なぜ、ハービー・山口さんモデルのカメラバッグをデザインすることになったのか本プロジェクトを担当する「DOUBLE O DESIGNBOOK」のデザイナー、大内英和(おおうちひでかず)と申します。これまで15年以上にわたり、プロダクトやファッション雑貨のデザインに関わってきました。7年前、在籍していたブランドでカメラバッグのデザインを行っていたときに、写真家・ハービー・山口さん(※以下ハービーさん)とのコラボレーションプロジェクトが立ち上がり、そのデザイン担当となったのですが、最終サンプルまで開発されるも発売まで至らず企画はお蔵入りになってしまいました。
私個人的にハービーさんがロンドンや日本で撮影されていたミュージシャンはフェイバリットアーティストであり、そのため非常に思いを入れて企画してきたのに残念でならなかったプロジェクトでした。
そして2022年2月にデザイナーとして独立することを機に、以前とは全く違うデザインで再度カメラバッグを作らせて欲しいとハービーさんに提案したところ、こころよく快諾してくれました。
ハービーさんがアーティストと向き合い写真を撮ってきたように、私はデザインでハービーさんを表すようなプロダクトを必ず作ると決意してデザインしたカメラバッグは本プロジェクトが初お披露目となります。バッグの詳細や企画・製作についてのストーリーをご覧ください。
「4つのキーワード」どんなデザインを目指したのか?7年越しに実現したハービーさんコラボレーションのカメラバッグ、4つのキーワードを掲げて、これに沿ったコンセプトで開発を行いました。
①「必要充分の収納量」 ハービーさんの撮影機材を参考に、カメラ機材と普段の持ち物が一式収納できるサイズ感。
②「カメラ・レンズのプロテクション性能」 カメラ収納に関してはしっかり保護ではなくカメラを運ぶ「入れ物」くらいの感覚で。
③「おしゃれと機能の両立」 機能重視になりがちなカメラバッグに、ファッション性をできるだけプラスする。
④「ハービーさんのスタイリングに合うバッグを目標に」 カメラバッグをデザインするというよりはハービーさんに似合うバッグをデザインする。
そして完成したカメラバッグ「フォトグラファーズバッグ」ホースハイド(馬革)のしなやかさを活かして作られた巾着タイプ(ドローストリングスタイル)の「フォトグラファーズバッグ」。
熟練したレザーの鞄職人が手掛けることにより、「しなやか」だけでなく、カメラバッグとして必要なバッグ本体の「しっかり」さを共存した仕上がりになりました。製作や縫製だけでなく、全ての素材や資材も日本製のものをセレクトしました。
ハービーさんからのコメント既製のカメラバッグの裏地に僕の写真をただ使っただけではなく、設計から全く新しいものを作り上げることによって、こういうことがあるともっと使いやすくなるのでは? といった要素も、たくさん詰まったデザインやディテールに仕上がっているのが良いですね。
フォトグラファーズバッグのライナップは、オールホースハイド(Aタイプ)と、コットン×ホースハイド(Bタイプ)の2ラインナップ。
※大きな違いはボディーがレザーかコットンになっている点。
ホースハイドは、主にヨーロッパ各地で集められた原皮を馬革専門に取り扱う国内タンナーで作られているものを使用しています。この革は自然の肌のキメが感じられる染料素上げと言われる本物のリアルレザーで、表面を加工したレザー素材では感じることのできない優れた質感があります。
Bタイプのメイン素材となる超高密織物コットン生地(スタイルテック社・MASTER SHIELD)は、英国空軍パイロットが交戦時自機から脱出し、冬の冷たい英国海峡や北海で、水の染み込みを防ぎ1分でも長く耐えられるように開発された英国由来の生地。ハイブランドクラスのコートに使われている最高級品質の素晴らしい織物です。
ホースハイドやコットン生地MASTER SHIELDをボディーの素材に選んだ理由は、それぞれキメや織りが細かであること。手触りが良くバッグと衣服との接触がスムースであることは使い続ける上での快適さにつながります。
ショルダーストラップは身長や体の大きさ、使い方やファッションのスタイリングを問わず、肩がけでもたすきがけでも対応できる調整幅(最短93〜最長131cm)に設定。取り外し式のショルダーパットを備えています。
インナーボックスは、バッグの収納域を広くするために薄手のクッションで作りました。付属するパーティションで仕切りをアレンジすることで、様々なカメラやレンズ収納に対応でき、ライカM型やミラーレス一眼もちょうどよく収まるサイズ感です。
両サイドにはポケットを装備し、カメラ用の小物などの収納スペースに。
カメラを持たないときは、パーティションを外して、バッグ in バッグとしても使うことも可能です。
付属するピローケースは、カメラを収納した時にレンズ下にできるスペースに枕として使える便利品。
バッテリーやメディアが収納できるケースとして設計されていますが、フィルムをクルリと巻き閉めることもできます。
