写真家ハービー・山口氏とコラボした、続・プレミアム限定カメラバッグ

写真家ハービー・山口氏とコラボした、続・プレミアム限定カメラバッグ

ハービー・山口氏スペシャルインタビュー「カメラを運ぶだけではなく、情熱を運ぶカメラバッグ」

Photograhper's Bag to carry your PASSION.

こんにちは!DOUBLE O DESIGNBOOK の大内です。 今回は、ハービー・山口さんに、私、DOUBLE O DESIGNBOOK大内が、フォトグラファーズバッグFについてインタビューしましたので、ぜひご覧ください!

いつかハービーさんのバッグを作るんだという強い思い

ハービー:大内さんが会社勤めのころ、カメラバッグを作りたいっていうアイデア、コラボレーションのオファーがあったのはもうだいぶ前のことでしたよね。 大内:2015年ですね。実はそのときのバッグはリリースできませんでした。その後会社を離れましたが、ハービーさんとのコラボレーションでカメラバッグを作りたいっていう思いは、自分の中にずっと持っていました。革のバッグをちゃんと作れるようになって、いつか、ハービーさんのバッグを製作すると決めていたんです。 自身のキャリア積み重ね、ここまでやったら作れるなと思えたとき、あらためてハービーさんに作っていたものを見てもらったんです。それが当時としてはかなり新しかった巾着のデザインの「フォトグラファーズバッグ」でした。2020-2021年くらいの期間で開発、制作、テストを重ね、完成のお披露目が2022年4月でした。

ハービーさんがカメラバッグに求めること

ハービー:街歩きでの撮影と大規模な撮影ではカメラバッグに求めることは違いますが、もちろん「安心してカメラを運べる」っていうことが第一。それから、収容量。機能だけを前面に出すと野暮ったくなってしまいがちだから、デザイン性もすごく大事ですよね。ビリンガムやフォグといった、革を使ったしゃれたデザインはとても好きで、いくつも使いましたよ。 大内:最初は僕もそれを目指していたんです。ハービーさんがフラップバックを使っているのも知っていましたから。 ハービー:例えば僕はバイクにも乗りますが、バイクのパンツには革を使ったものがたくさんある。機能もしっかりしていて、パッドが入っていて体を保護してくれるようになっているけど、モダンな感じもあっていいですよね。機能がありつつおしゃれっていうのはとてもいいと思います。 大内:カメラを入れるとなるとカジュアルバッグとは明確に違うんです。カメラのことも知っていないといけないし、ファッションというところも同レベルで表現したい。僕自身「ファッション」的なデザインを通っていませんでしたから、ファッション要素のあるバッグのデザインを勉強して、カメラバッグに戻ってきました。みんなやりたいけど難しい。何度も壁にぶちあたって、仮説と成功を伴いながらようやくアウトプットできるっていうのが、「おしゃれなカメラバッグ」なんですよね。
ハービーさんの使用するスペシャルカラーのフォトグラファーズバッグF。 この日はノクチルックスを装着するライカM10-P一台と、財布や手帳などを収納していたが、 レンズをもう一本入れて使用することも。

