんだ」
そんな僕のビールの転機となったのはイギリスに行った時でした。
イギリスといえばパブ、一度はパブを経験しておこう。 そんなミーハーな感覚でパブに入りビールを注文しました。
多くの衝撃を受けました。
「おまえはどれをのむんだ」
ビールを選ぶことができることにびびりました。
注がれるビールは泡が全然なく赤みがかったビール。 黄金色のビールか黒ビールくらいしか知らなかったので色にもびびりました。
キンキンに冷えてるどころかむしろぬるい。 炭酸味もなく、果実を思わせるかのような香り、味わいはマイルド。
『え、おまえビールだよな?』
あまりにも衝撃でした。
衝撃すぎてパブにつながるビールをすべて注文して飲みました。 色は琥珀色、茶色、黒色とビールとそれぞれ違い、 味わいもすべて違い、それぞれの個性がありました。
それらのビールは、イギリスではリアルエール(real ale)と呼ばれる伝統的に飲まれるエールビール でした。
「俺、ビールつくりたい」
そこからどハマりして、イギリスの滞在中にはパブに入り浸りました。
とにかく飲みまくりました。 イギリスのパブ文化の面白さも堪能しました。
パブ (Pub)の語源が public house (パブリックハウス = 公共の家) とあるように、 地元の人たちが集まりお喋りを楽しみ団欒する場で自然と人が集まります。 一人でも飲みにいきやすく心地がよい場所です。
地方のパブに行った時におじいさんに声をかけられ話が盛り上がり、 たんまりとエールをご馳走されてフラフラになりながら帰ったのはよい思い出です。
そして、日本に戻ってからもビールに対する衝撃と熱が覚めず、、、 心に決めるのでした。
「俺、ビールつくりたい」
(続く)