ご挨拶
はじめまして。マルマメン工房の増田と申します。
鹿児島県 霧島市 永水という中間山地で、農薬や化学肥料を使わず大豆・麦・その他数品目の栽培と、大豆加工品を製造販売しております。
妻・生まれてすぐの息子と3人で「農ある暮らし」「農ある時間」を追及中です。
ちなみにバスケが好きで、今も社会人バスケに参加し、体育館を走り回っています。(だいぶ身体がついてこなくなりましたが…)
スラムダンクで一番好きなのは「河田・兄」です。
今回のプロジェクトについて
さて今回、「Made in 霧島」の小麦粉である「地粉」を作るため、製粉機を購入するためのクラウドファンディングに挑戦します。
購入したい製粉機がこちらです。
この小麦の製粉機は現在、鹿児島県鹿屋市にあります。50年近い歴史のある機械ですが、前の持ち主さまが農業を止められた4年前から、眠りについています。
私たちがこの製粉機を現在の持ち主さまから買い取り、受け継ぐことが出来れば、Made in 霧島の小麦粉作りが実現します。
そして「鹿児島県内に小麦農家を増やす!」という私たちのミッションに大きな一歩を踏み出すことができます。
どうかご支援、宜しくお願いします。
自己紹介
改めまして、自己紹介をさせていただきます。
私たちマルマメン工房は、鹿児島県霧島市霧島永水で農薬、化学肥料を使わず数種類の大豆や麦を栽培しています。
鹿児島県内のイベントやマルシェに積極的に参加し、自分たちが作った農作物を直接販売したり、協力してくださるお店とパンを作ったり、食育をテーマとしたワークショップを開催したりしてきました。
年間を通して、いろんな人にご縁をいただいています。
また、私たちの作物の品質にはご高評をいただき、無印良品さまにも商品をお取り扱いいただいています。
無印良品さまの公式サイトでお取り扱いいただいています。
自然や作物に沿った暮らしや時間、祭事などを現代に残していきたいし、実践したい。
また、農薬を使わず肥料も最低限に抑え『身土不二』を心に、マルマメン工房は農業に取り組んでいます。
マルマメン工房のはじまり
27歳でたどり着いた霧島
私は福岡県出身です。勤めていた建設関係の仕事を退職し、世間を見て回ろうと地元を出ました。
しかし、27歳で鹿児島県霧島市に着いた頃には貯金も所持金も底をつき、電車に乗ることも出来なくなっていました。
神社や駅で野宿をしたり、3日間川の水だけで空腹をしのいだり…一度は死を覚悟したこともあります。
そんな時、霧島の市役所職員の方にNPOで農業をしている男性を紹介していただき、居候しながら仕事の手伝いをさせていただけることになりました。
霧島に来て半年くらいの頃の写真。
ここで食育活動や農業のアルバイト、地域のお手伝いなどをするうちに「食」「農」「環境」に興味が湧き、この地で生活するならこれしかないと決意して、鹿児島県霧島市・永水で本格的に農業を始めました。2010年5月のことです。
試行錯誤と失敗の連続
そこで最初に作り始めたのは豆でした。たまたま作ってみたお豆腐があまりに美味しかったこと、また鹿児島では豆の生産がほとんどなかったことが、豆を選んだ大きな理由です。
はじめに作ったのはお豆腐用の豆でした。
ただはじめからそんなに上手くいくはずがなく… 収入はほとんど無く、深夜に警備のバイトや他の農家のお手伝いをさせていただきながら、なんとか暮らしていました。
自分の畑も借りれるようになった頃は、大豆、そば、ニンニクなんかを作ってました。
それでも「自分で決めたことだから」と少しずつ栽培していくうち、自分の畑が借りられるようになりました。
やがてマルシェに出させていただけるようになり、少し注目されるようになって、またさらに人を紹介してもらって… 多くの人に助けられ、ようやく今があります。
ワークショップもよく開催させていただけるようになりました。
施設などの整備や害虫の発生での減収など、苦労のほうがまだ多いのですが、霧島での農業には、作物を収穫した時の喜び、ゆっくりした時間の中で自然や四季を感じられる喜びがあります。
今でも作業中に山や空を見て、ふとした時に素敵だなと感動しています。
作り続けた「地粉」
さて、これまで私たちは豆作りをメインに、小麦粉も作ってきました。
自らの畑で収穫した小麦を使い製粉することで、Made in 霧島の「地粉」を作ってきたのです。
マルマメン工房が自社の畑で作ってきた「農林61号」
そんなマルマメン工房の地粉はご高評をいただき、これまでパンを作ったり、うどんを作ったり、ハンバーガーのイベントでハンバーガーを作ったりしました。
収穫から製粉まで霧島で行った地粉で作っています。
美味しい!の声と共に少しずつですが口コミやSNSで広がり始め、
Instagramでの「#マルマメン工房」の検索結果。
このままいけばもっと沢山の人に食べてもらえる。
そして地粉を作ってくれる農家が増える。
そう信じて疑いませんでした。
新たな製粉所を求めて
