林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

リターン品制作者のご紹介 〜写真家 稲垣徳文さん 篇〜

リターン品制作者、最後にご紹介するのは、写真家の稲垣徳文さんです。 橋本さんの本を作る上で、美しい橋本山を本の紙面でどう再現できるかは、とても大事な要素で、かなり意識しました。本をめくった瞬間に、橋本山に入り込めるよう、巻頭カラーページで素敵な写真から入るという構成も初期段階から考えていたことです。 どういう写真家さんに頼めばいいか、考えた時に一番最初に頭に浮かんだのが写真家、稲垣徳文さんでした。 その理由は、 ・以前勤めていた出版社時代に、何度もご一緒させていただき、どんな写真を撮られているかを知っていたこと ・グリーンの色を綺麗に捉える稲垣さんであれば、橋本山の深い緑色を美しく表現できるだろうと思ったこと ・さらに、大判カメラを使った古典技法、というアート作品をライフワークにしておられ、100年の森を100年のカメラで写したらどんな化学反応が起きるかワクワクしたこと ・最後は、稲垣さんのお人柄であれば、きっと橋本さんご一家が築き上げてきた森づくりに共感してくれるだろうと思ったこと 2022年6月、東京の稲垣邸を訪ねました。
稲垣さんと愛機、ディアドルフ8×10
出版社時代の稲垣さん(左)と滝川(中央)。いろいろな意味で、今となっては本当に貴重な写真です。

橋本山×アート

稲垣さんは、朝日新聞社「AERA」属託カメラマンを経て、エディトリアルを中心に活動されていて、地球の歩き方シリーズの撮影もされています。私も出版社時代に、稲垣さんと二人で中国ロケをした思い出があります。 ご自宅には写真をプリントするための「暗室」があり、モノクロプリントを体験させていただいたこともありました。 無言館という信州上田にある美術館で開いた私たちの結婚式でも、稲垣さんに撮影をお願いし、一生の宝と言える素敵な写真を撮っていただきました。 公私ともども大変お世話になった写真家さんです。 そんな稲垣さんは、2010年より大型カメラによる作品制作をスタートされ、近代写真の先駆者である「ウジェーヌ・アジェ」が写したパリの再訪をライフワークとされています。 稲垣さんが使う大型カメラは、ディアドルフ8×10といいます。 大型カメラとは、大判カメラとも言い、8×10インチの大きなシートフィルムを使うカメラです。 昔のカメラ屋さんが、黒い布をかぶって家族の肖像写真を撮る、あんなイメージをしていただければ、わかるかと思います。 ディアドルフは、アメリカのシカゴで1923年にカメラ作りを開始したメーカーで、大判カメラの最高峰と言われています。 そんな100年前のカメラで、橋本さんの山を写したら、どんな写真が生まれるのか、本当に楽しみでした。 そして、さらに稲垣さんからの提案で、「フォトジェニック・ドローイング」もやってみようということに。 フォトジェニック・ドローイングとはなんぞや? その答えは、2022年8月に行なった5日間の撮影の様子と共に、後日報告いたします。お楽しみに。
橋本山で、ディアドルフ8×10を使って撮影中の稲垣さん。
こちらはスウェーデンのカメラ、ハッセルブラッド。ましかく写真が撮れる銘機です。
橋本山にて。上から覗き込んでフレームやピントを合わせます。
撮影姿がカッコいいのもハッセルの特徴ですね。
フォトジェニック・ドローイングのために、橋本さんの研修棟にて暗室の準備。詳細は後日。