こんにちはDOUBLE O DESIGNBOOKです!
今回は、フォトグラファーズバッグの価値についてお話させていただきたいと思います。プロジェクトのコメント欄にバッグのプライスについて【ディスカウント余地があると思う】とのコメントもいただきました。きっと他の方々にも、このバッグが高額だと感じている人もいるのではないでしょうか。
今回の活動報告は、説明による理屈っぽさがあると思いますが、カメラバッグがいかに手間をかけた大変な作りになっているかの参考の為にぜひ内容を見ていただけたらと思います。
日本の製造業は、世界中で最も工賃が高いと言われています。
高価になっている要因
ざっくりと説明いたしますと、下記のことが挙げられます。
①日本製資材を使用
・自然の染料素上げホースハイドレザー使用。
ー傷を避けながらの裁断で、多くの革を使用する
・超高密織物コットン生地(スタイルテック社・MASTER SHIELD)使用。
ー国内て手に入るコットン織物の中ではトップクラスに高価な生地
・ナイロンビスコテックス®︎加工を使用。
ー1,677万色のデータを生地に繊細にプリントできる特別なシステム
・全ての真鍮金具。
ー鋳造製と削り出し製で、日本の職人が一つ一つ手作り
②:日本の職人による国内生産
ー革漉き加工、裁断、革断面(コバ)加工できる職人への依頼
ー熟練の職人による、3種類のミシンの使い分け
③:バッグ製造のパーツ数&工程数
⑤:アーティストへのロイヤリティー
・開発へのご協力
・作品などのご提供
様々と要因はありますが、今回は③のバッグ製造の工程数を掘り下げてお伝えいたします。
カメラバッグは、見た目より高額になる
私はこれまでのキャリアで様々なバッグをデザインしてきましたが、カメラバッグはどうしても見た目より価格が高くなります。その理由は明確で、内部に機材を収納するための造作が多く施されているからに他なりません。その製作にこれまで関わった多くの職人達のコメントとしてはよくこのように言われました。
【カメラバッグはバッグを2つ作っている様なものだ、それくらいの労力がかかっている】
それではカメラバッグは、他のバッグと比べてどのように手がかかっているのでしょうか。
全ての工程数のことを把握してお伝えするのはとても困難ですので、その労力が分かりやすい形で説明するにはどうしたら良いかを考え、今回はバッグのパーツを図解してみました。
フォトグラファーズバッグを図解
Aタイプ:フルホースハイドレザーで検証
Aタイプ:フルホースハイドレザーのフォトグラファーズバッグはパーツで分けると下記の図のようになります。
※明るいグレー系がレザーパーツ。暗いグレーとグリーンが裏地と付属材
本体33パーツ、インナーボックス25パーツ。合計58パーツにで作られています。
バッグ本体に対してインナーボックスのパーツの割合は75%、フォトグラファーズバッグ全体としては175%となります。職人達のコメントにあった、バッグを2つ作っている、とのコメントもあながち間違いではないように思います。
バッグ本体の33パーツ、そしてトータルの58パーツという資材量は、果たしてバッグとして多いパーツなのでしょうか?
比べられるものがないので、大きいトートバッグの仮想デザインを平面でシュミレーションしてみました。
フォトグラファーズバッグは見た目がシンプルなので、トートバッグもシンプルにしてあります。ポケットのスペックもフォトグラファーズバッグと同様に背面1つ、内装に2つとポイントも合わせました。金具や芯材はカウントしないものとして、あくまで革と生地の資材量を目視で比べます。
大きさ的には、フォトグラファーズバッグが9.7inch iPad相当を収納。トートバッグが13inch macbookpro相当を収納というスケールです。
見た目の大きさは一回り以上違います。
トートバッグのシュミレーションを図解
このトートバッグをパーツで分けると下記の図のようになります。
本体20パーツ。カメラバッグと比べるという意味なのでインナーボックスはなしです。合計20パーツでトートバッグは作られています。
2つのバッグのパーツを横並びにして比べてみる
2つのバッグの図解を並べてみる
こうしてみていただければ、カメラバッグがパーツの多いバッグかお分かりいただけると思います。フォトグラファーズバッグ本体もまた、見た目よりは多くのパーツを使って作り込まれています。革の使用量としても、フォトグラファーズバッグは大きめのトートほどを使っていることがわかります。
今回初めてカメラバッグを図解してみて、このパーツ数の分だけ工程数があり、多くの人の手仕事があると確認できました。縫製製品はほとんどのが人間の手仕事です。とても時間をかけて作られる温かみがあるものつくりなのです。伝えることは本当に難しいことですが、この価値をきちんと皆さんに伝えていかなければならないと感じます。
最後まで見ていただきありがとうございます。
引き続き、”写真家ハービー・山口氏とコラボした、プレミアム限定カメラバッグ”フォトグラファーズバッグをよろしくお願いいたします!
DOUBLE O DESIGNBOOK