【地域産業✕食文化】一緒に陶器の町「益子」の魅力を味わいに行きましょう!
生まれて初めて、登り窯の窯焚きを見学しました(前編)
川尻さんの工房で登り窯の火入れをするとのことだったので、4月末に益子に行ってきました。
15時に秋葉原から高速バスに乗り、18時前には川尻さんの工房に到着。ゲストハウスでチェックインを済ませ、さっそく登り窯のある工房へ向かいました。
生まれて初めて見た窯焚
工房に着いた時には、すでに登り窯から迫力満点の炎が噴き出していました。火入れは当日の朝3時に行い、徐々に薪の数を調節しながら炎の力を強めていくそうです。
登り窯の構造
登り窯は山などの傾斜に沿って、複数の窯(焼成する部屋)が連なってできています。その特徴的な構造は、炎の力を効率よく伝え仕上がりの「ばらつき」を防ぐそうです。
陶器の焼成は、一番下の窯を除いた各部屋で行われます。一番下の窯は、炎のエネルギーを蓄えて窯全体の温度を一定に保つ役割があるそうです。
圧倒的な炎のエネルギー
窯焚では一番下の窯から燃やしていきますが、ここにも川尻さんのこだわりがあります。それは、高温の炎を生み出す上で欠かせない「薪」。川尻さんは、家を壊した時などに出る「廃材」を使っています。
解体された廃材の中から、窯焚にふさわしいものを見つけ出すことは簡単ではありません。時間も労力もかかります。それでも川尻さんは、環境への負荷を最小限に抑えた「ものづくり」にこだわります。
川尻さんが作るものは、人だけでなく環境にも優しい「陶器」です。
窯の中に廃材をくべると一気に炎が噴き出します。その勢いは、まるで「人が飲み込まれてしまうのでは」とハラハラするほど。それほど炎の力は強く、見ていて圧倒されました。
炎の近くは、とにかく熱い。ナイロンなどの熱に弱い繊維を着ていると、服が溶けてしまうこともあるそうです。腕まくりをしたまま作業をして、火傷をしてしまったことも。
窯焚は私が実際に想像していたよりもはるかに大変で、常に危険と隣り合わせな作業でした。
【後半に続く】