林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

本作りの始まり

橋本さんの山へ

※今回もfacebookグループでの投稿をご覧になった方は内容が重複します。 前回の活動報告で、滝川の自己紹介をしましたが、佐川町の協力隊となり、初めて徳島県那賀町の橋本山を見学させてもらえる機会がありました。 橋本さんの山に入った第一印象は今も覚えています。 「生きてる」 森がいきいきとしていたのです。針葉樹も広葉樹も(その時は木しか見えていませんでしたが)あらゆる生命が、今をめいいっぱい生きている。生命力に満ち溢れている。 思わず深呼吸をしていました。 まだその時は、「大きい木だなあ」という感想がやっとでしたが、なんだか歩いてて気持ちがいいぞ、という感覚は身体を通してビシビシ感じていた思い出があります。 その後、2度目に訪れた時は、自分でも山に作業道を入れていた時でもあり、橋本さんの作った道を頭に叩きこもうと、ヘアピンカーブの作り方や、谷渡りの洗い越しの造作などを感嘆しながら、見まくっていた記憶があります。 訪れるたびに解像度が上がり、見えてくるポイントが変わってくる。何度見ても、見足りない。それは、その後、本の取材で何度も橋本山を訪れる中で感じた不思議な感覚です。本当に奥が深い。
佐川町の協力隊とともに橋本山へ視察に。2021年2月。

1本の電話から

2021年1月20日、一本の電話がかかってきました。ちょうど4年前です。 電話の主は、高知県いの町で橋本さんに林業を習っていた岡田竜平さん。 「橋本先生からは多くのことを学び、体に染み付いているはずですが、それを本という形に残して、さらに記憶に留めたい」といった内容でした。 私が、出版社で編集の仕事をしていたことを知った岡田さんが、連絡をしてきてくれたのです。これが、すべての始まりでした。 岡田さんの提案を受け、橋本さんの本を作る、というプロジェクトが私の中でスタートしました。 元編集者とは言え、作っていたのは雑誌です。雑誌と書籍では、本の作り方がまったく違います。さらに編集者経験はあれど、著者の経験はありません。自分ができる範囲で企画を考えました。
岡田さんと橋本さん
そして、2021年6月に岡田さん、橋本さんと編集会議を開きました。会議と言っても、飲み会での雑談混じりの会です。 そこで、滝川が考えるアイデアをお話しました。その案とは、 1.橋本さんを知る業界人、専門家から橋本さんや橋本山を浮かび上がらせる。 2.橋本さんの山づくりの手法や哲学、家族経営について 3.橋本さんに学び、跡を継ぐ全国の実践者の紹介 といった感じです。 そして、3つめの取材候補地を橋本さんご本人からお聞きしたりもしました。 それから7月になり、岡田さんの山に橋本さんが来るという知らせを受け、まだ本の企画も形もぼんやりしたままでしたが、とにかく取材を始めてみようと、岡田さんの山に伺いました。これが、この本の初めての取材となりました。 そこから、順当に取材を重ねて、出版、となるはずでしたが、岡田さんの電話から4年が経ちました。その間、何があったのでしょうか。