林業家・橋本光治さんの人生と森づくりの極意を本にまとめて届けたい!
100年に腰かける贅沢
完成品のお披露目!
大変お待たせいたしました。
橋本さんの100年スギを使ったリターン特典のうち、まだ完成品をお見せできていなかった「100年スギのスツール」がいよいよお披露目となりました!
作り手は、高知県佐川町の家具工房「it furniture」の浅見英助さんです。
横から見ると、すっきりとしたシンプルな姿。
スツールの役割である「座ってくつろぐ」ことを安心して任せられる大きな座面と、それを支えるしっかりと組まれた椅子脚の意匠。使い手を常に意識する家具職人ならではのセンスが感じられます。
実際に座ってみると、その安定感たるや!
大木に腰かけているような、というか本当に大木に腰かけているのですが、そんな安心感です。
目をつむると、橋本さんの森の様子が浮かんでくるようです。
丸太の輪切りを使ったワイルドなデザイン。
存在感はありつつも、部屋に置いても主張しすぎない、絶妙な仕上がりは「さすが」のひと言。
脚部の木材も、橋本山の100年スギを使用。上等な建具のような美しい佇まい。職人の丁寧な仕事が感じられます。
100年を愛でる
座面に目を向けると、まずは100年を超える木ならではの細かな目が詰まった年輪に驚きます。
中心にかけて入った割れは、天然乾燥の段階で自然と入ったものです。
浅見さんと、割れが入ってもいいように、輪切りのデザインにしましょうと打ち合わせていましたが、
とてもいい雰囲気になりました。
細部を見ると、色の濃淡、枝の痕跡、新円のように見えて実は波打っている年輪、中心から周辺へ向けて刻まれた年輪を順に追っていくと、この木がどれほどの年月をかけて大切に育てられてきたかを感じ取ることができます。
それは、林業家が一代でできる仕事ではなく、この木を大切に育てよと代々受け継がれた「継承の記録」でもあります。
今回のクラウドファンディングのために、と特別に伐っていただいた大切な木。
その思いを大切にしたいと思います。
紙コップホルダーや壁掛け時計もそうですが、多くの方へ、橋本さんの山を愛する想いが伝わるといいなと思います。
この細かな年輪を見ると、橋本さんのやってこられた仕事の厚み、重みに、ただただ頭が下がります。
凛とした佇まい。100年の歴史をダイレクトに感じられます。
サイドテーブルとしても
熱が入りすぎて、少し重々しくなってしまいましたが、日常使いとして使い方の幅があるのもこのスツールのポイントです。
なんせ100年を超えている大木でしたので、座面が私が想像した以上に立派になりました!
厚みも7cm近くあります。
浅見さんとも「これはサイドテーブルとしても使えるね」と話していました。
と言うわけで、早速イメージカットを撮影。
実際にソファの前に置いて、コーヒーカップを置いてみると、とっても良い!
むしろこの使い方が正解か!?と思うほどめちゃくちゃしっくりきています。絵になります。
「スツールとしても、サイドテーブルとしてもお使いいただけます。」と言うことにさせていただきます。
飲み物を替えて。夏らしくなりました。
100年育てるということ
今回、クラウドファンディングを行うにあたり、本を手に取っていただきたいという思いと同じくらい、橋本さんの育てた木を使ったリターン品を多くの方へ手にしていただきたいと思っております。
本を出すためのクラウドファンディングなので、リターンは「本」とするのがわかりやすいですが、なぜ橋本さんの木を使ったアイテムを作ったか。
それは、橋本さんの木を見てただければ、本を読むのと同じくらいに、橋本さんの山への想いが伝わると思ったからです。
佐川町の製材所で、リターン品を作るために橋本さんの木を製材してもらいましたが、その方が
「こんなにいい木は初めて挽きました」とおっしゃっていました。
プロジェクトに携わっていただいた製作者の方々も「これはすごいね」と言います。
林業を10年かじっただけの若輩者の私ですら、100年間ただ放っておくのではなく、お世話をして育ててきたということが、どれほどすごいことか、わかります。自分だけではできない仕事。世代を越えてつながっているからできた仕事。
もちろん日本には200年を超える人工林もあります。どれほどすごいことか。
目の前に存在する100年の木。それは橋本家の歴史でもあります。
だから、見ていただくだけでわかると思うのです。
そうしたわけで、リターン特典として、橋本さんの育てた木をお譲りいただきました。
またまた重くなってしまいましたが、みなさま「滝川が熱く語ってたなあ」と思い出しながら、このスツールに腰かけていただけると幸いです。
浅見さんの視点
最後に、it furniture浅見さんのインスタより、このプロジェクトに参加されての感想を書いていただきましたので、素敵な写真と共に抜粋してご紹介させていただきます。
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「目が細かく、詰まった年輪。」
一般的に良い材に言われる言葉です。
年輪が細かいということは、ゆっくりじっくりと成長してきた証です。その分固く締まっていて強度も強くなります。木目も綺麗です。
加工する側から見ると心地よいしなやかさも持っていることが多い気がします。
年輪全体で見ると全体的に均等に成長していて、林業家さんの丁寧な仕事ぶりを感じ取ることができますね。
今回は林業家さんの仕事ぶりを感じられるように輪切りを使っています。細かく詰まった木目から橋本山の気候、空気感を想像したり、丁寧に山を手入れされている仕事ぶりなどを存分に感じていただけることかと思います。シンプルに年輪を数えてみることもいいですね。
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撮影:浅見英助さん 以下全て