ぎんちゃんという、
約14歳のシャルトリューという血統書をもっていると言われている、グレーのちょっと大きめな猫が、ネコリパブリックお茶の水店の、ドリンクスペースにおります。
ネコリパお茶の水のドリンクスペースは、シニアルームと言われています。
17歳の斗寅くん。もうすぐ卒業する梅ちゃん。そして、以前は、豆千代と雪之丞というヒマラヤンミックスと思われる老猫達がゆったりと過ごしていました。
雪之丞は、16歳で家族として迎えてくれる里親さんが見つかりました。
豆千代さんは、おそらく20歳近く。様々な治療が必要なため、本当に豆千代を大事にしてくださっているネコリパブリックの預かりボランティアさんのもとで、入退院を繰り返してはいるけれど、穏やかで、保護猫カフェで不特定多数の人が出入りし、夜は猫達だけでお留守番になるような環境ではなく万全の環境で、静かに暮らしています。
ある日のことでした。ぎんちゃんのことで、お問い合わせメールが何件か入ったのです。
とあるユーチューバーさんがアップしている動画を見て、ネコリパブリックのことを誤解されている恐れがあるとして心配してご連絡いただいた方。動画の内容をそのまま受け取り、憤りを感じて非難される方などなどでした。
最初は何のことかわからなかったのですが、ペットのおうち という里親募集サイトで、ネコリパブリックお茶の水店でアカウントを持ち、少しでもお店の子達に、ずーーーっとの家族を見つけられるチャンスを広めようと、かわるがわる、ネコリパ在住の保護猫達を掲載しているのですが、ぎんちゃんの掲載ページをご覧になった方の、おそらくちょっとした誤解から始まった事件だったのだと思います。
今回は、ぎんちゃんのペットのおうちのページを見た方による、少し誤解をされた形でのYou Tubeへの動画アップだったようですので、ぎんちゃんのこと、ネコリパのことを、誤解がないようにしっかりとこちらでお伝えできればと思います。
ぎんちゃんは、もともと、ネコリパブリックにやってきたときは、すこーし年はいっているけれど、健康そのものとっても元気で活発な子でした。
ぎんちゃんは、とあるシェルターのようなお家にいた子です。
私達は常日頃、伝えていることがあります。
シェルターや、保護猫カフェにいることが、猫達の本来の幸せではないということを。。。
もちろん、外での厳しい生活を送るよりも、保健所で殺処分されてしまうよりも随分と幸せな環境だとは思います。でも本当の幸せではないのです。
猫達一匹、一匹の幸せは、やっぱり、ずーーーっと一緒に暮らしてくれる、家族 を見つけることだと思っております。
ぎんちゃんがいたシェルターには、様々な事情で保護された猫達がおります。
飼い猫なのに、捨てられて保護された子。
TNRしようと思ったけれど、危険な現場なので戻せずに保護した子。
もちろんケガをしているところを助けらられた子。
そして、性格も様々。
人間に恐怖心を抱いている子。
猫は大丈夫だけど、人間がだめなのこ
逆に、人間は大丈夫だけど、他の猫とうまくやっていけない子
ただただ、人間が大好きで、ずーっとずーっと甘えていたい子
などなど。。。
どのシェルターにも、やっぱり保護できる頭数の限界があります。
そういった、保護猫達に、早く里親さんを見つけてあげることができるように、ネコリパブリックは保護猫カフェを開いています。
保護猫カフェは、猫達にとって特殊な環境です。
不特定多数の多くの人達が訪れて、猫達と触れ合うのです。
引っ込み思案や、人が苦手な猫達には、少しストレスな環境なのです。
ぎんちゃんが、どのような経緯でそのシェルターにやっってきたのかは詳しくはわかりません。
ただ、やはり、保護をしなければいけない事情がおこって保護された、保護猫であるのは確かです。
保護猫の中にも、血統書がついている猫達はたくさんいます。
飼い主がなくなって飼育放棄された、保健所にもちこまれた。保健所にもちこまれそうなのをギリギリで保護した。
などなど、保護活動をされているボランティアさんは、様々な事情で、その一つの命の灯火が消えないように、命をつなげるために保護されています。
ぎんちゃんも、ボランティアさんたちに命をつなげてもらえた保護猫の一匹です。
そのシェルターの中で、ぎんちゃんは、人見知りしない。そして人間が大好き。甘えることが大好き。
でもたくさんの保護猫がいるシェルターの中では十分に甘えることができない。
ネコリパブリックの保護猫カフェにやってきたら、多くの人と触れ合うことができ、甘えることができる。
そして、ずーっとの家族と出会えるチャンスを、今のシェルターよりも与えられるかもしれない。ということで、とあるシェルターから、ネコリパブリックにやってきたのです。
この同じシェルターから、ネコリパブリックに入店している猫達が何匹かおります。
ネコリパブリックにやってきた当初のぎんちゃんは、とっても活発で、おもちゃが大好き。
お客さんがやってくると、誰よりも一番に、
「いらっしゃい」「遊ぼうよ!」
とご挨拶してよっていきます。
ネコリパの中でも本当に大人気の猫です。もちろん、シニア部屋に移動になった今でも大人気ですが。。
ネコリパブリックにいる保護猫達は、全頭、里親募集中です。
ネコリパブリックは、里親になっていただくには、審査があります。これからずーっと家族として暮らしていっていただく、ボランティアさんたちがつなげた大切なひとつの命に責任をもっていただく覚悟が本当にあるのか、、のちょっとだけ厳しめの審査です。
私たちは、一人ひとり、人を見ます。
たとえば、高齢者は一色丹に、NGです。男性一人暮らしはNGです。という条件は設けていません。
里親希望にきていただいた方々には、本当に時間をかけて、その方との信頼関係を築いていくようにしています。
どんな生活をされているのか?
