スマートキーを傷つけず他の鍵と小さくまとめるキーケース「カスタニエッテ」

スマートキーを傷つけず他の鍵と小さくまとめるキーケース「カスタニエッテ」

カスタニエッテの開発秘話~理想のキーケースができるまで~①ユリシーズで販売終了したキーケースの話

はじめまして。Photo Life Laboratory ULYSSESでキーケースのデザインを担当している三好です。 この「カスタニエッテ」というキーケースの形が出来るまで、大量のキーケースの試作、使用を繰り返しました。 車のスマートキー・カードキー・普通の鍵をまとめて持ち歩きたい方にとって、心地よいキーケースになっていれば嬉しいです。 プロジェクトのスタートの前ですが、活動報告にてこの「カスタニエッテ」が産まれた経緯と、日の目を浴びないお蔵入り案を細かく記載していきたいと思います。

鍵ってどうやって持ち歩いてる??

私がユリシーズのお仕事に携わり始めた6~7年前、 弊社社長の魚住から、「三好さん。鍵ってどうやって持ち歩いてる?」と聞かれたのを覚えています。 その頃から(そのもっと前から)キーケースの調査は始まっていて、魚住が切望していたキーケース。 市販の様々なキーケースを買いあさり、「もっとこうだったらいいのに!!」「もっとこういうのが欲しい!!」と思いを募らせていた模様・・・。 その頃の私といえば、カメラのボディースーツ(カメラに革をピッタリと着せるケース)を担当していて、 「センサーって何?」「ISOって?」「絞り?」…等、カメラの事を1から教わっていた時期。 ユリシーズ=カメラ周辺の革小物を企画するブランドと認識していた私。 この約10年間分のキーケースへの熱い思いを具現化する為に、 キーケースの試作を作り続ける毎日が来るなんて思ってもいませんでした・・・。

ユリシーズで商品化されたキーケース

数年前と今とで、ユリシーズの中でキーケースに求める要件がどのように変わっていったのか? それを紐解くために、 まずは、ユリシーズで過去に商品化されたキーケースの紹介をします。

その1 ワンハンドキーケース「モルースコ」※販売終了

この商品のコンセプトは、 「片手でサッと目的のキーを選び出し、使い終わったら片手でサッと収納できる」 この片手でサッと鍵を収納する為には、中身に鍵が入る空間が必要でした。 鍵が入る空間は必要だけど厚みは出来るだけ増やしたくない。 この矛盾している事を実現する為に贅沢にも両表に革の絞り加工を施し、必要最低限の鍵が入る空間を作る事に成功しました。 また、蓋の部分に鍵を滑り出して選び出す為、鍵が横に落ちないように、 蓋を閉めた時にも本体にふわっと寄り添うように蓋が内側に折れるような仕組みを取り入れています。
小さくてフォルムが美しい!そして片手でササっと鍵が入る! 今でもスタッフの中にこのキーケースのファンがいるほど使いやすいのですが、 職人さんの高度な技術をふんだんに使って作った結果、小さいのにお値段が高めになってしまい、 リピートが出来ず、泣く泣く廃番となりました。

その2 大食いキーケース「ヴォラーチェ」※販売終了

次に作ったのが、鍵を沢山持ってて、おまけにスマートキーも一緒にまとめたい方向けの、 鍵を丸飲み!大食いキーケース。その名も「ヴォラーチェ(イタリア語で大食い)※販売終了
革と真鍮という、革小物らしい素朴な素材の組み合わせにし、革好きな人の心をくすぐっていました。 一見そんなにたくさん入っているようには見えないけれど、見た目よりもはるかにたくさん入ります。 一般的なキーを最大9本まで収納することができる、大容量キーケース。 全部中に入るので、鍵の束をジャラジャラさせずにひとつの塊として持ち歩くことができます。 小さいのにたくさん入る仕組みで最も重要なのは、実は革の厚さと柔らかさ。同じ寸法でも、革が厚く硬いと、入る本数は半分に減ります。かといって、薄く柔らかくしすぎると、キーケースの変形が大きくなり、美しさが損なわれる・・・。 ヴォラーチェは「型くずれしないギリギリの厚み」を追求し、この形が完成しました。

めでたしめでたし・・・!?

10年以上抱いていたキーケースへの熱い思い・・・これで消化?? スマートキーと、鍵を沢山持っている弊社社長の理想のキーケースへたどり着きました。 めでたしめでたし・・・^^

と思いきや、問題発生です!!!!

事務所の引越しに伴い、事務所の鍵がカードキーに・・・!!!!

「なに?ヴォラーチェが使えないだと??」←弊社社長

「このヴォラーチェに会社の鍵や家の鍵、スマートキーを付けて使っていて、全部ひとまとめにして持ち歩けるところが気に入っていました。ところが、今のビルに引っ越して、前の職場の鍵がなくなった代わりに「セコムのカードキー」が必要になり、それまで縁のなかったカードキーが毎日必ず使う欠かせないキーとして生活の中に加わることになったのです。しかし、きのうまで当たり前のように使っていたヴォラーチェには、サイズ的にも形状的にもカードキーが入りません!!!!!!」

キーケースの熱い思いが再び噴き出して止まりませんでした。

こうして、スマートキー・普通の鍵・カードキー全部まとめて入るコンパクトなキーケース作りが始まりました。 (つづく・・・)
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