【地域産業✕食文化】一緒に陶器の町「益子」の魅力を味わいに行きましょう!
川尻さんがこだわる「ものづくり」とは
今回の活動報告では、これまでの取材で私が感じた川尻さんのこだわりについて、「素材」・「作り方」・「想い」の3つの面から紹介します。
【素材のこだわり】益子の粘土100%
粘土になる前の土。もちろん益子で取れた土です。
陶芸家によっては好みの風合いにするために、他の土地の土を使って制作していることもあるそうです。そんな中、川尻さんは地元益子で取れた土にこだわった益子焼を制作しています。
益子の土は、砂っぽくてゴツゴツした土の質感が特徴的です。普段見かける益子焼も、土の素材感が感じられるような陶器が多くあります。
今回のツアーでは、土から粘土を作る工程も体験できるので、益子で取れた土の質感も直に触れて楽しんでいただけます!
【作り方のこだわり】手間も労力もかかる「伝統的な登り窯」
川尻さんの工房である「川尻製陶所」には、昔ながらの登り窯があります。今では陶器の流通が減っているため、電気窯やガス窯によって焼成する工房は少なくありません。機械窯に比べて、登り窯は手間も労力も資材もかなりの負担があります。
それでも川尻さんが登り窯を使うのは、「生きた炎のエネルギー」にこだわっているから。生きた炎のエネルギーにより、陶器は独特の風合いを持ちます。
場所によって炎の伝わり方が異ったり灰が付着したりするため、一つとして同じものはできません。登り窯の中で、陶器はそれぞれに個性を持ちます。
【想いのこだわり】使い手に寄り添うものづくり
川尻さんが作る陶器は、使い手にとても優しいものです。コロンとして手によく馴染む形、自然の温もりが溢れている見た目、どんなインテリアにも溶け込む雰囲気など、どんな人でも使いやすいものばかりです。毎日使うものだからと、土や釉薬も体に害がないものだけを使用しています。
「どんなライフスタイルにも馴染むようなものづくりを目指している」とおっしゃる川尻さん。川尻さんの陶器には、どんな人でも毎日使えるような優しい工夫がたくさんあります。