ところが去年…それまでお願いしていた製粉所に、製粉を断られてしまいました。小麦製粉の難しさと、私たちの発注量が機械のキャパシティを超えていたことが原因です。
ただ、もともと無理を承知でお願いしており、いつかそうなることは覚悟していました。むしろこれまで無理を受け入れてくださっていた製粉所の方々には、本当に感謝しています。
2016年。最後の地粉。
小麦は製粉しないと商品にならなりません。ですが、鹿児島県内には長期的に安心してお願いできる製粉専門の製粉所が無いのです。あったとしても「個人受け入れはしていない」とか「米粉はやっても小麦粉はしてない」とかです。受け入れてくれる所が無いこと。それが鹿児島で積極的に小麦を生産しようとする農家が少ない理由のひとつです。
県外で製粉をするという手もありますが、そうなると「地粉」ではなくなってしまいます。地粉でないのなら、県内に小麦農家を増やす!…というミッションから遠ざかり、マルマメン工房がやる意味がありません。
ネットで調べて電話したらほぼ大手製粉メーカーの下請けかお菓子用、米粉用、澱粉や葛など。小麦を個人で受け入れてくれる所はありませんでした。
やっと見つけた製粉機 しかし…
それでも諦めず電話を掛けまくっていると… とうとう、鹿児島県の鹿屋というところに製粉所を見つけました。
数年前に廃業したとのことでしたが、とにかく話がしたいと連絡をし、伺いました。
機械は廃業当時のままで眠りについていました。
ただ、機械見た瞬間思い入れや機械に残ってる息を感じました。
持ち主の親父さんは80歳を超えるご高齢でした。
肺気腫を煩い、酸素吸入器を付けながら話をしてくださいました。製粉業は、ご本人の代でお止めになるとのことでした。
親父さんの話を聞いてるうちに、お金のあてがあったわけではないのに「1年ここで修行させてください。1年後は機械を買い取り、自分でします」と話していました。
…ですが、すぐに良い返事はいただけませんでした。
1週間後にいただいたお返事はNOでした。
諦めきれず、頼み込みました。
「では小さい製粉機1台だけでも良いので売ってください」
「…わかった。そこまで言うなら、兄ちゃんなら売る。ただ、機械は製粉機だけじゃなくて、焙煎機や粉砕機もある。全て買ってくれ」
「わかりました。お金のあてないけど買います。しかし場所やお金の準備がいるから時間ください」
「いつや」
「春までに」
2016年の年末、そんなやりとりをしました。
親方の笑顔
年が明けて、先日、設備一式全部買い取る決意と共に、改めてご挨拶に伺いました。
一度は断られたものの、
「自分の代で始めて、周りがどんどん辞めてく中続けて、後継ぎもおらず自分が死ねばただのゴミやから、捨てるに捨てきれんよ」と、
親方の代からなので、50年は経過しているそうです。でもまだ使えます。
思い入れのある機械がまた動くかもしれないのを嬉しく思ってる親方は笑顔で、嬉しかったです。
さて、親方にご理解をいただけたものの、お金のあてがあるわけでもなく、春までに大金が必要で、どうしよう…
そんなとき、Kibidangoでプロジェクトの開催経験を持つココレカの古川さんとのご縁に恵まれ、今回のクラウドファンディングを開催するに至りました。
購入する機械について
今回、購入を考えている機械は以下の8つです。
- ・製粉機3台
- ・小型1台
- ・石抜き
- ・精麦機
- ・磨き機
- ・粉砕機
- ・焙煎機
- ・工具に部品
精麦機・焙煎機・粉砕機は小麦粉とは直接関係がありませんが、マルマメン工房ではこれらを有効活用できる農作物(大豆、大麦等)も生産しているため、買い取った暁には大いに活用させていただきます。
プロジェクトの目標金額は、これらの機械を購入し、その機械を設置する製粉所を作り(大きな機械なので本格的な電気工事も必要)Made in 霧島の小麦粉である「地粉」を作るために使われます。
新しく建てる製粉所の資材集めも始めました。
製粉するための技術も覚える事が沢山ありますが、私たちが得たノウハウは惜しみなく公開し、提供したいと思っています。
また、製粉をすることができる場所ができれば、恐らく鹿児島県内に小麦農家も増えることでしょう。
そうすればいよいよ「鹿児島県内の小麦農家の人口を増やしたい」という私たちの夢の実現が見えて来ます。
最後に
いま親方のもとにある製粉機は、廃業当時のままで眠りについています。
あの機械を眠りから起こしたい。
眠りから起こして、私を救ってくれた霧島の地粉を作るため、まだ一緒に働いてほしい。
大豆や小麦を栽培する理由は耕作放棄地の解消でもあります。高齢化などにより農家が目に見えて減っています。
新しいものはたしかに魅力的ですが、古き良きものもなくなっています。
このプロジェクトが成功すれば、お菓子やパンや麺など沢山の地粉を提供することが出来ます。
味の記憶を残す事が出来ます。
古き良きものを、次の世代に伝えていくことが出来るのです。
もっともっと食を囲む場が増えるように。
その場で一緒に笑えるように。
プロジェクトへの支援、どうか宜しくお願いします。