まるまどの小松洋一です。今回は、道の駅でのパン製造と販売についてご紹介します。
大三島には道の駅が2つあります。しまなみ海道大三島ICを降りてすぐの「多々羅しまなみ公園」と、観光名所「大山祇神社」の近くある道の駅「御島」です。
後者の「御島」で2016年6月からみかん酵母パンの製造と販売をしてまして、かれこれ1年と2ヶ月が経過しました。この御島には島民が使える「菓子製造業の許可を取った加工室」があるのです。
加工室には、ガスオーブン、発酵機、ミキサー、大型冷蔵庫、作業台と、製パンに必要な大型機械は全て揃っています。新品で全部揃えたら400万円くらいする機材です。これだけ揃って1日の使用料はなんと500円!!(道の駅で販売する時には、別途手数料が掛かります)。
はじめは、こんな機材が使えるなんて夢のようだと思ってました。
ただし、ガスオーブンに関しては、「コンベクションオーブン」というタイプのオーブンが入ってまして、ファンで送風して窯全体の温度を均質に保つので、長時間焼くと生地が乾燥して固くなってしまいます。
さらに、下火、上火の調整ができず、どうしてもパンの上部分に熱が当たるので、パンの下部分が割れてしまって、不格好なパンになるという事態にこのオーブンを使いはじめた当初は直面しました。
そこで、下火を強くするために耐火煉瓦をオーブンに敷き詰めて焼くという手法で現在はパンを焼いています。
オーブンをまず250度で30分以上温めまして、耐火煉瓦に蓄熱させます。そして、スイッチを切って、パンを投入し、10分程度、耐火煉瓦の予熱でまずは焼くのです。その後、パンの大きさに応じて200度で25分〜35分パンを焼いていきます。
こうすると、窯の中で、生地が上に伸びて、見た目もよく、美味しく焼き上がります。
パン屋を開業するに当たっては、上火、下火の設定ができるオーブンなので、こういう手間は掛からないのですが、工夫をすれば、ハードパンに適していないオーブンでも美味しく、綺麗にパンをやくことができるのです。(私のパンの見た目は、まだ55点!って感じですけど)
道の駅にある大型機材は、開業前の私にとって、ものすごいよい練習になっていますし、実際に導入する機材の大きさを考える上でも参考にしています。
家で使っているミキサーは、最大で生地1.5kg位しか捏ねられません。道の駅にあるミキサーは、最大で10kgです。どれくらいの量までは捏ねられるのか?時間は?速度は?温度は?ドライフルーツを入れたらどれくらいの時間?と、ミキシングひとつとっても毎回学ぶことが多いです。
小さなミキサーだったら、こんなにドライフルーツが入った生地↑は均質に混ざらないですから。
ちなみに、上の写真は「白いちじくのパン」のミキシング前の写真です。私のパンは結構しっかりとドライフルーツが入ってます。種類によって生地に対して20〜25%くらい。
オーガニックにこだわっているので、どうしても原価は上がってしまいます。こういう材料使うのはこちらのエゴなので、原価率は高く設定して販売してます。オーガニックのドライフルーツの値段を知っている方は皆「安いね〜」と言います。知らない方には、ちょっと高く感じるようですが。。。難しいところです。
道の駅で作ったパンには、消しゴムで作った"パン"のハンコを押したタグをつけて販売してます。紐も、1つ1つ手で結んでおります。
パンも一期一会ですので、パッケージも含めて丁寧に手作りすることを心がけています。
販売日の朝8時30分頃までに、道の駅にパンを並べまして、あとはお客さまがパンを手に取ってくださるのを待つばかり。私達は店頭には立たないので、売れているのかいつもドキドキです。
お陰さまで、過去に何度か2-3個余らせただけで、毎回ほぼ完売させて頂いてます。
雑誌の取材にも来て頂きまして、広島を代表するローカル雑誌WINKさんに、福山編、広島編で2回も掲載いただきました。
それから、愛媛を代表する雑誌「愛媛こまち」では、2ページに渡ってご紹介頂きました。
2つの雑誌とも「幻のパン」と紹介してくださってます。まあ幻と言われても仕方ない程、販売頻度が低いので申し訳ないですが、中身は何であれ「幻のパン」と言っていただけると嬉しいですね、笑。
来年4月にパン屋を開業したら大人気すぎて手に入らず「幻」と言われるように頑張ります!
ちなみに明日8月12日(土)は、8月で唯一のみかん酵母パン販売日です。
近くにお住まいの皆さまはぜひ「幻のパン」をお手に取っていただければ幸いです。