デジタルとフィルムの両方のスタイルでご活用いただけます。
バッグ本体は袋構造のため、収納の様子によって形状が変化します。インナーボックスを入れればその分大きくなり、抜き去ればスリムなバッグに。
カメラバッグとして使いたい人はもちろん普段のバッグとしても、シーンに合わせて使いやすさや形状をアレンジすることが可能です。
巾着タイプのカメラバッグになった理由は?カメラバッグデザインをするにあたり、ハービーさんから
「バッグ周辺の仕様は、なるべくカメラが傷つく要素が無いように」というリクエストを元に、
◯巾着タイプ(ドローストリングバッグ)
◯斜め前から出ている1本紐(※このバッグ最大の特徴に)
と、全体のコンセプトが固めた後に、デザインの提案をさせていただきました。
その結果、気をつけて使えばバッグを閉じなくても使うことができるデザインになりました。
加えて、このバッグはカメラバッグにありがちなファスナーやベルクロなどの開閉音がほとんどありません。
フォトグラファーズバッグのディテール一見シンプルな巾着タイプとなるフォトグラファーズバッグには、カメラバッグとしての使いやすさや耐久性、どんなシーンでも似合うファッション性能、そしてハービーさんのスピリットも盛り込みました。
以下では、デザインや製作の現場にて試行錯誤を繰り返し実現することができたバッグのディテールをピックアップして紹介します。
巾着部分の開口部は、ホースハイドのしなやかさを活かして、前後4か所のスリットから1本の紐を一気に締め上げる方法を採用しました。(※通常、このサイズの巾着バッグは、両脇から2本紐で締め上げるタイプが多い)
そしてその紐を束ねるのが、ハービーさんの手書きのメッセージ「Stay Punk」を刻印したオリジナルのレザーパーツ。シンプルな機構でバッグの開閉をサポートします。
「Stay Punk」とは、既存の価値観に全て従うのではなく、自分に妥協しない生き方のことで、かつてロンドンの地下鉄で偶然出会った「The Clash」のジョーストラマーからかけられた言葉「撮りたいものはすべて撮るんだ。それがパンクなんだ」と、その出会いからこの言葉を大切に、人に迷惑をかけなければ撮りたいものをとって良いんだと、写真を撮り続けているハービーさん。
そして今回リリースする「フォトグラファーズバッグ」の一番大切なところに、そのメッセージを刻み込ませていただきました。
裏地にはハービーさんが1981年にロンドンで撮影した作品「Dancing flag London 1981」を使わせていただきました。チャールズ皇太子とダイアナ妃のご成婚を記念したロンドントラファルガースクエアでの光景で、人々の喜びで世界中が一つになったことが伝わる1枚の写真です。今回のカメラバッグ制作のプロジェクトで、この作品をセレクトすることで、平和を象徴とする記念日にユニオンジャックが踊る様にバッグを包み込むイメージを表現しています。
裏地の制作には、1,677万色のデータを生地に繊細にプリントできる特別なシステム(セーレン社・ビスコテックス)を採用し、元の写真データを忠実にプリントしました。
また、デジタルカメラを収納することを想定して、内装の全ての資材には生地やテープ類、面ファスナーに至るまで静電気を発生させないナイロン素材をセレクトしています。
バッグ裏地「Dancing flag London 1981」アートプリントは限定150個分をプリント予定です。
万が一、このプロジェクトで150個売り切れた場合はその時点で完売とさせていただきます。
本体に使用するホースハイドをベルト表面に、ベルト裏面にはコシがあるフルベジタブルタンニンホースハイドを使用しています。さらに2つのレザーの間に芯材を入れることで、ベルト剛性を高めることと同時に、伸び防止の効果を施しました。
バックルとギボシの2点でベルトを留め荷重を分散させることでさらにベルトを丈夫に固定しています。
カメラを入れたとき(荷物が重くなっても)、肩がけ、たすき掛けいずれでもストレス無くバッグを身につけられるようなベルトを目指しています。
バックルは本来の生地の風合いを残した鋳物の真鍮製、ギボシは削り出しの真鍮製。一つづつ職人の手によって作られます。(真鍮金具の変色を防ぐため、表面にトップコートを施しています)。
バッグ本体とインナーボックスの収納の詳細バッグ背面に1つ、内装の正面と背面に2つのオープンポケットを装備しました。
これらのポケットにはファスナーやホックを使っていません。シンプルで出し入れがしやすい、自由度の高い仕様にすることで、故障しにくく長く使い続けられる仕様を考えました。
バッグとインナーボックスには、それぞれ前後と左右にポケットを配して、組み合わせることで4方向の収納が可能に。内装やインナーボックスの仕様を設計しトータルデザインをすることで使い勝手を重視。
ショルダーベルトをバッグの底から持ち上げるように取り付けることで、付け根部分に荷重が集中することなく、バッグ全体で負荷を受け止める構造を考えました。重みでバッグ本体がいびつに変形することもなく、整った状態を保ちます。
