DIYでスマート農業・園芸入門│農家の方との対話から生れた植物生育環境計測ボード
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植物が生い茂っているところ(植物群落内)の計測方法
こんにちは、はちまるです。
植物が同じ場所で生い茂っているところを植物群落と言いますが、今回は植物生育環境計測ボードを使って、群落内を計測する方法について話します。前回に引き続き若干マニアックかもですが笑
さて、植物群落内は、若干データ計測がしにくい場所です。無線センサーを入れてデータを飛ばそうにもWi-Fiなどは植物(の含む水分)で減衰するし、有線センサーで計測しようにも電源はだいたい群落から離れたところにあるので計測ボックスの設置もやりづらいし。そんな群落内を計測する、ひとつの良いやり方は「長めの有線センサーで計測する」です。
が、これはこれで問題があります。というのは、群落内で計測するデータと言えば、温度、湿度、日射量、そしてCO2などですが、これらのセンサーはI2Cなどの短距離の通信方式のものが(はちまるの経験的には)多く、有線部分を長くしづらいのです。
そんな問題が付きまとう植物群落の計測に対して、今日はI2Cを延長できるアイテムと、植物生育環境計測ボードを使って、群落内の環境を計測する仕組みを作ろうと思います。
I2C延長に使うアイテムはこちら。
ててーん!ストロベリーリナックスの絶縁型I2C延長モジュールです。
https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=14331
I2Cを100m以上延長できる唯一の商品、と書いてあります。まじか。
では早速、これをはんだ付け&結線します。
まずマスター側。配線はテストなので雑ですがご容赦を。。。

スレーブ側はこんな感じ。

で、マスター側とスレーブ側をLANケーブルで接続します。LANケーブルはまとめていますが、実際は3mの長さがあります。(今回は手元にあったてきとうなLANケーブルを使いました。農場などでの利用なら、環境にもよりますが、ノイズ対策が出来るシールドケーブルが良いかもしれません。)
また、見ていただきたいのは、スレーブ側(SCD40が付いている側)への電力供給を、マスター側からLANケーブル経由で行っているという点です。これによって、スレーブ側に別電源を設ける必要がなくなり、スレーブ側の取り回しの自由度を高めています。

で、これで電源投入して、SCD40で温度、湿度、CO2を計測するとこんな感じに。。。

いい感じにデータが取れましたね。
こういう風なので、スレーブ側のセンサーを(ラジエーションシールドで守るなどして)植物群落内に突っ込みさえすれば、群落内の環境計測を行う事が出来ます。また、Pico W本体側(マスター側/ベースボード側)を、高所などに設置してWi-Fi通信させれば、得たデータを(植物に酷くWi-Fi通信を邪魔されずに)Wi-Fiルーターに送る事が出来ます。
今回はこんなところで。
引き続き、植物生育環境計測ボードをよろしくお願いしますm(_ _*)m