生地を愛し、開発するメンズによるメンズのためのラグジュアリーパーカー
紡績とは何か?紡績をこだわると○○○が変わる!?
・紡績とはなにか
今回は糸の紡績についてとその重要性についてお話していこうと思います。
紡績とは繊維を紡いて糸にすることです。
繊維にはたくさんの種類(コットンやウールなど)がありますが、今回はコットンに注目して話していこうと思います。

紡績過程の様子
・紡績の重要性
紡績の方法によって変わるのは、主に見た目と強度です。
アルチゼンピマの紡績は主に下記2点の加工をしております。
・コンパクト加工
コンパクトという工程を経て糸にしております。
コンパクトをすることによってきれいさや耐久度が良くなります。
工程的な違いはコンパクト工程があるかないかというだけなのですが、糸の構造は全く変わってきます。
コンパクトとは圧縮装置で撚りをかける前の繊維の束に圧力をかけ束から飛び出ている毛羽を中へ入れこむ工程です。圧力をかけているため仕上がりの糸の密度が高くなります。
コンパクト工程によって毛羽は約20%軽減され、引張強度は約17%強くなるといわれております。
その分コストは高くなりますがそれに見合った加工だと思います。
・単糸 双糸 三子撚り
糸とは繊維の束に撚りをかけて作るのですが繊維の束に撚りをかけて作った糸は単糸といいます。
2本の糸を撚り合わせて1本の糸にしたものを双糸といいます。
3本の糸を撚り合わせて1本の糸にしたものを三子撚りといいます。
単糸のほうが簡単で速いので安く、撚り合わせる本数が増えれば増えるほど手間がかかり高くなります。
また糸を細く紡績するには原料の質もかなりかかわってきます。
細かい説明は省きますが、極細に作られた糸は高いということです。
なので同じ太さに作られた単糸と三子撚りでは三子撚りのほうがはるかに高いということです。
実際に何が違うのかということですが、生地にした時の斜行やバランスの部分に関わってきます。
単糸の場合一方どちらかの方向の撚りしかかけられません、そうすると戻ろうとする力が発生するので生地にした時に歪んでしまいます。
双糸や三子撚りの場合は撚り合わせる前の一本一本の糸は単糸なので撚りの方向は同じですが、それらの糸を一本にまとめる際の撚りをそれらと逆方向にかけます。
そうすると一本一本達が戻ろうとする力とそれらをまとめている糸が戻ろうとする力でプラスマイナスがゼロになり歪みがなくなります。
なので撚り合わされた糸で生地を作ると歪みがない生地になるわけです。
二本と三本の違いはかなりマニアックで本数を増やすほど糸に丸みができ、タッチが若干滑らかになり目面がきれいになります。
主な目的は歪みをなくすことなので、双糸で十分とされていますが生地が好きなデザイナーなどは三子撚りの糸を好んだりします。
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単糸・双糸・三子撚りの図解
以上が紡績の重要性についてです。
ほんの一部分のご紹介ですが、意識してみると面白いことばかりです。
今回のプロジェクトはコンパクトと三子撚りの糸で作成したフーディをリターン品にしております。
ぜひその点も注目してみていただけると嬉しいです。
もし興味を持っていただけたら他の記事でも商品に関連したことを書いているので読んでみてください。
ご質問などあればコメントかDMをいただければ嬉しいです!必ずお返事いたします。
ここまで閲覧いただきありがとうございました。