Cubbit |次世代分散型クラウドストレージ。利用料0円+セキュアにデータ保存
達成いたしました!

プロジェクトが開催してから1日足らずで達成いたしました!
達成以降も支援は伸び続けており、今のところ
支援総額は¥3,478,000となり、76人の方にサポート頂いております!
さて現在プレゼントキャンペーンも行っておりますが、何故敢えてこの「茶色の朝」の本を選んだのかを本日は少しお話させて下さい。
フランク・パヴロフ著、寓話「茶色の朝」。
主人公はパリに住む普通の人。ところがそこはなぜか「茶色」が重んじられる社会。
茶色でないペットを飼うことが禁止される法律が施行され、本人は白黒の猫を自警団が配った毒団子で処分させられます。友達のシャルリも別の色のラブラドール犬を飼っていたところ、同じように処分を余儀なくされてしまいます。ところが後日そのシャルリが「むかし、茶色ではない色のペットを飼っていた」容疑で逮捕されたというニュースが届きます。そしてほどなく本人のところにもドアをノックする音が響く、というところで物語は終わります。
データがよりデジタルになり、より多くの人たちと共有されることによって、今の社会は昔と比べてはるかに便利になりました。
一方、自分が過去に行ったことがデジタルアーカイブに残ってしまうのも事実。
「あの人は今はあんなことを言っているけど、昔は全然違うことを言っていた」というような話は以前からありますが、それがデジタルの魚拓として残ってしまう。
世の中には、敢えて他の全ての人と共有する必要のない情報もあります。例えば「日記」。
生まれた時からTwitterが目の前にあった世代の人たちには自分だけが見ることができる「日記」なるものにどういう意味があるのか、ひょっとしたらわからないのかもしれません。
でもデジタル全盛のこの世にも、できれば自分だけのものにしておきたい情報もあります。
クラウドサービスは、こうした「パブリック」と「プライベート」の境を完全に個人の責任に委ねてしまいました。設定ひとつで、これまでプライベートだったものがすぐにパブリックになる。その権限が個人にあればまだ良いですが、
実は知らないところでそのデータが他の目的に利用されてしまう。
そんなありえないようなことが実際に行われていた事実に世の中が震撼したのが、かの有名な、2018年に明るみにでたFacebook上のユーザー属性がCambridge Analyticaという企業に利用されていた事件でした。個人のインタレストグラフが、第三者によって時には政治的な目的に利用されてしまう。しかも、それが米国大統領選挙という、もっとも公正でなければいけないはずのものに。
利便性とプライバシー保全は常にトレードオフの関係にあります。そのコントロールをユーザー側に戻そうとする動きが現在のトレンドです。
欧州発のGDPRしかり、今回のApple社のiOS14.5しかり。
一方で、どこまでそうした大手クラウドサービスを信じて良いのか。これは難しいところですし、最終的にそれを判断し、リスク=リターンのバランスを決める役割は、むしろ個人の責任として突きつけられているといっても過言ではありません。
過去に何気なくクラウドストレージに放り込んでいたものが、知らないうちに権限が変わって公開設定になっていた。
そんなあり得ないようなことも、今後絶対に起こらないと言えるのでしょうか。
そんな時代への警鐘として書かれたのがこの「茶色の朝」だとすると、そんなあり得ないディストピアの寓話を読み、今なにげなく当たり前のように使っているサービスに対して一考する機会があっても良いのではないかと思った次第です。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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