伝説の「光速船」がMiniで蘇る!有機EL×物理シートで再現するベクトル体験
お届け時期と仕様変更についてのご連絡
光速船 Miniを応援して下さっている皆さま、こんにちは。
わずか9か月前、「Vectrex Mini」の開発を始めました。
当時は、いわば「コンセプト」の段階。3Dプリントした筐体の中にケーブルやコネクターを詰め込み、PC StickやRaspberry Piに接続し、HDMI経由でディスプレイを表示するというものでした。

このプロジェクト初期の段階には、私がいつも大好きなところがあります。少し雑然としていて、少し即席ではあるものの、とてもワクワクする瞬間です。それまで頭の中にしか存在しなかったアイデアを、初めて実際に手に取ることができる。そして、
「これは、いけるかもしれない。」そう思える瞬間です。
それから9か月。私たちは本当に長い道のりを歩んできました。
エンジニアリングパートナーとともに開発を進め、皆さんにお約束したすべての機能を実現する、コンパクトで完全統合型のVectrex Mini専用マザーボードを設計しました。
さらに、当初の計画にはなかった機能もいくつか追加されています。例えば、専用の3.5mmヘッドホン端子です。
そして、つい2週間前までは、ほぼ製造開始に移れる状態まで準備が整っていました。
ところが残念なことに、最後の課題が一つ発生しました。
そして今回は、私たちではコントロールできない問題でした。
想定外の部品変更
電子機器に携わっている方なら、きっとご存じの問題でしょう。
使用している部品が突然入手できなくなったり、生産終了になったり、あるいは新しいバージョンへ置き換えられたりすることがあります。
残念ながら、今回はまさにそれが私たちに起こりました。
Vectrex Miniのマザーボードの中核を担っているESP32-P4モジュールが、現在の仕様で生産終了となったのです。

メーカーが新しいバージョンへ移行するためで、代替となる新しいモジュールは10月末まで入手できないとの連絡を受けました。
これは、私たちにとって最も悔しいタイミングで起きた問題でした。
まさに製造開始へ移ろうとしていた、そのタイミングだったのです。
しかし、私たちは単純に新しいモジュールが利用可能になるのを待つのではなく、今回の問題を、Vectrex Miniのハードウェアをさらに自立したものへ進化させる機会として捉えることにしました。
現在、台湾の製造・エンジニアリングパートナーとともに、あらかじめ組み立てられたプロセッサーモジュールそのものを必要としない、新しいマザーボードの設計を進めています。
プロセッサーだけでなく、BluetoothやWi-Fiなどを担う部品も、私たち自身のマザーボード上に直接組み込む設計へ変更します。
つまり、誰かが提供するモジュールを待つのではなく、
私たち自身による、完全統合型のハードウェアソリューションを実現するということです。
この再設計には約5~6週間を見込んでおり、その後、ハードウェアの検証・テストにさらに約1週間を予定しています。
興味深いことに、このスケジュールは、単純に新しいモジュールの登場を待った場合と、それほど大きく変わりません。
その一方で、今回の変更によって、ハードウェアそのもの、そして今後の生産について、私たちがより大きなコントロールを持てるという重要なメリットがあります。
スケジュールへの影響について
ここが、皆さんが一番知りたいところだと思います。
まず、当初の予定よりも製造開始が遅れることとなり、長らくお待ちいただいている皆さまには、心よりお詫び申し上げます。
予期せぬ部品の変更という、私たちではコントロールできない問題によって、このようなスケジュール変更が生じてしまいました。
現在の計画では、Vectrex Miniの製造開始は10月頃を予定しています。
その後、最初の生産分となるVectrex Mini Mark I 10,000台の製造には、約5週間かかる見込みです。
当初の予定からお時間をいただくことになってしまい、誠に申し訳ございません。
一日でも早く皆さまのもとへお届けできるよう、チーム一同、引き続き全力で開発・製造準備を進めてまいります。

