ワイン発祥の地・アゼルバイジャンの古都を日本の桜で満開にしたい!
この桜プロジェクトが生まれた瞬間のこと。

歴史と伝統を感じさせる重厚なアゼルバイジャン農業省の建物。カスピ海沿いのバクー中心地近くにあります。
日差しが強い5月末の午後、ある日本人女性が農業関連機材を販売する企業とともに、バクー中心地近くにあるアゼルバイジャン農業省を訪れました。
石油や天然ガスなどの資源で国力をつけたアゼルバイジャンですが、近年農業や観光産業に注力することを国策として掲げ、諸外国の技術の採用も積極的に行なっています。
農業省でもアゼルバイジャンでビジネスをしたい外国企業からのプレゼンテーションのオファーを受け入れており、この日もそのプレゼンのために日本から訪れていました。
日本企業のアテンドをした日本人女性はバクー在住経験があり、日本とアゼルバイジャンをつなぐ貿易や起業に関する仕事をしています。
数年前からアゼルバイジャンでのビジネスパートナーとして一緒に活動する日本語通訳カマラさんのアテンドで、今回このプレゼンテーションの場が設けられたのです。

長〜い廊下に敷かれた美しい絨毯はなんと1枚もの!さすが、ペルシャ絨毯発祥の地!
農業省の一室に案内され、そこで待っていたのが地方自治体との関係を管轄する部署の副部長、エミンさんでした。
アゼルバイジャンの農業はほぼ地方で行われているため、どんな技術がその地方で必要とされているかを把握しているのがエミンさんだったからです。
日本から持参した製品についての説明を行い、『試験的に使用できそうな農業法人を検討しましょう』ということとなりプレゼンはここで終了。。。。と思いきや、エミンさんから『どうしてもお願いしたいことがある』と。
エミン氏:『ワシントンに桜が寄贈されたように、日本から寄贈してもらった桜で公園を作る計画があるんです。そのために、今まで私が会ったことがある日本のいろんな省の官僚に桜を寄贈してもらえないか?というメールを送ったんですが、全くどこからも返事が来なくて困っています。できないならできない、『Yes』か『No』か、どちらの返事もない。もう2年近くメールを送り続けていますが、全く状況は変わらずで困っています。なんとかならないでしょうか?』と、本当にお困りのご様子。
聞くと、桜の公園は来年2020年までに作る予定だとか。
仮に日本政府の誰かキーマンにこの件をお伝えできたとしても、寄贈までに時間が相当かかるだろうし、必ず寄贈されるとは限りません。
『どこか、日本の都市と姉妹都市を結んで、そこから寄贈、ならまだ政府よりも早いかも』
とふと口にした日本人女性の言葉に
『ぜひ、その姉妹都市になってくれるところを見つけてきてほしい!!』
とエミンさん。
第2のドバイと言われ目覚ましく成長するアゼルバイジャンですがまだまだ娯楽が少なく、日本の遊園地やレジャー施設などは全くありません。
たまにやってくるロシアのサーカスショーだって、バクーのそこそこお金を持った人たちしかチケットを手にすることはできない状態。
そのことを知っているバクー在住経験のある日本人女性は、
『春に満開の桜で誰もが平等にお花見を楽しめたら素敵だなぁ〜!! 桜、持ってきたい!!』
と強く思ったそうです。
まさに、このプロジェクトの種が生まれた瞬間です!