また、サイドとボトム部に手を入れることで、たぐり寄せたり持ち上げたりするなど、使い勝手も向上します。
凝ったディテールを要するフォトグラファーズバッグを完成するまでには、複雑で様々な工程を経ていく必要があります。それぞれの工程を、得意とするプロフェッショナルな職人たちに関わっていただくことで、デザインやコンセプトを忠実に実現することが可能となりました。
以下では、今回のバッグについてメイド・イン・ジャパンでのものづくりの様子の一部を紹介します。
レンズピローケースのディテール付属するピローケースは、カメラを収納した時にレンズ下にできるスペースに枕として使える便利品。
バッテリーやメディアが収納できるケースとして設計されていますが、フィルムをクルリと巻き閉めることもできます。
デジタルとフィルムの両方のスタイルでご活用いただけます。
妥協なきものづくりが実現する、メイド・イン・ジャパンによる製作工程レザーは生き物、扱うには経験値とノウハウが必要で、常に想定外のことが付きまといます。
フォトグラファーズバッグに使用するメインのレザーは、しなやかさを持つホースハイドをチョイス。上の写真のように、今回のバッグのサンプル製作時では5枚のホースハイドを調達して検証するのですが、レザーの質感は個体別、ロットごとに風合いや感触が微妙に異なります。
サンプルを製作するたびにバッグ全体の風合いや巾着の開閉部分などのアクションやディテールを、革屋さんや職人さんと打ち合わせながら、ベストなレザーを探す作業を繰り返しました。
フォトグラファーズバッグを、なるべくカジュアルに使ってもらいたいという願いから、超高密度コットン織物「MASTER SHIELD」のカーキ、ブラック、ホワイトの3カラーとホースハイドのコンビネーションとなるラインナップを追加しています。
その特別な超高密織物コットン生地「MASTER SHIELD」は、水を通さない機能だけではなく染料にもこだわっています。
通常であればコットンは色褪せしやすい生地ですが、このコットン生地の耐光堅牢度は4-5級(5級が最高位)、綿製品の欠点である褪色のリスクを最高レベルの技術で最小限に抑えています。
すなわちこの生地ならばファッションとしても、状態を綺麗にキープしながらより末長く使っていけることができると判断しました。
フルホースハイドのバッグはプレミアム感が溢れる質感ですが、こちらのコットンを使ったバッグはより軽く、さらりとした手ざわりになりました。
※カーキは横糸にオレンジ色がかかっており見る角度によって変化します。※ブラックと生成りは変化しません
フォトグラファーズバッグはシンプルな外観でありながら複雑な生産工程を必要とするため、信頼のおける熟練の縫製職人に依頼して製作しています。
どうしても時間と手間がかかってしまうため、少量生産で少しづつ生産していく予定です。
幾度に渡るサンプリングとフィールドテスト、そして出会えた方々からの貴重なコメント今回の製作過程においてサンプルバッグをハービーさんにフィールドテストをしていただき、様々な意見や感じたことを伝えていただき、次のサンプルにフィードバッグしています。そしてご自身の写真展で来場者の意見も聞いてみませんか?と、ご提案いただき、写真好きな方々のアイデアを聞かせていただくこともできました。
写真展ではご自身が来場者に声をかけ、時に来場者同士を引き合わせるシーンが多くあります。会場は優しい空気感で溢れていて、ハービーさんの写真がなぜ優しさに溢れているか、その理由を感じることができます。このフォトグラファーズバッグにおいても、その優しいマジックで多くの方とお話させていただけたことから、デザインが現在の完成形になっていったと感じています。
フォトグラファーズバッグ製品情報この製品には2つの素材違いのラインナップがあります。
Aタイプはフルホースハイドレザー仕様、ブラック1色のみ。
Bタイプはコットン×ホースハイドレザー仕様、カラー展開がブラック、カーキ、ホワイトの3色になります。
ABの大きな違いは本体ボディーの素材感のみで、その他の仕様や裏地やインナーボックスの仕様は共通です。
ハービーさんは、高級感を感じることができる“オールホースハイドレザー”と、“コットン×ホースハイドレザーカーキ”がお気に入り。「カーキはどこかロンドンを感じることができるような生地感が気に入っています。」
製品情報
◯サイズ:H275×W215×D135mm
◯インナーボックスサイズ:H195×W145×D110mm
◯ショルダーベルト:最短85〜最長132cm
◯重量:590g(Aタイプ:フルホースハイドレザー)530g(Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー)
◯バッグ素材:
ホースハイドレザー/ナイロン(Aタイプ:フルホースハイドレザー)、
コットン/ホースハイドレザー/ナイロン(Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー)
