しゃべって、覚えて、思い出すカードゲーム『WAになって語ろう』をリメイクしたい!

しゃべって、覚えて、思い出すカードゲーム『WAになって語ろう』をリメイクしたい!

製作の理由・意図とは:日常のささいなところにあるお人柄を発掘し、お話ししていただき、内容を覚えておきませんか

ようがくじ「不二の会」WAになって語ろうリメイクプロジェクト、起案者の向井です。 「製作の理由・意図とは:日常のささいなところにあるお人柄を発掘し、お話ししていただき、内容を覚えておきませんか」というお話。 わたしがお坊さんとしてお勤めする中で「こんなことをしてほしい、伝えたい」という思いが起こります。その思いが先行して、ボードゲーム・カードゲームをお作りしているのですが・・・。
(お寺ゲーム部:お寺の本堂でカードゲーム・ボードゲームで遊ぶ様子)

製作の意図・理由とは

『WAになって語ろう』は、日常のささいなところにあるお人柄を発掘し、お話ししていただき、内容を覚えておく・・・ことを、してはいかがでしょうか?という思いから始まりました。 お坊さんとしてお勤めをしていると、必ずといっていいほどお話をうかがう内容があります。それは「人柄」です。 生きている方、亡くなられた方のお人柄。 どのような矜持を持ってお仕事をされていたのか、ふだんどのようなことをお考えになっていらっしゃったのか。 そうして、さまざまな方と「人柄」についてお話を伺う中で感じたことが、4つありました。 ◆わたしたちは、だれかの人柄や想いについて、その人の発した言葉や文字にふれるたび、くみとっている ◆「大きなイベント時よりも、日々の暮らしのなかでの出来事」こそお人柄がにじみでている ◆そのようなだれかのお人柄を思い出せる方とは、そのだれかさんが亡くなったときの悲しみも深いけれども、立ち直るのも早い/たやすい ◆他人の人柄トークを聞いて、自分だったらどうであろうか?と考えることができる ・・・・そして、「日々の暮らしのなかでの出来事」を掘り下げるようなことを、していただいたらどうか、と考えたのでした。

◆わたしたちは、だれかの人柄や想いについて、その人の発した言葉や文字にふれるたび、くみとっている

「いのちをひきつぐ」という言い回しがあります。 これは血を継承するということだけを言うのではない、とわたしは考えています。 つまり「(家族や友人の)人柄を自分のなかに取りこむ」ということではないかと。 ・・・あの人はあの時あんなことを言っていた、行動していた/何もしていなかった。それはこういう意味だったのではないか。それを受けて、わたしはこう思う。こう生きていく・・・。 究極、人が生きているということは、これの繰り返しなのではないかと思うのです。 血の濃い薄い、一緒に過ごした時間の多い少ない、は関係ありません。 故人の「いのちをひきつぐ」には、故人とのふれあいについて懐かしく思い出す必要があります。 生きている人の「いのちをひきつぐ」には、生きている人と語り合う必要がある。 そして、なにより、自分のなかに汲み取る機会や時間がいる。 (仏教であれば、ここで仏とのつながりであったり。キリスト教であれば、神とのつながりについて、考えることをすすめていくであろうわけですが) それでは、ここを重点的にくりかえしできる形を模索してみようと。 亡くなった方を対象にするものはとりあえず置いておいて、生きている人と対面して「いのちをひきつぐ」「(家族や友人の)人柄を自分のなかに取りこむ」ことをゲームで遊びながら楽しみながらやっていただこうと思った次第です。

