■プロジェクトの背景今から10年後には現在の仕事(職業)の約半分が、人間に取って代わりコンピューターが行うことを皆さんはご存知でしょうか? オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した「雇用の未来(The future of employment: How susceptible are jobs to computerization?)」では、簡単な手作業や大量のデータを分析する作業などはコンピューターが行う未来が示され、例えば飲食店の接客員や銀行の融資担当などがコンピューターに換わることが示されています。 現在、小学6年生である子どもは、10年後には22歳となります。そのときに何か仕事を見つけようと思っても現在の半分の仕事しか存在しないため、なかなか仕事が見つからないという事態が予測されます。正社員はもちろん、アルバイトですらコンピューターが人に取って換わっているため、日々の生活費を稼ぐことすら難しいかもしれません。 コンピューターを管理するために必要なのは、少数のオペレーターだけ… しかし、どうしてもコンピューターでは出来ない専門的なスキルを持つ人材や、ゼロからイチを生み出すようなクリエイティブな人材が、きっと必要とされると私は考えます。 申し遅れました。皆様はじめまして、西山恵太と申します。 大学院時代に、デザイン思考を活用した製品開発プロジェクト、“スタンフォード大学ME310プロジェクト”に従事した後、シンクタンクで勤務しながら、2012年より、子ども向けにデザイン思考をベースとしたワークショップを企画・実施してきました。 先ほどのお話はあくまで推測の話です。しかし半分とはいかないまでも、現在よりもさらに仕事がコンピューターやロボットに置き換わることは間違いありません。 このような時代に成人を迎える子どもたちが生き抜くためには、コンピューターでは対応できない役割を担う準備、つまりは“創造力”を育むことが必要と考えるのです。 そこで私たちは、子どもたちの知的好奇心を刺激しながら創造力を育む、 プロジェクト学習型アフタースクール“CURIO SCHOOL(キュリオスクール)” を今春の開校に向け準備を進めています。 これからの社会で生き抜くために必要な力とは何でしょうか。私たちは主に下記の3つの力だと思っています。 そしてこの3つの力を合わせて創造力と捉えています。①知的好奇心②コラボレーション力③問題発見・問題解決力①の知的好奇心ですが、これは大人になっても新しいことや1つのことに対して学び続けるために必要であると考えています。 例えば、今から10年前を思い返してみてください。2005年当時、iPhoneは存在しておらず、現在ほどプログラマーは存在していませんでした。 しかし現在はプログラミングが文系・理系問わず必要となってきており、小学生でもプログラミングを学習する機会が増えてきています。 このようにたった10年で必要とされるスキルや分野が変化します。そのため、これからの社会では様々な分野に対して学び続けることが求められます。これは横に広がる知的好奇心です。 一方、この10年間を振り返ると、例えばAppleの創業者であるスティーブ・ジョブスやFacebookを創業したマーク・ザッカーバーグのように、ある種のオタク的な要素を持ち合わせた人々が社会的インパクトを残しています。 スティーブ・ジョブスはそのデザインに対する異常なこだわりを、マーク・ザッカーバーグは類まれなるハッカーとしてオタク的な要素を持ち合わせています。 このように1つのことに特化して探求する力は縦に広がる知的好奇心と言えます。この横と縦の知的好奇心を育むことで、どのような社会であっても価値を発揮することができる人になれると考えています。 ②のコラボレーションする力ですが、これは新しいものを生み出すために必要な力だと考えています。10年後の社会では、さらなるグローバル化によって文化や習慣が異なる人や、さきほどのオタク的要素を持ち合わせた人と接する機会が増えます。 そのときに、相手の得意なところを引き出し、自分の得意なところと掛け算すること(=コラボレーションすること)で、今までになかった新しいものが生まれます。 10年後の社会では、今までになかったものを創りだすことに価値があるため、このコラボレーションする力が必要だと考えています。 ③の問題発見・問題解決力ですが、これは「あらまほしき姿」(そうあってほしい姿)を描くこと、そしてそのためにどうしたらよいかということを考え、実行する力です。これまでの社会は、問題がわかりやすかったため、問題解決力が重視されていました。 例えば、戦後の日本では「もっと簡単にしたい」「もっと美味しいものを食べたい」「もっと快適に過ごしたい」といったことに対して、洗濯機や冷蔵庫、エアコンといった物を作れば売れる時代でした。 そのため、どうすればもっとたくさん物を作れるか、どうすればもっと効率よく作れるか、といった問題解決を行うことで生活をすることが出来ました。 