島民の小金丸梅夫さん(うめちゃん)からレポートです。
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みなさん、イガイ(貽貝)ってしってますか?
一昨年夏に兄弟3人が故郷にそろい、イガイ獲りと磯の味と香りたっぷりの炊き込みごはんを楽しみました。その時の思い出エッセイをここに転載します。
我ら兄弟3人と弟の息子2人、計5人で小型ボート(船外機船)に乗り、イガイ獲りに出かけました。イガイ(貽貝)はムール貝に似た貝で、最大20cmぐらいになる大きな貝です。
イガイ獲りの場所は、野崎島の東側に孤立して浮かぶケムタ瀬でした。好天気で海も穏やかで波立っておらず、船外機船は快調に快走し島から10分余りで現場に到着できました。今日の海は特別澄み切っていて海底までよく見えました。イガイは水通し良く荒波に洗われる岩礁を好むようです。遠浅で砂地っぽい海岸には生息せず、いきなり深く落ち込んでいる岩壁の深さ3m以内の浅いところに多く付着し生息しています。
現場に着いたら、快走中噛み続けたチューインガムを2等分して耳栓にし、水中眼鏡に自分の唾をかけて磨きあげ曇りをなくして準備万端、とは言っても自分だけが準備不足で、磯カギも手袋も使わず、獲物を入れる網籠を首に下げ、靴下を履いて水中にザブンと飛び込みました。靴下を履くのは漂いながら岩礁を歩いたりするのに、足裏を傷つけないためです。
イガイは強力な足糸で岩の割れ目辺りに付着しているため、何度か潜って磯カギを巧みに使ってもぎ取らなければなりません。作業中潮の流れに流されないように岩礁に手をかけたり、外れかけたイガイを手でもぎ取るのに素手だと傷つく場合があるので、普通は手袋をします。今回私は磯カギ、手袋なしだったので、素手でガシャガシャ動かしてもぎ取りやすいイガイを見つけ、外れやすいような方向と角度から足のかかとで強打するなど水中頭脳プレー(?)を演じて、大きなイガイを10個余り獲ることができました。
ケムタ瀬は六島漁民にとって数少ないサザエの漁場でもあるため、この夏何度もサザエ獲りが行われているので、中小サイズのサザエしか残っていませんでした。約一時間程の泳ぎでしたが、終わってみれば写真の通り兄弟全員で獲ったイガイは100個以上、サザエも100個以上収穫しました。
収穫物の大半は弟とその息子夫妻が福岡や佐世保方面へのお土産として持ち帰りました。
私の獲り分は腐らないように茹で上げた後冷蔵庫に入れてあります。時々サザエやイガイの炊き込みご飯にして食べています。イガイは牡蠣の美味しさには敵いませんが、独特の歯ざわりと美味しさがあるので、何とか牡蠣みたいに養殖できないものかと考えています。南米諸国ではこの貝を”mejillon”と呼び、オリーブ油漬けの缶詰として売られています。パーティーなんかに招待されると、ビスケットに一個の”mejillon”が載っており、ビールやワインと一緒に食べて無上の幸福感に包れたものです。我が民宿構想でもそんな日が来ることを夢見ています。
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プロジェクト終了まであと17日!
みなさん、よろしくお願いします!