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失笑
クライアントがバカにされる事件
これは知人の紹介でPR会社の方と最初の打ち合わせをした時のお話です。
通販化粧品で大きな実績をあげた経験がお有りとのことで、知人から紹介を受けたのですが…
出来上がった商品を見せた瞬間
「失笑」されたんですよ。
これ嘘みたいな本当の話(笑)
自分の目と耳を疑いながら、話を聞いていると、こんなパッケージじゃ売れない、もっとお金をかけた箱とボトルでなければダメ、中途半端なモノならやらない方がいい、とのことでした(笑)
自分はこんな実績がある、こんな製品をPRしている等、何やら自慢気にお話をされるのですが…
えーっと。
PR会社とは、お金を頂く方。
クライアントとは、お金を払う側。
はい、私お客様でございます。
この時の製品は幹細胞ほどメジャーな原料を使っておらず、一般的な価格帯ではありましたが、有効成分を高配合し、スプレーして数秒で左右差が出るほどの即効性を実現した、私にとっては最愛の作品でした。
内容なんて関係ない。
美しいパッケージと、広告広報にお金をかければ、どんな商品でも売れる。
私が売ってあげるという口ぶりでした。
「水だって売れますよ」
という言葉には、もうこちらは絶句するしかありません。
PR会社というのは、人脈をお金にかえる仕事と言えば分かりやすいでしょうか。
マスコミ関係者との人脈をつかって、テレビや雑誌、新聞などの媒体の取材を取り付け、販促をする仕事。
製品の中身より、どんな媒体に取り上げられるかの方が重要で、その媒体にどれだけコネを使って取材を取り付けることが出来るか。
そしてその媒体の規模、格によって報酬が跳ね上がる…ということらしいです。
もちろん、私の想いもお話しました。
内容成分と即効性、容量にこだわり、パッケージはなるべく簡素にして、適性価格で提供したいとの旨もお伝えしました。
はい…
その結果が失笑です。
原料メーカー、工場への問い合わせの段階でも、無理と断られることは何度となく経験していましたし、今更どうということもありませんでしたが、断られる場合でも、皆さまお仕事ですから、一応ご丁寧に「ご要望にお応え出来ず、申し訳ありません」のような回答を頂くばかりでした。
そのことに、改めて感謝の気持ちが湧き起こりました。
知人の紹介ということもあり、その場はなんとか低姿勢に… 半ば呆れながらヘラヘラと対応して、依頼の件は無かったことにさせて頂きました。
化粧品の発売元になるということに関しては、初めての経験でしたし、素人とバカにされても仕方ありません。
しかしです。
私は20年以上、お客様と相対し、接客とは何か、美容師とは、サービス業とはどうあるべきか、常に自分に問い続け、向き合って来ました。
化粧品の発売元になる原動力は、
良い製品をお客様に届けたいという気持ちです。
そんなキレイ事は、大きなビジネスの実績がある方にとっては、失笑の対象だったのでしょう。
どれほどの人脈がお有りで、どれほど莫大な売り上げを叩いた方であろうと、
クライアント、お客様を頭ごなしに失笑するという姿勢が、生粋のサービスマンである私には到底理解出来ませんでした。
長年仕事をしてきて嬉しいことの一つは、
三歳七歳の七五三のお支度をさせて頂いたお嬢さんたちの、成人式のお支度まで依頼して頂けること。
人生の節目となるイベントのお支度を長きに渡って任せて頂けることは、無上の喜びです。
お金を頂く側なのに、お客様から「ありがとう」と言って頂ける。
あなたでなければと、選んで頂ける。
成人式や卒業式、結婚式まで、仕上げてお見送りする時は、まるで親戚のおばさんのような気持ちで感無量です。
お客様を、そして仕事を愛しています。
話が逸れて失礼しました。
とにかく、接客にせよ、製品の販売にせよ、
お客様ありき。
全てはお客様の満足のために。
バカにされても、笑われても、
その基本だけは失わないでいよう。
そう、気持ちを新たにする出来事でした。
