彫刻になって、ハリウッドスターと共演しよう!〜吉田孝弥彫刻展〜
作品紹介⑧「PEACH JOHN 」





「PEACHJOHN」
制作年:2016
素材:石粉粘土、軽量粘土、木製パネル、アクリル絵具
前に紹介しました「吉田式漢雛」を展示した、岡山県倉敷市玉島にある「遊美工房」というギャラリーでのグループ展に参加した時の作品です。
岡山県といえば、「桃太郎」
地域の方にもなるべく分かり易く、インパクトを残せる作品をと思い、「桃太郎」をテーマに制作しました。
まず「自分が、まるで外国から来た映画監督になって、岡山県を舞台に桃太郎をテーマにして映画を撮るとしたらどういうものにするだろう?」という題材を作りました。
やはり主演は、アーノルド・シュワルツェネッガーでアクション超大作にする。
タイトルは、桃太郎を英訳し「ピーチジョン」としました。
実は、有名なアクション映画の主人公は「ジョン」という名前が多いのです。
「ダイハード」の“ジョン”マクレーン
「ランボー」の“ジョン"ランボー
「コマンドー」の“ジョン"メイトリックス等…
お供がいなくても、どんな敵にも負けない最強のピーチジョンは、よく見ると倉敷にまつわるものがファッションに取り入れられています。
外国人になったようなフレッシュな気持ちでその土地をめぐり、瓦屋根の紋様を取り入れたり、名産のジーンズを履かせたりしております。
展示方法は、襖をスクリーンに見立て、上部には手描きの映画看板を設置しております。

展示空間の入り口には、他のスクリーンで上映しているであろう、作品の映画看板が…

ダニー・グローヴァー主演のあの作品…
映画館に観る映画を決めて行った時、他の上映作品のポスターや上映中に漏れ出す音を聞いて、目的だった作品以外にも興味が湧いてきますよね?
その気持ちを、彫刻で表しています。
そして、展示空間をじっくり観ていると気になってくるものがあります。



それは、空間にポツポツと散らばっているカラフルな「葉巻」の彫刻。
これは、映画館に行く際、グッズを見るワクワクや、ポップコーンの香り、映画を観た後に友人と話すドキドキなど、本来の目的のモノではないけど、チラチラと気になってしまう楽しいモノ。
あるとより気持ちが高揚して、空間を盛り上げる要素として各所に設置しました。
こうして、彫刻のある空間で「映画」「映画館」を表現しました。
映像作品ではなく、彫刻で映画や映画館を表現する、これが個展「フィストオブジョン」へと繋がる展開を見せる作品だったのです。