どんなお住いなのか?
今までどんな動物と生活をともにしてきたのか?
どんな別れ方をしたのか?
そして、高齢者の方や、一人暮らしの方の場合であっても、その方が、信頼でき、猫達を幸せにしてくれるという確信がもてたとしても、、万が一何かあったときの、リスクをご理解いただき、そのリスクを回避していただける方法を、一緒に考えて、そのリスクを理解し、そして絶対に、その一匹の猫の天寿を全うできる環境を整えていただける方に譲渡をするようにしています。
また、医療費は、その子達にかかった、避妊去勢代金、血液検査代金、ワクチン代金などとして、2万円をいただいております。2万円のうち、15000円を保護主様(その猫を保護してくださった方)にお返しをし、5000円を、ネコリパでの猫達の飼育管理費としてていただいております。
ネコリパブリックにいる間の、ごはん代金、飼育に必要な備品、基本的な医療費などは、すべてネコリパが負担しており、保護主様ご負担は、基本的に、ネコリパにいる間の負担金はなく、高度な医療費が発生するときなどにご相談させていただき治療を行うという形をっております。
また、譲渡の際は、猫助けセットとして、猫と暮らす際に必要になるグッズをネコリパブリックにてご購入いただくようお願いしております。
きっと、新しい命を迎える際には、何かしら入り用になると思うので、そういった猫グッズを、ネコリパブリックで購入いただくことで、後輩の保護猫達のための運営費の足しにさせていただいるのです。
ネコリパブリックは、自走型保護猫カフェです。 寄付はできるだけ猫達のために使わせていただくのですが、基本的にお店の運営費には、家賃、光熱費、人件費、などなど、様々な経費が発生します。そういった経費を賄うために、入場料や、物販の収益などをつかって継続することを大切にしています。
猫助けセットは、物販収益として、保護猫カフェ運営費として利用させていただいております。
ぎんちゃんにも、今まで、何件か、里親希望の方のお話がございました。
掲載しているペットのおうちからも応募がありました。
でも、本当に残念ながら、少しご縁がなかったのでしょう、ぎんちゃんの家族はまだ見つかっていません。
ぎんちゃんも、他の猫たちと同じように、ペットのおうちの里親募集サイトには、ずーっと里親募集として掲載をしていました。
ネコリパブリックは、2週間に1回、獣医さんに往診にきていただいています。
飼育頭数も多いですし、多頭飼育には、予防医療は必須です。獣医さんには、一匹、一匹丁寧に、健康状態のチェックをしてもらっています。
ネコリパブリックにぎんちゃんがやってきて1年位たったころ、往診の先生に、ぎんちゃんの腎臓の数値をチェックしたほうがいいといわれたことがありました。
血液検査の結果、まだ重度ではないけれど、高齢猫に多い、腎臓がすこし弱ってきている症状がでていることがわかりました。
でも、ぎんちゃんは、元気そのもの。
療養食などに切り替えつつ、様子をみていくことになりました。
そしてしばらくしてから、よく眠ることも多くなったので、ゆったり過ごせたほうがいいかなということと、シニア部屋の猫が卒業したこともあり、シニア部屋へ移動することにしました。
シニア部屋に移動したあとも、ぎんちゃんはよく遊びます。そして相変わらず人が大好き。
ごはんのときは、にゃーとなき、食欲も旺盛。
でも、やっぱり、ぎんちゃんにも早くずーっとの家族を見つけてあげたい。他の子達の同じように、、
こんなに人間が大好きなぎんちゃん。
きっと、大好きな家族が見つかれば、もっともっと幸せになれると思うのです。
でも、やっぱり家族になっていただくには、ぎんちゃんの猫生を最後まで責任を取ってくれる方でないといけません。
いまは療養食をたべているということ。
そして腎臓の病気にかかっていること。
その全てをまるっと受け止めて、愛し続けてくれる人。そのためには情報は隠す必要はないと私たちは考えています。
ペットのおうちの里親募集項目にしっかりとぎんちゃんの健康状態を掲載しています。
その掲載する情報が少し足りなかったり、ネコリパブリックの仕組みやバックボーンや理念がそのページだけでは伝わりきってなかったのかもしれません。
もしかしたら、病気だから、早く里親を探して誰かに責任転嫁したい。。。と、解釈されてしまったのかもしれません。
私たちは、猫をこよなく愛しています。どんな猫も。愛おしい。我が子のように愛しています。
どの店舗のスタッフも、一匹、一匹の猫達に愛情をもち接しています。何か変化はないか?健康状態はいいか、猫同士の関係は問題ないか?