しかし、現在も含めてこれからの社会では「そもそも何が問題かが分からない」という社会となります。既に物は溢れており、スマートフォンのアプリで何でも出来てしまい、注文すれば翌日になんでも届く、といった快適な社会となっているため、「そもそも何を創れば良いかわからない」ということになってしまいます。 そこで考えなければならないことは、理想とする社会はどういった社会であるかという「あらまほしき姿」を描き、現実とのギャップから問題を発見していくことです。 そのため、このあらまほしき姿を描くこと、すなわち問題発見力がこれからの社会における価値となります。そしてその問題を解決するための力も価値となります。■3つの力とデザイン思考 過去に実施した小学生向けのワークショップでは、小学校4年生の男の子が京都の禅寺にある日本庭園のなかにあった白い石に触れた時に、「この白い石はどこから来たのだろうか?」と疑問に思い、実際に文献やインターネット、石の専門家に話を聞きながらこの石の由来を調べました。すると、京都の東山の山頂附近にある石から来ていることが分かり、このことから彼は石に強い興味を抱くようになりました。
コラボレーション力は一人で物事を進めていく中では育まれず、グループで物事を進めていく中で育まれる力です。デザイン思考は1人でも出来るプロセスですが、Curio Schoolではこのデザイン思考をグループで行うことを通じて、コラボレーション力を育みます。
また問題発見・問題解決力を育むためには、物事を深く理解することや色々な視点で捉えることが大切となります。デザイン思考では物事をしっかりと観察(理解)することを通じて問題を発見し、アイデアを考えてやってみることを通じて問題を解決していくことが出来ます。 過去に中高一貫校で私が実施したワークショップでは、中学生の女の子が学校の近くにある商店街についてフィールドワークを行い、道行く人にインタビューを行ったところ、通行者は狭い道路に路上駐車がたくさんあることに不満を抱いていることが分かりました。
そこで彼女は「自動車が商店街を通り抜けることを禁止するルール」を考えたのですが、商店街の店主にインタビューを行ったときに「自動車が通れないと、お店の売り物が運べないから困る」という意見を聞きました。
そこで彼女は、単純に通行者の問題を解決するだけでは不十分であり、店主も含めて商店街全体にとって良くなる解決策を考えないといけないことを理解し、新たなアイデアとして「時間帯によって自動車の通行を制限する」というルールを考えました。このワークショップを通じて彼女は商店街を多角的に捉え、その上で解決策を出すということを行いました。
私たちはこの3つの力を育むためにCurio Schoolを開校しようと思っています。そしてCurio Schoolを開校する理由は2つあります。
①単発ワークショップの限界②The Nueva Schoolとの出会い①についてですが、数時間のワークショップではデザイン思考は身につかず、ある程度時間をかけなければ身につかないということが分かったからです。 この2~3年間、私はコンサルタントを行いながら課外活動として小学生や中高生に対してワークショップを実施してきました。しかし、ワークショップの瞬間は楽しく、子どもたちも普段の授業や思考の枠から外れて創造力を発揮するのですが、ワークショップが終われば日常生活にもどり、普段の授業が始まるため、せっかく興味を抱いたことがあったにも関わらず、それを探求していくことが出来ない子どもが多くいることを痛感しました。 そのため、こういったデザイン思考をベースとしたワークショップを定期的に行う場をつくらなければいけないと思うようになりました。 ②についてですが、”The Nueva School(ヌエーバスクール)”というシリコンバレーで最も創造力を育むことに成果を出している学校で14年間教員をしていた川崎先生と出会ったことです。 漠然と「デザイン思考をベースとしたワークショップを子どもたちに提供する場所を創りたいなぁ」と思っていたところ、共通の知り合いを経由して川崎先生と出会い、Nuevaの存在を知りました。 Nuevaではスタンフォード大学の教育機関がデザイン思考をベースとした授業を提供しており、私が考えていた理想の場所として機能していました。そして川崎先生は日本の教育環境をNuevaの経験を生かしてなんとかしたい、と考えていたため、私と一緒になって日本におけるNueva Schoolのようなスクールを立ち上げることを決意しました。 2015年4月に千駄ヶ谷にてCurio Schoolは開校します。
