ワイン発祥の地・アゼルバイジャンの古都を日本の桜で満開にしたい!
『なぜ桜の公園を?』がわかった午後のカフェで。

バクー郊外のカフェで。なぜか牛乳瓶のようなグラスで出てくる違うレモネードはアゼルのカフェの定番メニュー。
農業省でのプレゼン翌日の日曜日、エミンさんは再度日本人女性とパートナーのカマラさんをバクー郊外のカフェへ呼び出し、改めて桜の公園計画について話しました。
本当に桜を持ってきてほしいから、そのために話せることを全て伝えたい。
エミンさんにとっては、桜の寄贈をお願いできる最後のチャンスだと思ったのかもしれません。
桜の公園を作る予定地は『シャマフ』という都市でバクーから車で約2時間ほどの都市。
その昔、シャマフはシルヴェンシャー王朝の都としてとても栄えていました。
ところが大地震が立て続けにおこり、その都度大変な被害に見舞われます。
そこで現在の首都、バクーに都が移されたのです。

現在シャマフはとても豊かな自然に溢れ、所々に歴史的建造物が残されています。
数年前よりそのシャマフの歴史的価値を再度見直そうと再開発の計画が立てられ、バクーからの新しい道路の開通や今まで全てバクーに集中していた大学をシャマフにも新設するなど、大きなプロジェクトが進行しているそうです。
そんなシャマフの再開発の中で、誰もが親しめる場所を作りたいとの要望が上がり日本の桜に目が向けられました。
アゼルバイジャンは超親日の国。
日本といえば桜、春に満開の桜は本当に美しく、見る人の心を潤します。
しかも、日本も地震が非常に多い国。
度重なる震災を人々が協力し合い復興する様子はこの地でもニュースなどでよく知られていました。
旧ロシアから独立した時、建国の父と呼ばれるヘイダルアリエフ前大統領が『2度の原爆から見事に立派に復興した日本のような国を目指そう』と言ったことがきっかけで親日になったアゼルバイジャン。
シャマフの再開発に日本の桜の公園、これ以上ないシンボルとなるとエミンさんは話します。
『震災』『復興』と聞くと日本人としては心が騒ぐ。
単なる綺麗な公園を作るためではなく、そこで暮らす人の心を晴れやかにするための桜。
なんとしてでも、持ってきてあげたい!
日曜の午後、穏やかなオープンカフェでのこの時間がなければ、このプロジェクトはなかったかもしれない。
全てが桜につながる貴重なステップでした。