私達のお店の、スタッフが毎日つけている猫に関するカルテは、本当に猫愛にあふれているな、、としみじみ思います。
本当に猫の下僕として働いているのです。
それは、全ての猫達に幸せになってほしいから、その想いがあるからだけなのです。
ネコリパブリックは、保護猫を家族にする文化を広めるため、そして多くの猫達を幸せにするために事業を行っています。
この事業は、継続することに意味があります。
多くの人達を巻き込んで、多くの人達に、「きっかけ」を作る。そのために様々なジャンルの会社や、いろんなプロジェクトにチャレンジをしていますし、これからも、どんどん走っていきます。
それもこれも、全ては猫のため。
なので、誤解されないようにちゃんとお伝えします。
ぎんちゃんが病気であろうと、なかろうと、預かった小さな愛おしい命は、ネコリパブリックは最後まで責任を持ちます。
里親が見つかろうと、見つからなくても、私達のもとにやってきた小さな命は最後まで責任を持つのです。
でも、私たちは、ぎんちゃんの家族を見つけることを、決して諦めていないのです。必ず、きっと、ぎんちゃんに本当の幸せをくれる家族はみつかるはずだと信じて、里親募集サイトに掲載したり、お店にやってくる人をもっともっと増やしたいし、もっともっと猫達のことをしってもらえるように様々なイベントを行っています。
ネコリパブリックは命に責任をもっています。
そして、その小さな命を救うために、今日も、明日も、これからも、保護猫カフェを運営したり、イベントを開催したり、譲渡会を開催したり、様々な企業とコラボしたり、今まで、誰もできなかったことに、どんどんどんどん挑戦していくのです。
知らなかった人を振り向かせられる、そして、猫助けのキッカケを多くの人達に作る。そして正しい情報を伝え、社会を変えていけるように、大胆に、図太く、ちょっと強引だけど、しなやかに、心に爪跡を残せるようなそんな存在で有り続けたいと思っています。
ぎんちゃんのことで、多くの方に、心配のお声をかけていただきました。
ネコリパブリックが誤解されてしまって、間違った情報が広まってしまうのが悲しい。。といって下さる方々が、いらっしゃいました。
私たちは、本当に猫達の日々向き合い、なんとかしたいという熱だけで、社会をかえて、継続していくのだといつももがいています。
でも真実を知ってくださる方が多くいてくれることを本当に嬉しく思います。
誤解はいつだって生まれます。
でも、ネコリパブリックが、正しいと思ったこと、そして命と真摯に向き合っていることを発信し続けることで、誤解はとけていき、そしてネコリパのことを支えてくださる方とのつながりが強くなっていく、そんなチャンスなのだと私たちは考えています。
長い文章になってしまいましたが、私達がやらなければいけないことは、やっぱり、もっともっと発信していくこと。
そしてもっともっと多くの小さな命を救える社会を作ること。
それだけなのだと、思っております。
いまあるネコリパブリックの店舗は、あくまで、保護シェルターではありません。保護猫カフェです。
ネコリパブリック自体が保護を行っているわけではなく、ネコリパブリックの提携しているボランティアさんや保護団体さんたちが保護をした猫達がおります。みなさん、一匹、一匹保護したあとに、その子達の性格を見極めながら、人馴れをしていけるように家猫修業などをしてくださっています。
ネコリパブリックは、その提携しているボランティアさん、保護団体さんなくしては成り立たないお店です。
ネコリパブリックは、たくさんの猫を愛する人達の、猫達を救いたいという想いがつながって成り立っているお店です。
多くの方々に支えられ、お店を運営しているのです。ボランティアさん、保護団体さんには心から感謝をし、これからも共に前へ走っていければ、、と思っております。
ぎんちゃんは、現在も、里親募集中!
ぎんちゃんの全てを受け止めてくれる、本当の家族が見つかるまで、私たちは、ぎんちゃんが穏やかに暮らせるように、大切に、大切に見守っていきます。