Curio Schoolは現在ではなく、10年後の未来を見据えた教育を行っていきたいと思っています。皆様のご支援よろしくお願い致します。 ■ファシリテーターについてCurio Schoolの主要なファシリテーターは下記のとおりです。代表・ファシリテーター 西山 恵太 京都工芸繊維大学にて製品デザインを専攻し、その後京都大学経営管理大学院に進学。その際にスタンフォード大学ME310プロジェクト(デザイン思考を活用した製品開発プロジェクト)に従事。2011年に株式会社野村総合研究所に経営コンサルタントとしてデザイン思考をベースとした新規事業開発支援や新製品・サービス開発支援、官公庁の政策調査・実行支援プロジェクトに従事しながら、課外活動として、2012年より子ども向けにデザイン思考をベースとしたワークショップを10本以上企画・実施。2014年は広尾学園にて土曜特別講座(「社会を変えるためのアイデアを生み出すデザイン思考講座」)の講師を務める。
共同設立者・ファシリテーター 川崎 由起子 同志社大学を卒業後日本語教授法の修士課程を取得し、アメリカ・シリコンバレーのgifted-talented school, The Nueva Schoolにて人文学とのコラボ、交換留学、日本への研修旅行を含めたの日本語総合カリキュラムを設立し14年間運営する。現在はNueva Schoolの日本語プログラムの監修をしつつ日本の教育に貢献するための活動中であり、2015年度中に帰国予定しており、ファシリテーターとして就任予定。
ファシリテーター 染谷 優作 東京理科大学工学部を卒業後(株)日立製作所入社。電子黒板機能付きプロジェクターなど、世界50カ国以上の教育機関向けICT機器の設計開発及び商品企画に従事。10件に及ぶ特許出願や社内新事業プロジェクトリーダーを務める。0→1の世に無いモノ作りの楽しさや難しさを経験する。一方、教育現場や子供を取り巻く環境の教育課題も目の当たりにし、2014年に独立。先生向けSNS SENSEI NOTEの立上げ支援や、ISAK、ADDSといった様々な教育事業を展開する法人のコンテンツ企画制作・マーケティング支援を横断的に行う。京都造形芸術大学非常勤講師(マーケティング論)。
ファシリテーター 田島 瑞希 慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、株式会社NTTデータ経営研究所に入社。 マーケティング調査、官公庁向けの調査案件に携わったのち、株式会社NTTデータと株式会社野村総合研究所の共同イベントである「ITと新社会デザインフォーラム」の検討に参画。そこでのキーテーマとなったデザイン思考と出会う。現在は国内大手企業向けにデザイン思考を活用した新規事業創出、新規サービス創出のコンサルティングを実施。 業務と並行して、「ITと新社会デザインフォーラム」をきっかけに立ち上がった、大学生による社会課題発見解決型の合宿イベント「日本を創り継ぐプロジェクト」の企画・運営に参画。
ファシリテーター 岩本 美咲 東京大学教養学部4年に在籍。文化人類学専攻。 高校2年のときにカナダに一年間留学。留学中は英語劇団に入り演技や、地域のボランティア活動を行う。大学ではニュージーランドに半年間留学し、各国の留学生とのディスカッションなど課外活動を行いながら、国際関係、国際文化に関して幅広く学ぶ。 高校留学中、多種多様なバックグラウンドをもつ人々とのディスカッションや交流を通して日本と海外の教育スタイルの違いに驚き、日本における一方的な学校教育に対して問題意識をもつ。それをきっかけに、日本の子どもたちにもっと「創造的でわくわくするような」双方向的なコミュニケーションのできる教育環境をつくっていきたいと思い、大学一年のときには、Teach for Japanという教育系NPOで小・中学生への教育支援に1年間携わる。また、東京大学の英語劇団に所属し演劇を行う中で、「演劇」を通じて、人々の創造性を育むことができるようなワークショップをつくっていきたいと思っている。 現在は、学外でプログラミングやアプリ開発を行っており、将来的にはすべての人が、自分たちでアイディアを形にしていく力を身につけていけるようになってほしいと考えている。
■Curio Schoolの授業 Curio Schoolでは、特定のテーマに対して週1回(2時間)×1ヶ月(4~5回)かけて取り組みます。また授業自体は土曜日・日曜日のみで、平日の夕方には開催しておらず、授業の特性上、振替授業は行っておりません(フォローは行います)。 |
目標は ¥300,000 に設定されています。
プロジェクトは 2015/02/21 に達成し、2015/02/25に募集を終了しました。
なりきりプロジェクトの年間フリーパスチケット
お届け・提供予定時期
サポーター数 14
クリエイティブな空間造りをご一緒に!空間製作ワークショップ&創業パーティー・座談会へのご招待
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サポーター数 24 | 数量限定あと 6
CURIO SCHOOLの学びをお試しで。先着入学申し込みチケット
お届け・提供予定時期
サポーター数 1
CURIO SCHOOLスーパーバイザーの認定と報告書の送付 〜新しい学びを提案する一員へ〜
お届け・提供予定時期
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