林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!

本の内容について

200万円達成!

4月に入りました。いよいよ残すところあと14日。 おかげさまで、一昨日(3/31)には支援額が200万円を越え現在は2,135,000円、70%達成となりました。 目標としていた、3月中に200万円達成も無事実現できました。本当にありがとうございます。
少しずつ本の構成も出来上がってきております

本の内容はどうなっているの?

前回の活動報告でもご紹介した支援者様からのご意見ですが、いただいたご意見の中でもうひとつ多かったのが、 「本の内容はどうなっているの?」 というものでした。 そこで今回は、目次に沿って、本の内容を紹介させていただきます。 ※YouTube動画、「ZIBATSU NEWS」でも本の内容に少し触れております。

タイトル

本の仮タイトルは、 生きる森 〜時代を超える橋本家の木【こ】育て〜 ですが、タイトル案については本日も出版社と打ち合わせをいたしまして、変更の可能性も大いにあります。 続いて各章の紹介です。

序章 豊かな人工林が地域を救う

橋本家の山林へ読者の皆さんをお誘いするために、カラー口絵ページで橋本山の素敵な写真をたっぷりとご紹介した後、まえがきをと目次を経て、序章に入ります。 序章では、私たちのイメージの中での「林業」の風景を想像しながら、橋本山がそのイメージと重なり合うのか、はたまたイメージをひっくり返されるのか、などについて書いております。私が林業の仕事に就くようになった経緯や、橋本さんの山に初めて訪れた時の印象も記しました。「豊かな人工林」とは何か、想像を膨らませながら、本章へとつながっていきます。

1章 日本の森ってどうなっているの

橋本さんの人生や山の話に入る前に、林業という世界に普段あまり接したことがない読者の方のために、基礎編として設けた章です。基礎編とはいえ、日本の林業を振り返るのですから、本当であればこのテーマだけで1冊の本が書けるくらいですが、ギューっと圧縮して、1章にまとめています。 内容はまず、森の国日本がどのように木を利用し生活に役立ててきたかから始まります。 その後は歴史です。縄文時代から中世、江戸時代を経て近代までざっくりと林業の歴史に触れた後、50年サイクルで回していく皆伐再造林を主とした現代林業の在り方について書いています。補助金頼み、経済性最優先の林業手法に対し、橋本さんの山づくりはどんな手法なのか、という締めくくりで次章に続けます。

2章 橋本さんの林業人生

この本の主役である橋本光治さんの生い立ちについて書いた章です。子供時代のエピソードから始まり、大学時代を経て、橋本家へ婿養子として入った時のことなどから、どのようにして今の橋本さんが形成されてきたかを想像していただけます。 次に、橋本家のご先祖様をご紹介しながら、橋本山林の形成初期段階を知っていただきます。光治さんが橋本家の山を継いだ頃の苦労話もお聞きしました。 さらに、恩師である大阪の自伐林家、大橋慶三郎さんとの出会いを通して、橋本山の林業経営が大きな変化を迎えた様子を記しています。ここでは、橋本さんが受けた大橋先生の言葉もご紹介しております。 最後は、夫婦二人三脚での林業を経て、周囲へ技術を「教える」ことを始めたまでで、3章に移ります。 この章のコラムでは、3代目橋本陰歳さんが残したとされる「じいさん秘伝の書」も全文解説付きで公開しております。
橋本光治さんと延子さん、夫婦二人三脚時代のワンシーン