ハードウェア製品の開発では、特にゼロからまったく新しい製品を作る場合、どうしても予想外の出来事が起こります。
今回も、製造開始を目前にして予期せぬ問題が発生し、当初の予定よりも皆さまをお待たせすることとなってしまいました。改めまして、長らくお待ちいただいている皆さまに、心よりお詫び申し上げます。
とはいえ、皆さんが私たちを信じ、ここまで辛抱強く待ってくださっていることも、十分に理解しています。
そのご期待と忍耐を、決して当たり前のことだとは思っていません。むしろ、これだけ長い期間にわたって応援してくださっていることに、心から感謝しています。
私たちにとって何より大切なのは、時間がかかったとしても、皆さまに安心して長く楽しんでいただける、きちんとした製品を作り上げることです。
9か月前、Vectrex Miniは3Dプリントされた筐体と、たくさんのケーブル、そして一つのアイデアから始まりました。
そして今日、それは、もうすぐ製造を開始できる、本当に動作するゲーム機になりました。
残された最後のハードウェア上の課題を、私たちは必ず乗り越えます。
そして、すでにそのための作業を進めています。
改めて、ここまでお待ちいただいている皆さまに心より感謝申し上げます。そして、お届けまで今しばらくお時間をいただくことを、どうかご理解いただけますと幸いです。
ディスプレイの変更について
Vectrex Miniの開発を始めた当初、私たちは本気でOLEDディスプレイを採用したいと考えていました。
オリジナルのVectrexが持つ独特の映像表現を残しながら、できる限り最新のディスプレイ技術を採用することを目指していたからです。
しかし、皆さんも電子機器やゲーム業界で感じているかもしれませんが、近年、電子部品の価格は大幅に上昇しています。
現在、5インチのOLEDディスプレイは、工業規模の数量であっても1枚あたり約40ドルとなっており、Vectrex Miniの販売価格を考えると、コスト面で現実的ではありませんでした。
OLEDディスプレイを期待してくださっていた皆さまには、この点についてご期待に沿えない結果となってしまい、申し訳ございません。
私たちも開発当初はOLEDの採用を強く望んでいましたが、さまざまなディスプレイを実際に比較・検証した結果、最終的には画質だけでなく、パフォーマンス、信頼性、供給の安定性、そして製品価格まで含めて総合的に判断し、IPSディスプレイを採用することを決定しました。
IPSディスプレイを選んだ理由は、コストだけではありません。
開発期間中、台湾の製造パートナーの協力のもと、私たちは非常に多くのディスプレイを実際にテストする機会がありました。
OLEDパネルだけでなく、さまざまな種類・グレードのLCDディスプレイを比較し、5インチのVectrex Miniで実際に表示した際の画質や見え方を徹底的に検証しました。
その結果、当初予想していたほどOLEDとLCDの違いは大きくないことが分かりました。
最終的に私たちが選んだのは、標準的なIPSディスプレイよりも大幅に明るい、高品質なIPSパネルです。
このディスプレイは、優れた視野角、高いコントラスト、そして画面全体で均一な明るさを実現しています。
実際にVectrex Miniへ搭載してみた結果にも、私たちは非常に満足しています。
解像度について
IPSを選択したもう一つ、重要な技術的な理由があります。
Vectrex Miniに採用するIPSディスプレイのネイティブ解像度は、800 × 480ピクセルです。
そして、この解像度を前提として、ESP32-P4プロセッサー上で動作するVectrexエミュレーターの開発・最適化を進めてきました。
同じ5インチクラスのOLEDディスプレイには、一般的にこれより大幅に高い解像度のものが採用されています。
一見すると、高解像度のほうが優れているように思えるかもしれません。
しかし、Vectrex Miniにとっては、必ずしもそうとは限りません。
高解像度のディスプレイを駆動するには、より多くのピクセルを処理・更新する必要があり、ハードウェアへの負荷が大きくなります。
その結果、エミュレーションのパフォーマンスにも影響する可能性があります。
私たちが重視しているのは、箱に「720p」やそれ以上の解像度と書けることではありません。
800 × 480という解像度で、滑らかでレスポンスが良く、高いフレームレートを維持したVectrex体験を実現すること。
私たちにとっては、それこそが何より重要です。
IPSディスプレイを採用するメリット
IPSは成熟したディスプレイ技術であり、広く普及しているため、安定した生産と部品の供給が期待できます。
また、OLEDで懸念される焼き付き(残像)の問題を避けられるというメリットもあります。
これは、Vectrex Miniにとって特に重要なポイントです。
Vectrexは、黒を基調とした画面の中に明るいベクターグラフィックスを表示するため、同じ場所に明るい表示が長時間続くケースがあります。
そのため、長く安心して使用していただくことを考えると、IPSディスプレイは非常に適した選択だと考えています。
「理想」と「現実」のバランス
新しいハードウェアを開発するということは、必然的に「理想としてやりたいこと」と、「実際に製品を作り、テストし、最適化していく中で本当に適しているもの」との違いに向き合うことでもあります。
今回の開発を通じて、私たちは本当に多くのことを学びました。
そして、その中には、時には苦労しながら学んだこともあります。
さまざまなディスプレイを実際にテストし、画質、パフォーマンス、信頼性、部品の入手性、そしてコストまで総合的に検討した結果、
私たちは、このIPSパネルがVectrex Miniにとって最もバランスの取れた選択肢だと確信しています。
何より重要なのは、実際にこのディスプレイを搭載したVectrex Miniを見て、私たち自身がその仕上がりに非常に満足していることです。
Vectrexならではの映像表現を、現代のディスプレイで美しく再現しながら、快適なパフォーマンスと安定した製品供給を実現する。
そのために、IPSディスプレイこそが最終製品にふさわしい選択だと、私たちは自信を持っています。
改めまして、当初お伝えしていたOLEDディスプレイを採用できなくなったことを、心よりお詫び申し上げます。
Gamescom 2025からGamescom 2026へ―1年でここまで変わりました!
2025年8月末、私たちはGamescomに参加し、Vectrex Miniのコンセプトを発表しました。
そして1年後。
私たちはGamescom 2026に、まったく違うものを持って戻ってきました。
それは、実際に動作するVectrex Miniのプロトタイプ。
そして今回、初めて一般の皆さんに実際にプレイしていただくことができました。
これを実現できたのは、皆さんのおかげです!

