彫刻になって、ハリウッドスターと共演しよう!〜吉田孝弥彫刻展〜
制作に使用する素材と道具②

こんばんは。彫刻家の吉田孝弥です。
今回は、前回に引き続き、制作に使用する道具の紹介です。
まず説明しなくてはいけないことは、彫刻は大きく分けて2つの制作方法に分類されるということです。
「カービング」と「モデリング」
彫刻の制作方法は
「カービング」と「モデリング」に分類されます。
僕が、彫刻をやっていることを美術とそんなに関わりのない人に伝えると、
「何を彫っているの?」
と、聞かれます。
しかし、彫刻といえど、彫ることだけが彫刻ではないのです…。
彫刻の制作方法は大きく分けて2つに分類されます。
まずは
「カービング」です。
カービングという言葉は「削る」「彫る」行為を指します。
主な素材は「石」や「木」などです。形あるものからマイナスして形を作っていくことをカービングと言います。
全て一概には言えないのですが、分かりやすいところでいうと、ギリシャ彫刻や仏像などが馴染みがあるかと思います。

東大寺の金剛力士像(木彫)

ミロのヴィーナス(石彫)
それに対して僕がやっているのは
「モデリング」
というものです。主な素材でいうと「粘土」が挙げられます。これは何もないところから、プラスして形を作っていくことを指します。
粘土で作られた彫刻は「塑像」と呼びます。

僕の大学二年の時の等身大塑像(粘土)
とはいえ、粘土も大まかに形を作った後は削ったりつけたりするので、一概には分類できないのですがそんな感じです。
僕の場合は、粘土を乾燥させて、原型のまま作品にするのですが(ここが結構ポイントなので、後日詳しく説明します)、大きな粘土作品は大体は脆く、乾燥すると石化して壊れてしまうので、そのまま作品にすることはできません。
なので、石膏などで型どりをして、その後にプラスチックやブロンズ、漆、テラコッタなどの素材に置き換えます。
ここも重要なので後日また説明します!!!

ロダンの考える人(ブロンズ)
制作に使う道具
カービングで使う道具は、分かりやすいところだと鑿(のみ)やノコギリ、ドリル、ハンマーなどです。

木彫で使用する鑿
その一方でモデリング、粘土で作品を制作する時に使う代表的な道具は「粘土ベラ」、つまりヘラです。

粘土ベラ
市販の物や、自作の物、大小様々です。
僕が使う粘土ベラを紹介したいところですが、長くなってしまったので続きは次回。お楽しみに!!!