工場監査レポート
製造を委託している工場を監査しましたのでレポートいたします!
監査のチェックポイントは4点です。
①誠実さ
②こだわり
③衛生的な環境で作られているか
④トレースが取れる管理方法か
これま製造を委託しているメーカーとはサンプル依頼や今後のスケジュールなど、メールや電話、zoom商談を重ねてきましたが、それだけでは見えない部分も多くありますので実際に製造現場を訪問しました。
監査では作っている人と対話することや工場内に入ることで適切な環境で作られた安心安全な商品であるかを確認いたします。
工場内の写真も撮らせていただきましたが、社外秘の内容もあるため大部分はテキストでまとめさせてただきます。
京都で前泊し、6時間かけて大阪へ向かいました!
監査項目|誠実さ
加工品において消費者が商品の品質を判断できる情報源は食品表示のみです。一時期話題になった一流ホテルの食品偽装。消費者がわからないことを逆手にとれば、偽造はいくらでもおこなえます。
だからこそ、食品に関わる事業者は常に、誠実であり、安全・安心な食品を提供することが求められます。
誠実さを体現することは難しいですが、今回商談や監査を通して3つの観点から誠実であると判断いたしました。
①調理のてまひま
製造工程を一から拝見しましたが、火加減や調理手順など素材の味がいきるよう工夫されておられました。実際会話の中でも「この調理法の方が素材がいきる」「この味付けを工夫することで味が締まる」「大企業ではやれない手間暇をウチではおこなえる」などおいしさに対して貪欲な姿勢が見られました。
②傾聴
商談時こちらの要望に対して常に耳を傾け、「このような調理工程にしたらどうか」「この調味料がおすすめ」など要望に沿った提案をしてくださいました。料理長という立場でありながら、その立場をひけらかすことなく、傾聴して下さる姿勢からは誠実さを感じました。
このような姿勢から意見が伝えやすく、支援者様の顔を想像しながらよりよい商品を開発することができます。
③挨拶
工場内に入った際、働いている方が自らにこやかに挨拶してくださいました。その雰囲気の良さから、トップだけでなく働いているひとりひとりの誠実さも実感いたしました。
※食品会社において5Sの徹底は基本ですが、挨拶は教育の部分で養われます。現職で工場監査をおこないますが、働いている従業員が自ら挨拶をおこなう工場は、会社自体の雰囲気がよく、不具合の発生率も低い傾向にあると感じています。
監査項目|こだわり
こちらのメーカーの最大の強みは調理技術です。HPからは日本料理の技術に長けていることがうかがえましたが、今回の訪問で、実際にどれだけ修行をされ技術を磨いてきたのかがよく理解できました。
料理長は日本料理店で長年修行をされ、現在は大阪高槻で料亭をされております。その技術を活かし、加圧加熱殺菌後でも素材の良さを活かした商品づくりを行います。例えば野菜は種類によって火の入り方が異なりますが、多くのレトルト加工品はそのまま商品化をおこないます。しかしこちらでは別々に下処理することで素材の食感や味わいを活かして商品を完成させます。また、加圧加熱殺菌は料理の味に影響を与えますが、それらの影響を考慮した味付けをおこなうことで加圧加熱しても美味しい逸品に仕上がります。想像通りの味にならなければ、それまでの経験と知識を組み合わせ再設計を行います。これらは熟練された技があってなされることで、商品のおいしさはこれらの技から生まれています。
料亭で提供しているランチ:季節の食材が使用された松花堂弁当
お客様の顔が見えるからこそ食品・調理に対する向き合い方も誠実
一般的な食品工場は家業として伝統的に商品製造している事業者と、工場として整備された環境で規格化されたオペレーションを遵守している事業者に大別され、今回委託したような料亭をおこなう傍らで、食物販をされる事業者は大変希少です。
多くのメーカーの工場で従事している人は食べる人の顔を直接見ることは少ないですが、委託先のような事業者ではお客様と日常的に顔を合わせます。リアルに食べる人を想像しながら料理を完成させるため、調理への手間暇を惜しみません。そういった姿勢が今回委託して作っていただいた商品にも表れており、最終的なおいしさのために何度も試作を繰り返してくださっており、納得のいくおいしさに仕上がっております。
監査項目|衛生
工場(厨房)内はHACCPの考え方を取り入れた衛生管理がなされておられます。手洗いマニュアルの設置、二重扉・陽圧扉による防虫対策、靴の消毒など、物販を扱うにあたり必要とされる対応がなされておりました。所感としましても、整理整頓が徹底されており綺麗な印象を受け、安心安全な作業場であると判断できました。
靴履き替え後の除菌水
監査項目|トレースの取れる管理方法
食品事故等問題があったときに、食品の移動ルートを書類等で特定し、遡及・追跡して、原因究明や商品回収等を円滑に行えるようにする仕組みをトレーサビリティと言います。食品をトレースするために。食品の移動ルートを把握できるよう、生産、加工、流通等の各段階で入荷と出荷に関する記録等を作成・保存しておくことが必要となります。
委託先では商品1つ1つにロット番号を設け、記録することで仮に食品事故が起きた場合に、いつ製造されたどの商品なのかを特定することができ、被害の拡大を防ぐことができます。
零細事業者では衛生に関する考え方が行き届いていないところもありますが、今回委託する事業者様は管理の部分も徹底されておりました。
管理書類
まとめ
委託先の事業者は食品・調理・食べる人に対し誠実に向き合っておられ、製造場所も衛生的に保たれ、トレースの取れる管理方法をおこなっていることから安全に商品を製造していることが判断できました。
以上のことから商品は高品質で安心安全であることを保証します。
すでに支援いただいた皆様は楽しみにお待ちいただき、まだ支援されていない悩まれている皆様は品質に関してはご安心いただき納得の上ご支援いただけますと幸いです。
引き続き宜しくお願いいたします!