◯インナーボックス素材:ナイロン
◯カラー:
ブラック(Aタイプ:フルホースハイドレザー)
ブラック、カーキ、ホワイト(Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー)
◯プロジェクトの販売価格
初回生産プライス 各15本限定
Aタイプ:フルホースハイドレザー/57,400円税込 (52,182円税抜)
Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー/52,450円税込 (47,682円税抜)
kibidangoプライス
Aタイプ:フルホースハイドレザー/59,400円税込(54,000円税抜)
Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー/54,450円税込(49,500税抜)
◯プロジェクト後の一般販売価格
Aタイプ:フルホースハイドレザー/65,450円税込(59,500円税抜)
Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー/59,950円税込(54,500円税抜)
※予定価格になります。
※タイプによっては、一般販売をしない場合もあります。
ホースハイドレザーのデメリット。購入前にご理解いただきたい素材特性「ホースハイドレザー」は成馬革のことを表します。馬は運動量が他の動物より多いため、生涯の様々な生きた証が肌に残されます。血管筋、引っ掻き傷、治り傷、虫食い傷、病気痕など、内容は様々。
フォトグラファーズバッグは、品質として相応しくない箇所は避けて裁断していますが、天然の風合いとして、生きた証は入れたままにしています。今回、ご支援いただく際には、素材の特性をご理解の上、お求めください。
本プロジェクトのスタートについて&ご挨拶最後まで見ていただきありがとうございます。
フォローして頂いた方には、プロジェクトの活動報告をいち早くお届けいたします。このバッグをデザインするDOUBLE O DESIGNBOOKのインスタグラムアカウント@do_designbookや、ツイッターアカウント@DDesignbookではこちらに掲載できなかった情報や写真をUPしていきます。
このフォトグラファーズバッグは私の念願の企画でした。
かつて私もロンドンのパンクムーヴメントに影響を受けた音楽性のバンドで活動していたこともあり、ハービーさんの写真家活動、そしてその作品に存在するアーティスト達に間接的ではありますが製品製作として関われたように感じ、心より嬉しく思っています。
この企画をサポートしてくれた人達に、そして多大なるご協力をしていただいたハービーさんに感謝を伝える意味でもこのプロジェクトを成功させたいと思います。
皆様のご支援をお待ちしております!
■特定商取引法に基づく表記
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目標は ¥500,000 に設定されています。
プロジェクトは 2022/06/24 に達成し、2022/08/18に募集を終了しました。
【早割】 Bタイプ:コットン(ブラック)×ホースハイドレザー(ブラック) [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年9月中のお届け予定。
サポーター数 2 | 数量限定あと 13
【早割】 Bタイプ:コットン(カーキ)×ホースハイドレザー(ブラック) [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年9月中のお届け予定。
サポーター数 3 | 数量限定あと 12
【早割】 Bタイプ:コットン(ホワイト)×ホースハイドレザー(ブラック) [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年9月中のお届け予定。
サポーター数 1 | 数量限定あと 14
【Kibidango限定価格】Bタイプ:コットン×ホースハイドレザー [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年11月中のお届け予定。
サポーター数 3 | 数量限定あと 42
【Kibidango限定価格】Aタイプ:フルホースハイドレザー(ブラック) [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年11月中のお届け予定。
サポーター数 6 | 数量限定あと 39
【早割】 Aタイプ:フルホースハイドレザー(ブラック) [送料・税込み]
お届け・提供予定時期
2022年9月中のお届け予定。
サポーター数 15 | 数量限定あと 0
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