存続危機の石版リトグラフを、工房最後の刷り職人×デザインのチカラで盛り上げたい
今日は11/19(イイ インク)の日なのでインクのお話を。

職人の長野さんが混色して作った、新たな色のインクたち。アルミホイルでくるんで保管し、次作るときのためのサンプルに。
皆様こんにちは!
本日11/19は、いいインクの日(Re:lithoが勝手に言ってます)。
せっかくですのでインクにまつわるお話を少々。
リトグラフには、リトグラフインクと呼ばれる特別なインクを使います。
粘り気の強いインクで、ヘラでしっかりこねるのもコツがいります。
温度変化にも敏感で、冬は固くなりすぎて付きが悪くなったり、
逆に夏は柔らかくなりすぎて、飛び散りやすくなってしまうという、なかなかに扱いにくい代物。
職人さんは、長年の経験と勘によって、
量を調整したり、混ぜ物をしたりして、最高のコンディションへと整えるのです。

大理石のパレットに広げた製版インクをヘラで伸ばす作業。固かったためワニス(透明な塗料)を混ぜて柔らかく。
プロジェクトページに書かせていただきましたように、
工房には、石版がたくさん保管されています。
実はインクに関しても、たくさん残っていることは残っているのです。
ただし、頑丈な石版と違い、リトグラフインクは経年劣化しやすい。
残っていたインク缶を見つけ次第、フタをこじ開けてみるのですが、
どれもカラカラに乾燥していて使い物になりません...。
古いインクたち。イエローはフタを開けることさえできませんでした。

今は入手できない?海外ブランドのかっこいいインク缶。中身は当然のごとく使えません。
現在、比較的入手しやすいインクについては私たちが自費で少量購入し、
リワードを含めた作品作りに役立てようと思っています。
ただ需要が少ないためか他の版画用インクに比べてもやや高額で、
500gにつき¥3,000〜¥5,000ほどします…。

はじめて購入した、レモンイエローのインク(中央の缶)。スワローという国産メーカーのものです。
ですが、工房最盛期には、50種類程度のインクを使い分けていたそう。
クリエイターの要望にしっかり応えるためには、
時間をかけてでも買い揃えていかなければならないと思っています。
「皆様からのご支援の使いみち」に掲載している「インク代」の項目は、こういった費用になります。
リトグラフインクは、発色がとてもきれい。
また刷られたものを間近に見ると、
版画ならではのインクの重なりが面白く、思わず見入ってしまいます。
この美しさを皆様の元へとお届けできるよう、活動、頑張ってまいります!
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