わたしを解放するアンダーウェア|Anknot &ies(アンノットアンディーズ)

わたしを解放するアンダーウェア|Anknot &ies(アンノットアンディーズ)

「この商品は、サステナブルですか?」

こんにちは。うめ組ランジェリーことAnknot &iesの戸叶です。 SDGsの取り組みが国連で可決されて以来、日本でも今では「サステナブル(環境可能な)」という言葉が広く知られるようになりました。 今回は、Anknot &iesがサステナビリティについてどう考えているのかをお伝えしたいと思います。

サステナブルへの関心の高まり

Anknot &iesの原点は、カナダ・バンクーバーにあります。 今回のコレクションは、そこで見た景色や人びと、私自身がそこで感じたことなどがインスピレーションになっています。 サステナビリティの先進国家というと、北欧などを想起する方が多いかもしれません。一方北米というと、大量生産・大量消費のイメージもあります。 ですが、バンクーバーで1年間生活し実感したのは、人びとのサステナブルやエシカル、エコなどへの意識が非常に高いこと。そのような環境で暮らしていると興味や関心も自然と高まります。 外食をして食べ残してしまった時は必ず持ち帰るのですが、ほぼ100%紙の容器(ご飯はくっつくし、油は染み出してしまったりもしますが)、洋服を購入する際は古着屋さん(「Second-hand shop」と呼ばれます)の選択肢も多く、不要なものを捨てる際は家の外に出しておくと意外と人がもらっていってくれたりします。日本に帰国する際、トランクに入りきらないたくさんの洋服を捨てようとしたところ、それならドネーションをした方が良いと言われ、友人がすべて引き取ってくれました。 1年間の滞在を経て帰国し、再び東京で生活するようになってからいちばんギャップを感じたことは、日本で目にするプラスチックの量があまりにも多いこと。 食べ物はなんでもプラスチックに入っていて、一人暮らしをしていると、プラスチックゴミをたった一人でこんなに出しているということに罪悪感を感じることもありました。 サステナビリティについて関心を持ち、小さなことでも意識してみることは、いち消費者としても大切だと感じています。

商品選択の理由としてのサステナビリティ

「サステナブル」という言葉が広く知られるようになり、各企業がどのようにSDGsへ取り組みをしているかどうかが重視されるようになりました。 ですが、サステナビリティへ配慮した商品であることが、日本の消費者にとってどれだけ商品選択の理由になっているかというと、まだまだ限られた一部の消費者であると思います。 例えば、見た目や機能がほぼ同じ以下のような2つの選択肢があったとき、多くの人は②を選ぶのではないでしょうか。 ①サステナブルへ真摯に取り組んでいる商品 ¥12,000 ②サステナブルの取り組みについて不明な商品 ¥4,980 多くの人は、サステナブルをどうでも良いと思っているわけではないと思いますが、サステナビリティを優先して商品を購入するのは、心理的なハードルが高いのが現状だと思います。 また、そもそも見せかけの「サステナブル」に懐疑的な消費者も少なくないのではないでしょうか。 「サステナブルな素材を使用しています」 「サステナビリティへ配慮した商品です」 このような表記があったとしても、実際は包装資材やごく一部の資材であったり、商品そのものの生産背景は見えないことも多いように思います。

サステナブルなものづくりを実現するということ

Anknot &iesを立ち上げるとき、ものづくりのコンセプトとして「サステナブル」は重視したいことの一つでした。 しかしながら実際に生産を検討したとき、そのハードルの高さにとても困惑しました。 日本で生産を行おうにも、新規を受け入れていない、発注ロットは最低1000あるいは3000以上、仮にできるとしても原価は2倍以上、サンプルやパターン制作にはさらにコストがかかります。 ブラだけで1~2万円となる商品を、メイドインジャパンであるということで選択してくれる消費者がどれだけいるのか分かりませんでした。 資材についても、サステナブルな素材を使用すると数倍のコストとなるのはもちろんのこと、そもそも少ない生産量で使える資材の選択肢というのはとても限られています。 仮にサステナブルな素材を日本で確保しても、海外工場で縫製するのであれば、返って輸送にかかる環境負荷が高い可能性もあります。

今後ブランドとしてどう取り組んでいくか

サステナブルであることは生産側の問題だけではなく、消費者にとってもサステナブルである必要があります。 サステナブルに作られた商品であっても、すごく高価な下着を毎日身につけていただくことは難しいですし、そもそも何をもってサステナブルなのか、購入する側としても知識が必要です。 Anknot &iesが今言えるのは、サステナブルなものづくりを目指して、次のようなことに取り組んでいくということです。 原材料、染色、縫製、各生産過程への知識と理解を深めること、可能な限り実際に目で見て確かめてみること。 その上で、まず何から実現できるのか、どのようなものづくりを目指すのかを考えていくこと。 果てしない道のりにも思えますが、千里の道も一歩から。 はじめから完璧な状態で提供することができなくても、少しずつ成長しながら、ブランドを運営していきたいと思っています。
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