アウトドアでも活躍する「矢立」と言う名の旅文具/繋ぎたい未来へ「筆」文化
筆文字の魅力
PCの書体は同一のもので誰が書いたものかわかりません。同じ文字であっても筆で書いた文字からは、書く人の気持ちが伝わってきませんか?筆文字は墨の濃淡・筆圧・線の太さからもその時の思いや風景までをも表現することができます。

左/筆文字体験教室で仕上げた作品です。右/小学生の作品です。
私は、この仕事を始めた頃、どうしてもお会いしたい人がいて、アポをとるため、電話でもなく、メールでもなく、筆でお手紙を書きました。奈良在住の日本でも有名な今は亡き書道家の方でしたが、「筆(文字)には興味がある。会いましょう」とお葉書を頂いたことがあります。その時の感動を生涯忘れる事なく現在の仕事に従事しております。

筆について
筆は毛先を作る職人と持ち手部分(筆管)を作る職人がコラボして出来上がります。
筆の良しあしは毛先で決まると思われがちですが、毛先にあった筆全体のバランス、要するに持ち手部分(筆管)に使用される材料・形・長さ、太さも、その要素を左右します。下の画像は、筆管師が自らデザインして仕上げた特殊な筆です。

お客様の要望により出来上がった特注筆
筆軸の種類及び素材
筆の持ち手部分は「竹」が主流でしたが、現在日本で「竹」を伐採する人が少なくなり、木材を使用して作る工夫をしています。いずれにせよ、竹の太み(径)を揃る、汚れを落とす、曲がりを矯正するから始まり、中心がずれないよう切る、削る、出来上がった毛先がはまるよう「穴くり」をするなど、バランスの良い筆に仕上げるには熟練した技術が必要です。

筆の持ち手部分の材料(むかって左は竹、右3本は木材)
リターン商品「矢立」とは
古来文人・商人が旅に出る際に携帯した筆と墨壺が一体化した書道具
古来文人商人たちにはなくてはならない「筆」という筆記具。行く先々で文字を書くためには自分の文具を持ち運びする必要がありました。美術館に収集されるほど優雅で工夫を凝らした携帯書道具「矢立」は、当時の筆記具としては最高級の文具であったと考えられます。
矢立の種類
持ち手部分の中に筆を仕込んでいます。墨壺が一体化したものは卓上用として、分離したものは携帯用とした使用されていたと思われます。

墨壺一体型矢立(卓上用)

墨壺分離型矢立(携帯用)
*筆の中に筆を仕込んだ筆2本入り矢立

筆のなかに筆が入った矢立(墨壺はサンゴ)
矢立の使い方
墨壺に綿を入れ墨汁をしみこませてください。
綿は純綿(化繊は墨を含みません)、墨汁は膠系のものをお勧めします。

墨壺には綿を入れ、墨汁をしみ込ませておきます。
和服が主流だった頃の日本。書道具は帯に指して持ち運んだとされています。その簡易文具が現在の筆ペンとなったわけです。本品は簡易文具と違い、綿を入れ、墨汁をしみこませた墨壺には液漏れしないような工夫を施していますが、完全に漏れないことをお約束できる商品ではありません。綿や、墨汁の量、使う頻度、保管状態を考慮し、ご自身の感覚(感性)で使いこなしていただく必要がございます。
それでは・・・実際に「矢立」を使ってみましょう!

筆と墨壺が一体化した分離型「矢立」

持ち手部分に筆が内蔵されています。

筆を取り出してください。

綿にしみこませた墨汁が入った墨壺の蓋を開け、筆を墨汁に浸してご使用ください。

野外で一句いかがでしょうか?

ご使用後の筆は持ち手部分に収納できます。(筆先についた墨は早めに水洗いして下さい)

野外で筆文字を楽しむ=最高の癒し
旅のおともに「矢立」!いかがでしょうか?しっとりとした時間を楽しんでいただけます。
本品を製作するために必要な材料
使用材料(本品制作に必要な材を購入する経費)= 紅斑竹・鹿角・虹色珊瑚・黒柿・天然煤竹・唐木他

左上/虹色珊瑚 右上/黒柿 中央/鹿角 下/紅斑竹・天然煤竹
使用素材の説明
*黒柿とは
樹齢数百年を超えた柿の古木が伐採された際、ごく稀に黒色の模様(下記画像参照)がある材に遭遇する場合があります。この模様のある柿の木は「黒柿」と呼ばれていますが、材として使えるようになるには、何年も自然乾燥させる必要があります。また、黒い部分と白い部分で収縮率が異なるため、取り扱いが難しい木材ですが、磨けば磨くほどに柔らかな木肌になり美しいツヤが出る希少な材です。
*虹色珊瑚「深海松(レインボーコーラル)」とは
北方の深海に生息する珊瑚の一種です。古くから希少珊瑚として扱われ、高貴な僧侶の念珠や武士の印籠の装飾品として珍重されてきました。
黒柿という材を使って制作した品