そして、私たちは本当に素晴らしい反響をいただきました!
多くの支援者の皆さんが会場まで足を運んでくださり、さらに、Vectrex Miniを今回初めて知ったという方々も数多く訪れてくださいました。
数日間にわたり、来場者の皆さんは実際にVectrex Miniを手に取り、ゲームをプレイし、私たちがこの9か月間取り組んできたものを、自分自身で体験することができました。
これまでレンダリング画像や写真、開発中のプロトタイプを見ていただいていたVectrex Miniを、ついに実際に人々がプレイしている。
それを見ることができたのは、私たち全員にとって本当に特別な瞬間でした。
そして何よりも、Gamescomを通じて、Vectrex Miniの主要な機能が現在しっかりと動作していることを実際にお見せできました。

Vectrex Miniの5インチIPSディスプレイには、ベクターグラフィックスが非常に美しく表示されます。
ディスプレイは約900ニトという非常に高い輝度を実現しています。
この美しい表示を実現するうえで、大きな功績があるのが、Malban氏とそのVectrexエミュレーターです。
このエミュレーターによって、現代のディスプレイ上で、Vectrexならではの独特な表示を再現することが可能になりました。
ユーザーインターフェースについては、現在も細かな調整を続けていますが、主要な機能はすでに実装されています。
その中には、複数言語への対応も含まれています。
Gamescomで展示した筐体はまだ3Dプリント製でしたが、最終的な射出成形品のVectrex Miniがどのような見た目・質感になるのかを、十分にイメージしていただける仕上がりになっています。
そして、まだまだお見せできるものはありました。
・オリジナルのVectrexコントローラーが、MiniのDB9ポートを通じて完全に動作します。
・HDMI出力も動作しています。
これにより、Vectrex Miniを外部ディスプレイへ接続し、横画面モードでプレイすることができます。
さらに、縦画面(TATE)表示への対応も次のステップとして進めています。
・SDカードシステムも動作しています。
システムを起動したまま、追加のソフトウェアを読み込んだり、削除したりすることが可能です。
そして、私たちが特に楽しみにしていたものもあります。
それが、本物のアナログジョイスティックを搭載した新しいBluetoothコントローラーです。
このコントローラーを、Bluetoothドングルを使って1982年発売のオリジナルVectrexでテストしました。
結果は素晴らしいものでした。
反応は良く、操作は滑らかで、体感できるほどの遅延もありませんでした。
オリジナルのVectrexをアナログコントローラーでワイヤレス操作するのは、本当に楽しい体験です!

こうして振り返ると、Gamescomは単なる展示・プロジェクト紹介の機会ではありませんでした。
私たちにとって、それは重要なマイルストーンでした。
Vectrex Miniが、初めて一般の皆さまに「実際に見て、触って、プレイしていただけるもの」になった瞬間だったのです。
そして、会場でいただいた反応は本当に素晴らしいものでした。
一方で、今回ご報告したハードウェアの変更により、当初の予定よりも製造開始およびお届けまでにお時間をいただくこととなってしまいました。
長らくお待ちいただいている皆さまには、ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、心よりお詫び申し上げます。
それでも、今回の変更を単なる遅延で終わらせるのではなく、より安定した生産体制と、将来にわたって私たち自身がよりコントロールできるハードウェアを実現するための機会として、開発を進めてまいります。
一日でも早く、そして何より皆さまにご満足いただけるVectrex Miniをお届けできるよう、チーム一同、引き続き全力で取り組んでまいります。
今回の活動報告は以上となります。
引き続き進捗があり次第、皆さまにご報告いたします。
長い間お待ちいただいていることに、改めて心より感謝申し上げます。
今後ともVectrex Miniへの応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
Vectrexチーム