本の美術展をイメージした新ジャンルの『企画本屋』を開催したい!
長い長い作文 第3話「二人目の店主」
『本を美術館みたいに額に入れて飾って販売する。』
ポン。
真っ暗だった頭の中に、この言葉が突然降ってきた。
そこからは、握った手の中から小さな国旗がスルスル出てくる手品みたいに、次々と企画の構想が浮かんだ。
約900文字。
私はひたすらスマホのメモにアイデアを打ち込んだ。
楽しくて眠れなかった。
さやちゃんへの手紙の便箋の裏側に、『企画本屋honten』のアイデアをびっしり書き連ねた。
「さやちゃんは言葉が好きだし、私よりたくさんの本を知っているし、そんなさやちゃんが本屋の夢を叶えられないはずがない!」
私は彼女の可能性を心から信じていたんだと思う。

さやちゃんへの手紙の裏に書いたhontenのアイデア。第1回hontenではまだ採用していないアイデアも。
返事は間もなくして届いた。
思わしくない反応だったらどうしよう・・・ドキドキしながら手紙を読んだ。
「すごく面白そうです! 一緒にやってみたいです!」
やった! よかった!
私はガッツポーズをした。
こうして、二人目の店主が誕生したのだった。
後日、企画書を作り彼女に送った。
hontenの内容を理解してもらうためというのもあるが、それ以上にhontenへの想いを共有したかった。
目的の欄にはこう書いた。
・楽しいことしたい ← これが一番!
・お金が無くても、ノウハウが無くても、特別な能力が無くても、本業があっても、
『本屋をやる』『自分の店を持つ』という夢は叶えられると伝えたい
・誰かの心地のいい居場所になる

企画書の一部分。
さやちゃんと同じように、あるいは少し前までの私と同じように、『私なんて無理』『どうせダメ』とあきらめている人は少なくないと思う。
私はhontenを通して、無理じゃないんだと証明したい。
そうして、自分の可能性を信じられる人が増えたらいいなと思う。
どんな時でも、苦しい状況でも、必ず何か方法があるんだと伝えたい。
『夢』『叶う』『あきらめる』というようなワードが出ると、私はある人が頭に浮かぶ。
私はその人を「空想教室」という著書で知った。
尊敬する、という気持ちに実感を持てたのは、その人が初めてだった。
つづく
「長い長い作文」とは?
クラウドファンディングのプロジェクトページ作成にあたり、今までを振り返って私・三浦が書いた作文。
原稿用紙20枚分に及ぶ。
プロジェクトページに書き切れなかったhontenへの想いをお伝えするため、少しずつ活動報告にアップしていきます。