「革のダイヤモンド」クロコダイル革で作るお札が折れない三つ折り財布

「革のダイヤモンド」クロコダイル革で作るお札が折れない三つ折り財布

機能性を持ったクロコダイル革三つ折りミニ財布の誕生秘話

この度、タイ王室御用達の工房にて「革のダイヤモンド」と称されるクロコダイル革を使って、機能性の高い三つ折り財布を開発しました。 小さくて機能性のあるお財布だけでなく、クロコダイル革の圧倒的な存在感を味わうことができます。しかし、そんなお財布が出来上がるまでには、たくさんの苦労と約11か月という長い年月をかけてきました。 そこで今回は、First Reachミニマルシリーズ ”Shakhnoza” 三つ折り財布の誕生秘話についてご紹介してまいります。

機能性三つ折り財布開発のキッカケ

昨今、日本ではクレジットカードや電子決済などキャッシュレス決済が広く普及し、現金を多く持ち歩く必要がない現代になりつつあります。 それと同時に、必要なものだけをSMARTに収納するミニマリストが増えてきました。 First Reach「Shakhnoza」シリーズでは、常に時代の潮流に合わせた創造性をINSPIREするSMARTかつルックスのいいデザインを、お客様の元へお届けしていきたいというコンセプトを持って運営しております。 そして色々と調査を進めていく上で、お財布を一番コンパクトにできるカタチは、三つ折り財布という結論にたどり着き、” Shakhnoza” シリーズ三つ折り財布の開発がスタートしました。

11ヵ月かかった商品開発期間

商品開発は、2021年6月(合計11か月)まで遡ることになります。当初こんなに時間を要するとは考えておりませんでした。 何故こんなにもかかってしまったかというと、商品開発に一切の妥協を許さなかったからだと思っています。

デザインの選定

まずは三つ折り財布の長所と短所について、洗い出しを行いました。 【長所】 1. コンパクトで携帯性に優れる 2. パンツやアウターのどんなポケットにも収まる 3. 必要なモノだけを持つ習慣ができる 4. 長財布と比べると価格も安い 5. キャッシュレス決済との相性良し キャッシュレス決済の普及も進む中、小型でミニマルなフォルムに「スマートさ」を感じることができます。カード決済やスマホ決済がメインな人なら、やはり最低限の機能美を追求した三つ折り財布が最適ということがわかりました。 【短所】 1. お札が三つ折りの形状に曲がる 2. 長財布や二つ折り財布に比べると収納力は劣る 3. 紙幣、小銭、カードの取り出しアクション数が多い 4. 折りたたむ分どうしても厚みが出やすい傾向にある 次に、三つ折り財布の短所を洗い出し、悪い点を改善できるデザインに設計しようと考えました。特に注視した点が、「1. お札が三つ折りの形状に曲がる 」「3. 紙幣、小銭、カードの取り出しアクション数が多い」「4. 折りたたむ分どうしても厚みが出やすい傾向にある」です。
★お札が折れない最小の設計★
「1. お札が三つ折りの形状に曲がる」に於いて、SNSで多くの方が満足していないことを伺い知ることが出来ました。 例えば、「お店のレジ係の方が三つ折りになった紙幣だと、レジに収納しにくい。」「三つ折りになった紙幣で支払いたくない。」といったユーザーの方が多くおられました。 そこで、一番大きい一万円札でも、完全な三つ折り跡がつかない最小のサイズ(横幅9.5cm、縦幅7.5cm)に設計することとしました。
★ワンアクションで取り出せるタテ型財布★
「3. 紙幣、小銭、カードの取り出しアクション数が多い」についてです。通常の三つ折り財布は、小銭入れが外側についていることが多くあります。この場合、支払いの動線を考えた時に、1-2つの動作が増えます。 例えば、①お札で支払うため財布を開けます。小銭を受け取った後、小銭を収納するのに、②一度財布を閉じて、③小銭入れを開けるといった感じです。 この問題点を、タテ型財布に設計することでお札・小銭・カードの全動作をワンアクションで実現しました。
★各パーツが重ならないデザイン★
「4. 折りたたむ分どうしても厚みが出やすい傾向にある」に関して、お財布を三つ折りにする為、どうしても厚みが出てしまうのがデメリットであることから、各パーツが重なってしまう点を計算し、デザインを決定しました。 その結果、弊社の二つ折り財布と同じ厚み2.5cmを実現しました。
★バリエーション豊かな色★
お財布のバリエーションは、全部で5色取り揃えました。各色、フォーマルからカジュアルといった幅広いシーンでご利用いただけます。 とくにこだわったのは、内側の牛革で、First Reachの商品群で人気のあるカラーにしました。
牛革:黒、クロコ革:黒 牛革:紅藤、クロコ革:黒 牛革:赤、クロコ革:黒 牛革:赤茶、クロコ革:灰 牛革:茶褐、クロコ革:紺

