この度は、7VENメッセンジャーバッグの発送が当初我々の予定していた7月中のお届けから大幅に遅れる状況となっており、深くお詫び申し上げます。
メーカーであるALPAKA社とは随時話し合いを重ねており、一旦現時点での状況についての全容と今後の対応についてお伝えさせていただければと思います。
まず現状ですが、全ての原材料は揃っており、サブアセンブリ自体も完了しています。あとはそれを縫い合わせる工程です。
実はここが、トラブルの発端となりました。
品質上の問題と天変地異
前回の活動報告で「検品に思ったよりも時間が掛かっている」とお伝えしておりましたが、実は検品の結果、既に生産されていた日本向けの200個のバッグの縫い目のクオリティが想定していたよりもかなり低く、それらすべてを一旦「ボツ」にし、再度生産しなければなりませんでした。現在は全て、10年以上の経験を有し、このバッグの製造のための特別なトレーニングを1年かけて行なった熟練工のみが行う形になっています。
そこに更に追い討ちをかけたのが、台風です。
もともとパール・デルタと呼ばれるマカオや香港を含むエリアは、毎年5月から7月が台風シーズンなのですが、今年8月下旬から9月上旬にかけてわずか二週間でこのパール・デルタを3度も襲った台風13号、14号、16号のニュースを覚えていらっしゃるでしょうか?特に13号【国際名:ハト(HATO)】は死者合計12名、負傷者500名以上を出すなど猛威を振るいました。
実はこの7venバッグを生産している工場は中国・広州にあります。マカオ・香港から中国本土に少し入ったところにある中国有数の大都市です。
工場からのレスが悪くなったことを心配した共同創業者のジンが単身、広州の工場に乗り込んだところ、この台風による事態の深刻さを改めて知ることになります。工場の1階は完全に冠水。幸い、3階に置いてあった生地や他の素材は被害を逃れたのですが、生産に使う製造機器がかなりの被害を受けてしまっていました。
掃除に少なくとも二週間程度を要するとのことで、生産拠点を空港近くの本社家屋に一旦移し、現在はそこで生産を一部再開することができました。しかし、生産能力はまだ低く、一つ一つを熟練した職人が手がけていることもあり、日産最大でも30個という状態が続いているとのこと。
Bad Newsの後にはGood Newsも
一方で、悪いことばかりではありません。良いお知らせもあります。
このプロダクトについては、これまで世界各地で既に1,000人以上のユーザーの方々に実際に日々使っていただいているのですが、そのたくさんのユーザーから寄せられた、さまざまな「生の」フィードバックを受けて、結果として今回、日本向けに新たに生産されるロットについては、なんと世界に先駆け「バージョン2.0」とも呼べる、様々な改良を盛り込むことになりました。
背面収納部分やショルダーストラップ部分への大型YKK止水ジッパーの導入
初期バージョンに使われていたYKKジッパーについて、当初謳われていた防水性が不十分である、などのコメントが寄せられました。そこで今回、日本向けの生産ロットに関しては、防水性をさらに高めるために、当初出荷バージョンでは使われていたYKK製の6号ジッパーに替え、同じくYKK製の8型止水ジッパー「アクアガード」を導入することにしました。
一方で、実は今回使用した、このYKKジッパーですが7VENメッセンジャー向けにカスタムメイドで作られたパーツとなっており、このパーツが少量生産にしか対応していないことから原材料の調達が遅れ、結果として商品の生産に大幅な遅れが生じてしまう要因の一つにもなってしまったのですが。。
ストラップ部分の樹脂→亜鉛合金への変更
納期について
現在メーカーにて鋭意生産を進めておりますが、上記のごとく複数の要因が重なってしまい、納期が大幅に遅れる結果となりました。
現時点では右肩かけのブラックならびにグレーについては10月中旬〜下旬の完成、ブラウン並びに左肩かけモデルについては、11月の第二週の完成を見込んでおります。プロジェクト開催当初は7月中のお届けをお伝えしており、その後の活動報告で9月初旬への遅延、さらには9月下旬の生産完了をお伝えしていた中で、この遅れについてはメーカーであるALPAKAと、そのお手伝いをしている7VEN事務局を運営するきびだんご株式会社「きびたん」スタッフも大変心を痛めております。
ALPAKAチームからのお詫び
今回の件に関しては、「もう我慢できない!ふざけるな!」と言われても全くおかしくない状況であると認識しております。
このタイミングで、キャンセルし、返金をご希望される方がおられましたら、下記お問い合わせページよりその旨ご連絡をいただければ、対応をさせていただきます。
一方で、もし辛抱強くまだお待ちいただける、という方々には、今回ご注文をいただいた7VENメッセンジャーバッグに加え、洗面用品を収納可能な、トイレタリーバッグも無料でお付けさせていただきたいと考えております。
トイレタリーバッグ(プロトタイプですので、多少細かい点が変更される可能性はあります)
最後に
今回Kibidangoでご支援をいただいた皆様には、長い期間お待ちいただくことになってしまい、本当に申し訳なく思っております。
一方で、その間に皆様が受け取ることになる日本向けの7VENメッセンジャーバッグには、前述の通りYKK製の止水ジッパーに加え、さらにアップグレードされた自動ロック機構や、一部プラスチックを使用していたパーツのメタルへのアップグレードなど、なかなか外からは見えづらい部分についても細かい改善を加えることができたことは不幸中の幸いだと考えております。
決して言い訳にはしたくありませんが、今回ALPAKAの創業者であるジンとラミロからじっくりと話を聞き、少しでも良い製品をみなさんにお届けし、ご満足いただきたいという気持ちには一点の曇りもないことを改めて確認できました。ジンは、今回の日本向けの生産が完了するまでは母国オーストラリアには帰らない、と言っています。
まだまだみなさんにはもう少々ご辛抱をいただく形となってしまい申し訳ありませんが、待っただけの甲斐があった!と皆様に言っていただけるように、引き続きALPAKAチームと共に最後の支援者の方に7VENメッセンジャーバッグをお届けできるまで頑張りたいと思います。
(共同創業者の一人、本社のあるメルボルンにいるラミロからKibidango支援者の方々へのメッセージ)
7VEN事務局
ジン・リ(ALPAKA共同創業者)
ラミロ・ゴメス(ALPAKA共同創業者)
文責:松崎良太(きびだんご株式会社)