10月26日(日)に開催されたTOKYO DESIGNERS WEEK スーパーロボット展の特別イベント「ロボットフォーラム」に登壇させて頂きました。今回はその発表内容を報告したいと思います!
ロボットフォーラムの情報は
こちら。
ロボットフォーラムは終わってしまいましたが、TOKYO DESIGNERS WEEKとスーパーロボット展は11月3日(月)まで開催されています。まだ行かれていない方は、handiiiと他のロボットたちを見に、ぜひぜひ会場に足を運んでみて下さい!
こちらがロボットフォーラムのステージの様子です。写真は
未来予報研究会さんよりご提供頂きました!前半5分は代表の近藤からhandiiiのコンセプトを紹介をし、後半5分は実際にhandiiiのデモをさせて頂きました。
それでは当日使ったスライドに沿って、handiiiのデザインに込められた思いを紹介させて頂きます。
筋電義手とは、手を失われた方々が腕に残された筋肉の信号を介して直感的に操作できる義手のことです。技術自体は昔からあり、古いものだと、なんと戦前に旧ソ連で開発されていたという記録もあります。しかし、まだまだ課題が残されています。
一番の課題は価格です。市販の筋電義手は150万円以上もする高級品です。そのため、運良く助成金が支給される方かお金持ちの方しか使うことができず、普及率はたったの1.65%です。もう一つ大きな課題だと考えているのがデザインです。既存の筋電義手は「手がないことを隠す」ことに主眼が置かれているため、人肌に似せたデザインのものしか存在しません。
handiiiは、3Dプリンタやスマホを活用して、これらの課題を解決しようとしています。
handiiiのコンセプトは「気軽な選択肢」です。スニーカーや腕時計のように、使う人が目的や場面に応じて気軽に使い分けられる義手をつくりたいと考えています。
handiiiは義手業界のSWATCHになりたいと考えています。SWATCHは1983年に登場したカジュアルな腕時計ブランドです。それまで市場を席巻していた日本製クオーツ式時計から市場を奪い返すべく、SWATCHはプラスチック加工技術に注力しました。部品の数を半減させ、一方で、多種多様の個性的なデザインを展開しました。その結果、ユーザーの選択肢が爆発的に増え、SWATCHは今も世界中から人気を集めています。
handiiiはSWATCHのように、義手ユーザーの選択肢を広げることを目指しています。既にメインの義手を持っている人にはセカンダリの義手として、これまで義手を使っていなかった人には気軽なエントリーモデルとして、そして、成長期の子供にはサイズが変わる度に気軽に作り替えられる義手として提供していきたいです。
「マイナスをプラスに変える」ということもhandiiiの大切なコンセプトです。
義手のような福祉機器は、マイナスの状態にある障害者をゼロに近づけるためのものとして捉えられがちですが、そうではなく、義手ならではプラスの価値を打ち出していきたいです。例えば、handiiiの指部分を簡単に交換できるようにして、作業を行うときはグリップ性の高いものに、外出するときはファッション性の高いものに替えられるようにすれば、ユーザーの可能性は広がるのではないでしょうか。また、指先にSuicaやマイクなどのICチップを埋めるなど義手ならではの機能を加えることで、健常者と呼ばれる人たちが逆にうらやましいと思う義手にしていければなと考えています。
現在は実用化に向けてユーザーの方々と一緒に開発を進めています。
そのうちの一人が
Beauty and Snowさんです。(ロボットフォーラム当日も会場にお越しいただきました!)彼女は歌手としてご活躍されています。それでも、彼女は表現に大きな制約を受けていると感じています。なぜなら、生まれつき右手が手首までしかないため、手を振ったり、力いっぱい手を開いたりなどのジェスチャーを使った表現ができないからです。
近い将来、handiiiを使って思いのままに歌える日を目指して開発に参加して頂いています。
このようにhandiiiは「気軽な選択肢」として、手がないことを隠すのではなくて個性を表現するための義手となることを目指しています!