◆「大きなイベント時よりも、日々の暮らしのなかでの出来事」こそお人柄がにじみでている

死の間際や、終のすみかとなった入院先での出来事。 そのような大きなイベント時とは、とても記憶に残ります。人間の本性、素の自分が出ることもあるからでありましょう。 じっくりと耐える姿も素の自分であり、痛い痛い死にとうないも正しい素の自分です。 しかし、そこまで大きなイベントなど、めったに人生には起きはしません。 入学式や卒業式、就職活動、おつきあい、結婚、出産や子育てなどのライフイベントは、同じことは滅多にない・・・。 それよりも、ふだんの暮らしぶり、日常の立ち居振る舞いにこそ、その人のお人柄がにじみでるではありませんか。 子どものことについては几帳面だが、自分のことになると煩雑になる。寡黙な人だったが、仕事についてはよくしゃべった。夜更かしをしても怒らない親だったけれども、食べ物は粗末にするなと厳しかった。 見る側の、目の付け所がよくないといけません。なかなか難しい。しかし、聞けば、掘り下げれば、出てくるものです。その聞く機会もなさそうですが・・・。

◆そのようなだれかのお人柄を思い出せる方とは、そのだれかさんが亡くなったときの悲しみも深いけれども、立ち直るのも早い/たやすい

故人がどのような方だったのか。お人柄を知っている、思い出がたくさんある・・・ということは、悲しみを深くさせます。 しかし、ひるがえって、わたしたちが日常をとりもどす、立ち直る機会を増やしてくれる助けにもなるのではないか。 お坊さんとして、多くのひとをともに見送ってまいりましたが、ここは頻繁に実感することです。 あなたがお坊さんであれば、うなずいてくれるのではないでしょうか。 それだけの悲しみは、故人がいたからこそ与えられるものであり、遠いけれども傍にいることの証明でもあるのではないかと。・・・悲しみにくれる人間にとっては、お辛いことではあるのですが・・・。 「おかげさま」という言葉があります。「おかげ」とは神仏のご加護について示すものでしたが、慣用句「草葉の陰から」のように故人の影響を言うようにもなりました。「おかげさま」を強く思い知らされるのは、どなたかとお別れしたときでしょう。

◆他人の人柄トークを聞いて、自分だったらどうであろうか?と考えることができる

ご家族連れと一緒に『WAになって語ろう』を遊んだことがありました。 小学生くらいの娘さん、その友人、娘さんのお父さんという3人組。 「将来の夢はなんですか?みんな答えよう」のカード。 娘さんは、かなり細かくケーキ屋さんになりたい夢を話してくれました。 お父さんは、そんなことを聞いたことがなく、しかも意外と深く考えていて、図書館で調べたりケーキ屋さんに話を聞くくらいまでしている娘の様子に驚いていました。 また、そのお父さんは、大人になってもいろいろな夢を持っていいんだよ、と娘さんに諭していました。いまは会社員だけど、副業でこういうことしたいんだよね、と。 娘さんは、じゃあ会社員しながら、ケーキ屋さんやってもいいよね、と答えていました。 あなたはどう思う?に対して、じゃあ私はどうかな?とすぐに返していた娘さんも大したものです。 そんな親子の様子を拝見し、ほっこりしたことを覚えています。

◆おまけ:人の話を最後まで聞く練習になる

「人柄」についてではないのですが、『WAになって語ろう』をご家族連れと一緒に遊んだときのことです。 このゲームは、最後まで人の話を聞く練習になりますね。 そう言ってくださったご家族さまがいらっしゃいました。 質問にたいして答えるのを待つ、そして、答えた内容についてすこし深掘りをする。ある程度、最後までお話をすませるまで伴走することがゲームで求められる行いです。 子どもだけではありません。大人・親にとっても、ひとりの人間としてお子さんと対峙する訓練になる、と受け止めています。

引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いします

まだまだプロジェクト期間は続きます。お題はgoogleフォームにて募集中です、またお題を考えなおすオンラインLive配信なども随時開催してまいります。 印刷所さまへの入稿は8月中旬。引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いします どうか皆様、プロジェクトページ・活動報告ページのSNS上でのシェアや、 ご支援のほど、応援をどうぞよろしくお願いいたします!
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