本の美術展をイメージした新ジャンルの『企画本屋』を開催したい!
長い長い作文 第4話「空想教室が教えてくれたこと」
私はその人を「空想教室」という著書で知った。
尊敬する、という気持ちに実感を持てたのは、その人が初めてだった。
植松努さん。
北海道の工業用マグネット開発会社・植松電機の社長だ。
この会社、なんと宇宙ロケットも開発している。
講演会を聞きに行ったら、もっと植松さんのことが好きになった。

第1回hontenでの販売が決定している、植松努さんの著書「空想教室」。『自分にもできるかもしれない』という気持ちにしてくれる、魔法の本。
植松さんは子どもの頃から飛行機が大好きで、学校の勉強はそっちのけで飛行機の勉強にのめり込んだ。
しかし、親にも学校の先生や友達にも理解されなかった。
「お前なんかできるわけがない。」
「どうせ無理。」
そう言われて育ったのだそうだ。
そんな植松さんを救ったのは、唯一の理解者であった祖父と、本だったと言う。
植松さんは今、どうせ無理と散々言われ続けた宇宙ロケットの開発をしている。
『思うは招く』が植松さんの信念だ。
「どうせ無理、という言葉を世界からなくしたいんです。」
そう言って、植松さんは各所で講演活動を続けている。
私は、ことあるごとに「思うは招く」という植松さんの言葉を思い出す。
どうせ無理と思わないで、どうすればできるのか? を考える。
それは自分自身に対してだけではなく、周りの人に対してもそうだ。
植松さんの精神が私の中に確実に根付き生きていることを、hontenを通じて実感している。
企画書には『大切にしたいこと』という項目も作った。

① 楽しい
まずは店主自身が楽しいと思えることが重要だと思った。
私が思う『楽しい』は、『わくわくする』という意味もあるが、『ラク』という意味も含んでいる。
『ラク』というのは、頑張り過ぎない、無理しない、気楽にやる、とも言い換えられる。
どうやら頑張り過ぎる質らしい自分に対しての目標でもあった。
また、1歳年下という立場のさやちゃんが私を気遣い過ぎるあまり、彼女に無理が生じるのも防ぎたかった。
二人が楽しそうにしていれば、周りの人にもそれは伝わるはずだ。
逆に、楽しくない気持ちも伝わってしまう。そう思う。

クラウドファンディング用の写真撮影時の1枚。誤って手元のリモコンでシャッターを切ってしまった瞬間。「あ撮っちゃった!」二人で大笑いした。
② 優しい
私がもしお店を持つとしたら『優しい』空間にしたい、とかねがね思っていた。
誰かの居場所になれるような、居心地の良い店にしたかった。
優しさは必ずしも見返りがあるわけではない。
それは痛いほど、実体験として理解していた。
それでも。
性懲りもなく私は『優しいを配りたい』と思っていた。
ああ、もしかしたら。と私は思う。
もしかしたら、大学生の頃に見たあの映画が影響しているのかもしれない。
つづく
「長い長い作文」とは?
クラウドファンディングのプロジェクトページ作成にあたり、今までを振り返って私・三浦が書いた作文。
原稿用紙20枚分に及ぶ。
プロジェクトページに書き切れなかったhontenへの想いをお伝えするため、少しずつ活動報告にアップしていきます。