こんばんは。彫刻家の吉田孝弥です。
4回にわたって書いてきた、素材と道具についてでふが、今回で完結編(前編)です。
完結篇ということでまずは、①〜③のおさらい
制作方法は2種類
彫刻の制作方法には「カービング」と「モデリング」があります。
「削る」は「カービング」
「盛る」は「モデリング」
僕がやっている制作方法は「モデリング」に分類されます!!!
制作に使用する素材や道具は様々
制作に使用する素材や道具は様々で、作る作品や使用用途によって使い分けます。
僕の場合
制作に使用する素材は「石粉粘土」
制作に使用する道具は「粘土ベラ」
ヘラも種類は様々ですが、僕がメインで使っているのは、100均のヘラと金属のヘラです。
粘土ベラと粘土
身近な素材で、作る想像をしやすい工夫
前の記事でも言ったことを繰り返しますが、
僕が制作のモットーとしているのは、鑑賞者が
「自分でも作る想像をすることが出来る」
ということ。
誰しもが、学校の図工や美術の時間に触れたことのある身近な素材で作るとこで、より分かりやすく、作品と鑑賞者との距離を縮められたら…と思っています。
作品制作の動機
人に、「いつ頃から作品を作ってるの?」と聞かれると、答えに悩みます。
物心ついた頃からお絵描きや粘土遊び、工作をしていて、ずっと作り続けているからです。
幼馴染に久しぶりに会った時、作品を見せると「昔から変わらないねぇ」と言われます。
僕としては
「こっちは美大にまで行って、試行錯誤して作ってるのに、リアクションそれだけ!?」と、残念な気持ちになりますが、同時に、ずっと作り続けているので、昔から変わらないと言われるのは嬉しくもあります。
自分がやっていること
僕がやっていることは、現在、「彫刻」というジャンルに分類しています。
ルールがあると制作がやり易くなるし、見せ方も考えやすいからです。
小学生の時は「漫画家になりたい!!!」と思っていました。
大好きな北斗の拳の作者である原哲夫氏が、高校生で持ち込みを始めて、20歳でデビューをしたからそれくらいに僕もデビューしたいな、と思っていたりしながら作り続けていました。
小学生の時に描いた漫画「マッスルガイ」
Twitterで全ページ公開してるので是非見てください。
中学生の時は、美術の先生に凄く良くしてもらって、作る楽しさを学びました。
放課後の美術室で、美術部の女の子達に白い目で見られながら制作していたのがいい思い出です。
中学生の時に作った、和紙でできたジャギの鎧
高校生の時には、学校で油絵を描いたりしていましたが、家では立体を作っていたし、見境なく色々作っていました。
高校生の時に描いた油絵
大学進学を考えた時、自分は何を作ることに向いているか?と考え、やっぱり立体だな〜と思いました。
とはいえ、どうしよう〜と悩む僕に、油絵を教えてくれていた先生が
「吉田の作る、色のついた彫刻はこれからの時代に合っている」と、背中を押してくれました。
そして、立体を作るなら「彫刻」を学ぶべきだ。人間を作るなら人体に強い、東京造形大学の彫刻専攻に進学することを決めました。
話が昔に遡って長くなったので、前編はここで終わり。続きはまた次回!!!