3章 自然と調和する美しい山作り

この章では、橋本さんの山作りの極意について詳しく書いています。おそらく、皆さんが一番読みたいと期待されているのもこの章ではないでしょうか。 「妨げとなるものを取り除く」という精神のもと、長伐期施業の手法や、自然に馴染む道作りのノウハウなどを紹介しております。 そして、「あかんだら、いけるようにする」「木を育てると同様、人を育てよ」など、人生哲学とも言える橋本語録も多数収録。さらに、約250種類もの植生が見られる橋本山林を彩る、オンツツジやヤマザクラなどの癒しの植物も写真付きで紹介しております。 この章のコラムでは、徳島大学の田村隆雄先生による「橋本山林の構造と雨水流出機構の関係」と題した寄稿文を掲載しております。研究者の目線で見た橋本山はどう映るのか。橋本山と水の関係を探ります。 さらに、「アート×橋本山」も実践。プロ写真家の稲垣徳文さんが、100年前の大判カメラで、150年前のプリント技法を駆使して撮影した橋本山の姿をカラーページでご紹介します。これまで見たこともない山の風景が見ものです。 ここでは、橋本山に生えていた木々の葉っぱを、橋本山がある徳島の水と太陽を使って、その場で印画する「フォトジェニックドローイング」という技法を使った美しい植物写真も実験しています。乞うご期待ください。
自然と調和する山づくり

4章 広がる想い

4章では視点を広げて、橋本さんが講師として全国を飛び回る中で、教えを受けた人々を紹介しています。 福井県福井市の宮田香司さん 島根県益田市匹見町の皆さん 石川県金沢市の飯島さおりさん 徳島県美波町の四国の右下木の会社 吉田基晴さん 高知県いの町の岡田竜平さん 取材をさせていただいた皆さんそれぞれが、橋本さんの思いを受け取り、熱い思いを持って活動されております。 限られたページ数で紹介しきれなかった部分もあるかもしれませんが、多様な林業の視点を感じ取ってみてください。
山で指導にあたる橋本さん(高知県佐川町にて)

5章 森は誰のものか

ドキッとするタイトルですが、起承転結で言うところの「転」の章にあたります。 森林と所有について、大化の改新から、太閤検地、地租改正など教科書で習った言葉も交えながら滝川なりに思考を展開しております。我々が自然に線引きをした代償として、次の世代のためにどう行動できるか、が問われています。私も自身の山林を持つ身として、他人事ではない所有の問題について深掘りしております。 さらに森林に立ち入る権利や、レクリエーションとしての山林の機能などについても触れています。 いかに山をオープンにできるか、も現代林業のひとつのテーマかと思います。 橋本山での実践は、6章に続きます。

6章 「林業」の枠を超えて

橋本家は今、橋本忠久さんを中心に、「橋本山林ツアー」と称して自分たちの山を開放し、人々を受け入れる「観光林業」を実践されています。木を育てて収穫する、だけではない林業の在り方を模索しながら、選択肢の幅を広げることで、次世代が「継続」できる仕組みを作っておられるのです。 その大きな潮目となった実例として、「スペシャル対談」と称し、2023年8月に橋本山で開催されたイベントを収録。 土中環境で有名な高田宏臣さんと、生物多様性のスペシャリスト坂田昌子さんをゲストに、橋本山林の秘密を紐解いていきます。お二人の多彩な視点によって、橋本山の魅力はさらに深まっていきます。こちらも乞うご期待ください。
山林ツアーを開く橋本忠久さん

終章 豊かな森を継ぐあなたへ

まとめの章です。 自伐型林業とは、から始まり、意思を相続すること、借りを次の世代に返すこと、子を育てるように木を育てる橋本家のこと、そして「なぜ橋本山に人々は惹かれるのか」と言う問いに対する滝川なりの答えを持って帰結としております。 どの章も必死に書きましたが、この章は最後の章とあって、とっても気合を入れて書きました。気合を入れすぎてちゃんと伝わるのか心配ではありますが、私が10年という短い林業生活の中で感じた思いを感じ取っていただければ幸いです。 そして最後には、橋本さんとともに長年自伐型林業の普及を担ってこられた、岡橋清隆さんからの言葉を掲載させていただきました。 以上、本の内容についてのご紹介でした。 少しでも興味がある章がございましたら、ぜひ本を手に取って読んでみていただけると幸いです。