2度も試作品を製作する

一般的に、製作を依頼するSriracha Farm Thailandでは、試作品を一つ作り、微調整を加えて、次に量産を開始します。しかし今回の開発では、1つ目の試作品では納得できず、2つ目の試作品を作りました。 一つの試作品を作るのに、約1-2ヵ月かかる為、二つ作ることで、それだけ時間と費用が倍に増えてしまう形となりました。 しかし妥協しなかったからこそ、ユーザーが求める三つ折り財布を完成することができたと自負しております。

パーツにもこだわりを徹底

お財布に使用するパーツにもこだわりました。通常は、弊社では凸部分が直径1.2cmのホック(日本製のHASI HATO)を使用します。ただ財布のサイズ横幅9.5cm、縦幅7.5cmと相性を良くするには、凸部分直径をやや小さくする必要がありました。 そこで、小さなスナップボタンでもホールド力に定評のあるイタリアPRYM社製 挽物ホック(凸部分直径0.9cm)を、贅沢にメインホックと小銭入れホックの2か所に使用することにしました。 このパーツは海外からの取り寄せ品の為、商品開発に時間がかかってしまいましたが、 小さなお財布にぴったりなサイズというだけでなく、ミニ財布にもかかわらずラグジュアリーなお財布に仕上がりました。

生産ラインではなく職人による製作

開発期間が長くかかった一因が、職人さんによる製作交渉でした。一般的にSriracha Farm Thailandでは、各工程専業のスタッフがおります。 もちろん彼らの製作もしっかりされているのですが、職人Ruang氏にほとんどの工程をお願いしたいと思っておりました。 というのも、彼は当社に15年以上在籍する超がつくベテランであり、彼の腕は群を抜いて素晴らしかったからです。 しかし、腕の良い職人さんは忙しいもので、当社の社長から承認を得ることができませんでした。しかし、粘り強く交渉し、最終的には卸価格を高くすることで、Ruang氏に製作してもらうことを実現しました。

今だから話せる裏話

今だから笑って話せるのですが、実は開発過程において、Sriracha Farm Thailandの社長から開発を打ち切らせてほしいという一報がありました。 というのも、私が商品開発に対して一切の妥協をしなかったからです。当時、当社ではクリスマスシーズの多忙時期で、生産がとても忙しいにもかかわらず、私からは試作品の再製作や、牛革色や質感に関する多くの注文をしていました。ああでもない、こうでもないというやりとりを何十回としたかと記憶しています。 そんな中、ある日社長から一本の電話が着て、「支払いは返金するから今回の開発は無しにしてほしい。」とありました。過去に例を見ない細かい仕様設定に、疲弊してしまったということでした。 それを聞いた私は、崖から突き落とされたような衝撃を受けました。21年7月からやってきたプロジェクトを中止したいというのですから、相当なショックでした。 その後、改めて自分の行いを振り返り、たしかに彼らの忙しい時期にもかかわらず、フォローしすぎたと猛省しました。 しかし道半ばで諦めることもできず、この開発にかける思いを伝え、繁忙期には焦らず忍耐強く待つことを約束することで、開発を進めることを了承してくれました。 そして、やっとクラウドファンディング開始前までやってくることができました。

最後に

以上が、三つ折り財布の誕生秘話でした。このように20年6月から約11か月間、お財布のデザイン設計から始まり、開発過程の課題を乗り越えて、この機能性を持ったクロコダイル革三つ折り財布が誕生しました。 ぜひ、そんな汗と努力の結晶で出来たお財布はいかがでしょうか?
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