新たな挑戦、トップフラップデザインのバッグ

大内:ハービーさんの撮影スタイルの選抜メンバーに入るカメラバッグを作りたいと思っていました。今回、まったく新しいデザインで、ハービーさんのスタイルにもなじみのあるトップフラップのバッグを制作しました。実際にお使いいただいて、使い心地はいかがですか? ハービー:今回のフラップタイプのバッグでも体に吸い付くようなフィット感、体の一部みたいな良さがありますね。ガジェット系のバッグは機能は豊富なんだけれど、体に対して反発する感じがあるんです。フォトグラファーズバッグは、巾着のタイプもそうだけど、このフラップタイプのバッグも体に一体化する。いい革を使っているということもあるけど、ただ四角いと違和感が出てしまいます。その形状なんかも最後までいろいろ調整してもらいましたよね。 大内:フラップタイプになっても、大きくて分厚くてかさばるようなことがないようにというのは、バッグ本体を袋構造とした巾着型のPhotographer’s Bagと同じ考え方なんです。 ハービー:ボトムが広くて台形的、横に皺が寄らないようにと改良もかなりありましたよね。ポケットが浅いと入れたものが出ちゃうとか、そういうことも検証しました。 大内:フィールドテストは5タイプを1年くらいやっていただきましたよね。最後の最後にフラップの形状を変えたりもしました。プロダクトデザインにおいては、どうしても“直線を出す”っていうことを大事にしてしまいがちなんですが、フラップの形状を直線的なものから緩やかなRをつけた形に変えることで、自然にフラップが落ちて、体にもよりフィットするようになっています。 ハービー:ボタンでフラップを開閉するのは本来なら時間がかかってしまうけど、このバッグはボタンホールを広げてもらって片手でボタンを留めることができるようになっているのもいいですよね。 大内:ボタンの部分は、オリジナルの留め具もよかったんですが、しなやかさ、開いて伸びたあとの復元力など、いろいろな面から最後まで苦労したところなんです。たくさんのアドバイスがあっていまのかたちに落ち着きました。金具やベルクロとは違い、「無音で閉じられる」というのもポイントです。 ハービーさんがこのフラップバッグで気に入っているところってありますか? ハービー:機能だけではないしゃれた要素が課題だったけど、それをデザイン性、機能面両方のせめぎ合いの中でよく仕上げてくれたなと思っています。ノクチルックスを付けたライカを入れることのできるインナーのサイズもいいし、なによりバッグとして素敵ですよね。限定カラーのブルーも思ったより明るい色だったけど、これはこれでとても晴れやかな気持ちになっていいと思います。
箱型だった初期型(左端)から4thサンプルまでの間にもさまざまな改良を施した。

コンタクトシートを裏地にプリントした意味

大内:今回の新型のバッグには、1970〜90年代のコンタクトシートから6枚を使わせていただき、特別な裏地を制作しました。 ハービー:初期のころのコンタクトシートを選んでいます。僕自身が、写真家になるんだという意思を持ってイギリスへ行ったころの写真です。ブリクストンという街で撮ったアパートの近くの小学校や、田舎町の写真なんかが多いですね。裕福な生活はできないけれど、人との温かな交流のある街でたくさんの写真を撮りました。 それから、1988年にギタリストの布袋寅泰さんに頼まれて、ファースト・ソロ・アルバム『GUITARHYTHM』の「作詞家」としてイギリスに行ったときに撮った思い出深いコンタクトシートも選んでみました。僕が「写真家」ではなく「作詞家」というものを初めて体験したときのユニークで貴重な時間が写っています。 大内:裏地のどこが見られるかはバッグが届いてからのお楽しみになりますが、よりこのバッグに愛着を感じてもらうことができたらとても嬉しいです。
9月6日、7日、東京・文京区の卓球カフェギャラリーHuBaseにて開催した 「フォトグラファーズバッグ懇親会」にて フォトグラファーズバッグの裏地に採用しているコンタクトシートの解説をするハービーさん。

フォトグラファーズバッグの未来

大内:このトップフラップスタイルのF型「コンタクト」モデルが完成しましたが、この企画は三部作構成を想定していて、最後の一作に、ハービーさんにぜひご提案したいデザインがあるんです。もう少しだけ、このフォトグラファーズバッグ企画にお付き合いいただけるととても嬉しいです。 ハービー:ヘビーなロケ用の大きなカメラバッグとか、さらなるバリエーションがあってもいいですね。カメラバッグはいくつもあってもいいんだから(笑)。フラップトップの「コンタクト」にはコンタクトシート、巾着型の「ミッシェル」には裏地に作品を一枚使いしたから、さらなる新型はこれまでとはまた違うコンセプトを作り上げられたら面白いんじゃないかな。もちろん、最後までお付き合いしますよ。
---------- ハービーさんからの新作へのご感想や、裏地についてのお話し、楽しんでいただけましたでしょうか。 今後もフォトグラファーズバッグに込めた思いやこだわりについて、お知らせして参ります。 引き続き、本プロジェクトをどうぞよろしくお願いいたします! DOUBLE O DESIGNBOOK 大内 英和