1mm間隔のスリットが魅せる、繊細な新しい世界。指先から生まれた光の写真集の物語

1mm間隔のスリットが魅せる、繊細な新しい世界。指先から生まれた光の写真集の物語

繊細さの罠

残り19日になりました!

待ち合わせの合間にカフェに印刷物を持ち込んでチェック。いつも直したいところが出て来たりアイデアが浮かんで来ます。
今回の新写真集プロジェクト、早いもので残り19日になりました! 同時進行で進めている写真集の編集や印刷関係の打ち合わせなどで金銭面のシビアさに「ぐわっ」と来ている所もありますが、必ず良い本にしてお届けできたらと思います。紙の質や製本の方法など、お金が集まるほど良い本ができる幅が広がるのは確かなので最終日まで伸ばして行けたらと思います!

繊細さの罠

私の作品を観た時に、多くの方が「繊細」という印象を持ってくれます。色々な作品を作っていますが、今回の本に入れる作品の多くはその表現がその通りというテーストです。でも一方で、作家としては「繊細さの罠」をいつも考えています。
本づくりは未知のジグソーパズルを埋めるかのような作業で、今回の本に足りない、付け加えたい作品を今急ピッチで作っています。ドローイングも作成中!

米粒に字を書くのと何が違うのか

例えば、昔子供の時に、米粒に字を書く人の映像を見て、おーすごいと思ったのを覚えています。挑戦したことはないので、自分にそれができるのか分かりませんが、やはりそういう映像を見るとそういうことが出来る方は凄いなと今でも思います。米粒に字を書くにも色々な動機があると思いますが、器用さをアピールするのが大きいと思います。 私が1mmにも満たない感覚でスリットを入れたり、ドローイングをするのも、ある意味で器用さのアピールになると思います。でも一方で作家として感じているのは、「人より器用なだけでは作品は成立しない」ということです。 器用であること、他にも高価な材料を使ったり、そいうことは私は作品の本質ではないと思います。もちろん、本質に近づくために、オリジナリティーを保つための手段としてそいうことはとても大切ですが、「器用さに溺れる」ことのないように考えて作品を作っています。

繊細さで見出したい世界

私は繊細さが装飾性に繋がると考えています。それはパリに来た時に建物のバルコニーに備え付けられた欄干の優美さと、その欄干の種類がどの建物も違うという驚きから来ています。だいたい100年くらい前のベルエポックの時代、多量生産が実現する一方で画一化が進んでいない時代だからこそできた奇跡なんだといつも感じています。 その装飾性がある意味紙の世界に濃縮される中で見えてくる世界を見出したいと考えて作品を作っています。他にも色々な作品をこの本には入れていますが、繊細さの中の力強さや、美、時には過剰に入る違和感も含めてこの本だから感じられる世界を作り出してお渡しできる出来るようにスパートをかけて行けたらと思います!
こちらもまだどうなるか分からない段階ですが、もっと深めて完成させたいと思います!!
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