広尾学園は、麻布に位置する中高一貫型の共学校です。近年iPS細胞の研究を行う授業を取り入れるなど、その先進的な取組みが様々な教育機関から注目を集めている学校の一つです。
この広尾学園の中高生15名と一緒に、巨大な紙ヒコーキを作成するワークショップを行いました。(動画は
コチラ)
ルールは簡単。
縦もしくは横の長さが1mを超える大きな紙ヒコーキを作成すること。
材料となる模造紙や竹ひご、発泡スチロール板などをつかってどのチームが一番良く飛ぶ紙ヒコーキを作成できるかを競います。
まるで鳥人間コンテストのようですね(笑)
この授業、ただ紙ヒコーキを作って遊んでいるわけではありません。
CURIO SCHOOLがテーマとする、デザイン思考(詳しくは
コチラ)の考え方の中に、「
Build to Thnik」という考え方があります。
Build to thinkとは、アイディアを考えたら目に見える形に落とし込み、形にしたプロトタイプをテストして、何度もトライ&エラーしながら改善していこうとするアプローチです。
この考え方で取り組むと、上手くいかないポイントを早めに修正できたり、手に触れて考えることを通してもっと良いアイディアを考えることが出来るため、結果的にアイディアを頭の中だけで創りあげていくよりも、良いものをつくることができます。
この巨大紙ヒコーキ作りは、デザイン思考の「Build to Think」の要素に特化した学びを提供しています。
この考え方を肌身に感じて、実行してもらうために、授業では巨大な紙ヒコーキをつくる前に2つの取組みを行いました。
一つはまず、ペーパータワーと呼ばれるミニゲームをチームで行います。
これは20枚ほどの紙だけを使って、できるだけ高い塔を建て、この塔の高さをチーム毎で競っていきます。
高いタワーを建てるためには話し合うだけではなく、実際に手を動かしてつくっていかないと進みません。そしてタワーを建てるなかで、思ったよりも紙はしっかりと折り目をつけたほうがいい、とか紙でつくった柱と柱の設置面がバランスを崩すから、切り込みを入れて安定するようにしよう!などなどたくさんの改善策が出てきます。
ミニゲームをするなかで、上手く何かをつくるためには、色々な施策やアイディアを実際の形にしながら試し、つくって壊しながら進めていくのが一番良い方法であることを理解できるようになります。
その次に、大きな紙ヒコーキをつくる手始めとして、まず普通の大きさの紙ヒコーキをつくります。
紙ヒコーキをより遠くまで飛ばすためには、羽の大きさ、機体の大きさなど、どのような要素が重要なのかを大きな紙ヒコーキをつくる前に、小さなヒコーキで理解します。
そして最後に巨大な紙ヒコーキを作成します。
アイディアを形にして、より良いものをつくっていく考え方を身につけたあとだからこそ、かなり
斬新で
独創的な巨大紙ヒコーキのアイディアもたくさん出てきました(ぜひ
動画をご覧ください!)
何か新しいものをつくる時には、まず形あるものをつくり、それを何回も試してみることで、アイディアは改善を繰り返し、段々と良いものになっていきます。
この紙ヒコーキづくりのワークショップでは、一見遊びにも見えるワークの中に学びを取り入れることによって、その学びが自然と生徒達の中に身に付いていきます。
何度もトライ&エラーを繰り返しながら、今まで作ったことのないほどの大きな紙ヒコーキを作成した経験は、将来何か新しいものをつくるとき、考えるときにきっと役立つに違いありません。
遊びながら大切なマインドが身に付いていく、そんな巨大紙ヒコーキづくりのワークショップでした。