MetMo Grip|機能性抜群マルチツールがストレス解消のフィジェットトイに!
MetMo Grip|機能性抜群マルチツールがストレス解消のフィジェットトイに!
誕生秘話とレンチ戦争
既にご支援下さった皆様、ありがとうございます。
本題に入る前に一つ言わせて下さい。「なぜこのツールはこの価格であるのか?」というご質問を支援を頂きました時に大切なバックストーリーを余り書いていない事に気が付きました。少しでもオーナーが何故このツールの開発を思いつき、どんな思いで開発したのかを少しご案内出来ればと思います。
オリジナルのレンチの開発者エドウィンについて
Metmo Gripの元になったレンチの特許は、エドウィン・J・エバンス(ユタ州ソルトレイクシティからカリフォルニア州ベニスへ)が特許を取得した5つのデザインのうちの最後のものでした。彼の最初のレンチは1912年に設計されたもので、当時はモンキーレンチの技術革新が急速に進んでいた時代であり、1921年にマサチューセッツ州ニューベッドフォードにあるH&E Wrench Co.社にいたGeorge E. Hemphillが製造していたようです。その後、彼は1923年に同じ会社で追加の設計を行っており、記録によると、この2人は1926年まで一緒に沢山のレンチ開発を行っていたというのが確認出来ており、これらのアンティークレンチは今でもよく見かけられます。

1929年に出願されたエヴァンス社製ZipGripレンチの特許原本
そして1929年、エドウィンは最後のデザインである特許を取得し、これがMetmo Gripのインスピレーションになったレンチになります。その後、マサチューセッツ州フォールリバーに自分の製造工場「Evans Wrench Co.」を設立し、ビジネスパートナーであったジョージ・E・ヘンフィルとはお別れをしました。
その後の記録はほとんど残っておらず、あくまでも推測ですが現在まで残っている物が少ないということは、このZipGripレンチは長く生産される事はなかったと思われます。恐らくですが、会社が閉鎖されるまでのわずか1年間しか生産されなかったと考えています。
当時は、様々な調整方法やレイアウトの特許が毎年何百件も申請されていた時代で、現在のように標準化されたツールが普及し、初期のコンセプトに勝るものが出てくると、長期的には競争に勝てないビジネスが多くありました。
このデザインについては、第二次世界大戦中のシャーマン戦車に装備されていたツールキットに、よく似たデザインのものが含まれていたという噂もありますが、今のところそれについては検証されてはいません。ただ、このようなデザインのものが製造されたという情報はこれが最後でした。
現在、両社についての情報は余りありませんが、ツールや特許は、彼らの創意工夫と品質の証として残されています。私たちが目指すのは、その創意工夫を現代に生かし、最先端のデザインと機械加工によって、時代を超えたコンセプトを完璧な形で実現することだとその時確信しました。そして現代的な素材を使い、現代的な方法で作られたMetMo Gripは、工学的にも奇抜で、工具という役割だけにとどまらず、フィジェット・トイとしても使えるツールとして発展し、あの時代の想いを楽しんでもらえるツールとして多くの方に手に取って思いをはせて頂きたいです。
いかがでしたでしょうか。少しでもオーナーの熱い想いが伝われば幸いです。
引き続き応援をよろしくお願いいたします。
Team MetMo事務局