天然素材だけで、防水のトートをつくりたい! 海旅トート

天然素材だけで、防水のトートをつくりたい! 海旅トート

海辺に行くなら確かな防水性能を。でも天然素材で。

水際の海旅トート。最終形態前の試作品。今回の記事に目を通せば、どこが違うか見分けられるはず。
今回のレポートは、海旅(うみたび)トートの防水性能の高さについてです。 海辺に連れ出すトートですから、必ず実現したかったのは「濡れた砂地に置いても大丈夫」なことです。拭くだけで水気も砂も落ちる防水性能があって、かつ、自立してほしい。そう、自立しないと中の荷物がこぼれて濡れてしまうかもしれないのです。それでは元も子もないので。 さらには、多少の雨に降られたってはじき飛ばすし、バッグの中まで吹き込もうとしてもシャットアウトできる構造。これがかなえば「砂が風に乗って吹き付けても内部に入らないこと」も同時に満たすはずです。 そしてこれらを「天然素材で実現したい」。そんな自分たちへのムチャ振りがスタート地点にありました。 では、本当に実現したのか?? ポイントを説明します。
右が菊水防水帆布、真中が防水皮革の表面・左が裏面
海旅トートに使われているOD(オリーブドラブ)色の帆布は「10号 菊水防水綿帆布」。屈強な綿帆布を特殊なパラフィンで防水加工したもので、テントやトラックの幌などに使用されているタフなやつです。ミリタリーなアイテムでもあります。使うほどに柔らかく馴染む嬉しい帆布ですが、防水性能は落ちません(防水性能が高まるというバック屋さんもいますが、裏がとれませんでした)。 そして下部や持手に使っている印象的な白いカワ、これは天然皮革を防水加工したもの。皮革専門店などをあちこち尋ねまわってついに見つけた逸品です。世界有数の化学メーカーが実現したその性能は、驚くことに「数日間水につけても浸水しない」という優れものです。スタッフでテスト済みですが、今度、公開浸水テストをやりますね。 ※上記記事に誤植がありました。帆布「#9」とあった箇所は「10号」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
バック底面の構造を画用紙でモデル化したもの
防水素材を使っても、縫い目があるとそこから水は染み込みます。はい、もうおわかりですね。海旅トートでは底面の防水皮革をボックス状に折り込んでますから、縫い目がないのです。皮革を余分に使っちゃうのですが、これで防水性能と自立性がしっかり確保できたわけです。
左写真の矢印の部分がフラップ。右のようにクルッと巻いて止められる
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