「黒川温泉に今すぐ1000湯入浴の約束を届ける」プロジェクト
「黒川温泉に今すぐ1000湯入浴の約束を届ける」プロジェクト
そこで見たのはとっても元気な熊本の姿でした~自遊人編集長・クリエイティブディレクター 岩佐十良~

“なんとな~くあったかい”雰囲気の黒川温泉
黒川温泉を訪れたのは5月22日のこと。
実は熊本地震が起きる数日前、私たちは「10年10拠点」の視察として熊本を訪れていました。案内してくれたのは肥後銀行 地方創生戦略室の皆さん。地震の直後、私はメールを送りました。(以下ほぼ原文まま)
「まだ余震が続いている中でこのような提案をするのは恐縮ですが、本日はひとつご提案があります。このまましばらく全国で熊本報道が続くと思いますが、たぶん、おそらく、観光面での打撃はそうとうなものになると思います。とくに風評被害がこれから深刻になることは間違いなく、しかもかなり長引くことが予想されます。
中越地震、中越沖地震の際もそうでしたが、お客さんはなかなか戻らず、そのため廃業や転売を余儀なくされた旅館がたくさんあります。新潟はいわゆる「いい旅館」が少ないのですが、2つの地震で旅館の経営が悪化して、投資できる状態ではなくなってしまったのが大きな理由でもあります。そこで、私たちができる支援として、できるかぎり早い段階での熊本の観光特集を雑誌で組みたいと考えています。6月26日発売は早すぎると誰もが考えますが、私は6月に熊本特集を組みたいと考えていますがいかがでしょう」
そして返答があったのが5月10日。
「やはり風評被害が大きくなりそうです。今からでも間に合いますか?」
さっそく私たちは現地に向かったのですが、そこで見たのはとっても元気な熊本の姿でした。

5月22日、黒川温泉を取材。
黒川温泉といえば湯めぐり手形が有名です。
全国の温泉街から視察が絶えない黒川温泉の人気は、この湯めぐり手形にあるといっても過言ではありません。黒川温泉の人気宿、24軒のうち3軒の露天風呂に入ることができる、という旅行客にはとっても嬉しいシステムですが、意外と他の温泉地では真似ができません。
なぜ真似できないのかといえば、黒川温泉のような結束力を持っている温泉地は少ないから。実はこの結束力が湯めぐり手形を生み、そして黒川温泉のあの独特の“なんとな〜くあったかい”雰囲気を醸し出しているのです。
