【パリ・ギリシャ】ヨーロッパ巡回の展示を成功させたい!
私がモノクロームで描く理由【活動報告 vol.2】

Katharsis/ カタルシス(2022年)
モノクロームアーティストの桜井智です。
活動をしているとよく言われるのが
「なぜモノクロームなの?」
「色をつけたらいいじゃないか」
「もっと明るい絵を描いた方がいいよ」
この3つです。
今回はマイナスに言われることも多いモノクロームアートを描き続ける理由をお話しします。
自身のモノクロームアートには大きく分けて2つの側面があります。
一つは、時間や色の概念を隠している、ということです。
過去の映画や写真等は、モノクロームであることはご存知かと思います。
それを見た方は無意識のうちに、自分で色彩を想像します。
情報が少ないことが、想像力の発展に繋がるのではないかと考えました。
作品展で「魑魅魍魎(目)」を見た方に、こんなことを言われました。
「作品に色が見える」
見た方が想像し、豊かな感性が生まれた瞬間でした。

桜井智原画展2020(サナギ新宿)
色彩が及ぼす影響は、大学で色彩心理学を学んだり、元々は色を使って描いていたので、重要さは把握しています。
本来、私たちは自由に想像することができるはずなのです。
しかし、必要以上の情報が意図せず手に入る現代では、自身で想像する力が失われつつあります。
そこで敢えてモノクロームで表現し、余分な情報を削ぎ落とすことで、想像力や感性の発展のきっかけを作りたいと考えました。
物理学者のアインシュタインはこんな言葉を残しています。
「想像は知識より重要だ」
想像することは、心の豊かさのために大切なことです。
アートとは自身との対話です。
固定観念を無くし、表面的な部分にとらわれず、自由に想像していただきたい。そんな想いでモノクロームアートを描いています。

Katharsis Mirror / Rebuild Mirror(2022年)
そしてもう一つ。
白と黒。この対になっている状態の間には、グラデーションが存在します。その振れ幅が大きければ大きいほど、表現の幅が広がり美しく描くことができます。
人生にも同じことが言えると考えます。
明暗、陰影、裏表、光と影、、、
物事は二面性が共存しており、その中の多面的な部分を理解することで、より豊かな人生を送ることができるのです。
この考えを、自分なりの表現方法に落とし込んだものがモノクロームアートです。
元は大学を卒業してから、夢中で打ち込めることなど何もなく、何をやっても長続きしない性格でした。のちに父親が画商をやっていたことを知るのですが、数年前にアートと再開し、それからの発展を考えると、やはり昔夢中になった物事は、本当に心から好きなのだと感じています。

Like a cloud 8,9,10,11(2021年)