黒柿で制作した品のご紹介(右上/矢立 右下/丸硯箱)
製作者紹介
文殊房=南都筆管師/萬谷 歓峰 kanpo mantani
筆管師の家に生まれ、幼少のころから轆轤(ろくろ)を使って様々なものを作ってきました。

削る/ただひたすら
もともと山から竹を刈り取る仕事をしていた祖父の代から引き継ぎ、竹細工で生計を立てていた父からその技術を伝授。当初は、父から受け継いだ筆軸制作工場を営んでいたのですが、産業は衰退。最後まで、この仕事に従事したいとの思いから、筆軸以外のものを作る技術を習得し、奈良を代表する社寺の儀式で使用する筆の制作や天然素材を使ったオリジナルの作品づくりが現在ではメインとなっています。
活動内容
製造直販店を設立

店舗外観
大神神社の参道に実店舗があります。製造直販店です。

職人自らがお客様の意見を聞くことができます。
直接お客様の要望をお伺いし、ご希望に合った商品をおつくりすることができます。何より、アフターフォローができるのが一番の強みです。
本プロジェクトに参加したきっかけ
職場(毛筆産業)の現状
毛筆産業が盛んだった頃の筆軸制作工場の現在です。今では機械だけが残され、職人さんの姿はありません。職人がいなくなる=「ものつくり産業」が衰退することにより、必要な物(筆軸)が無くなるという危機が迫っています。

毛筆産業が盛んだった頃の工場跡
毛筆自体もさることながら、特にここで紹介する「矢立」は、骨董品ではよく見かけるものの、現在実際に作っている人がいるとは知らなかったといわれる品です。毛筆産業の活性化を願って!物さえ作っておけば、使う人が増えさえすれば、との思いで本プロジェクトに参加させていただきました。
今後の目標
1,新商品の開発(他の職人さんとのコラボ商品)
*今!話題の「奈良古筆」
毛先を作る職人さんとのコラボ商品。筆発祥の地「奈良」でいにしえの筆を再現。毛筆産業の活性化を図っていきます。
特徴・・・命毛に狸の毛を使用 繊細で、シャープな線が出ます。

奈良古筆(左/昭和初期の筆 右/再現した筆)
*「硯が陶器」でできた携帯用書道セット
陶器(赤膚焼き窯元)とのコラボ商品。陶器で硯を作っていただきました。新素材を使って手軽に筆文字が書ける工夫を凝らした商品を積極的に開拓していきます。

陶器の硯を使用した携帯用書道セット
2,生産工場の器械整備及び体験場に改築
刈り取る人がいなくなった竹を今後「筆軸」に使用することは困難となりつつあります。今ある材料(木)を使って簡単に筆軸が作れないかと機械の整備及び、設置を考案中です。

廃工場を再び・・・後継者育成の場に
また、ろくろを使って作れる「ぐい飲み作り」その他「木竹製品つくり」の体験場にするなど、利用方法についても考えていきたいと思っています。
リターン商品紹介
Y-A 矢立「雅」+奈良古筆1本付き
柿の形をした墨壺には希少な材「黒柿」を使用。蓋その他の白い部分は鹿角を使用しております。持ち手部分は根来塗という技法を凝らした素朴な中にも「贅を尽くした」逸品です。まさに、美術品!この機会にぜひ、入手してください。

墨壺一体型矢立「雅」

筆を引き抜くと墨壺の蓋が開きます。
Y-B 矢立「華鹿」+奈良古筆1本付き
墨壺(鹿角)一体型矢立です。
持ち手部分の竹は天然の模様がある中国の斑(華)竹を使用。(*注意 竹により模様はすべて違いがあります。天然素材の為、模様は選べません。)

墨壺一体型矢立「花鹿」
筆を引き抜くと墨壺の蓋を開けることができます。

矢立「華鹿」
墨壺に筆を浸してご使用ください。
Y-C 矢立「萬来」+奈良古筆1本
墨壺を鹿角で仕上げました。持ち手部分の竹は*天然煤竹を使用。オーソドックスな形の矢立ですが、「煤竹」は使うほどに光沢が出、上品で重量感のある品となるでしょう。
*天然煤竹とは
古民家の屋根(天井)に使用されていた竹が、「かまど」の煙でいぶされ茶色く変色した竹。煙=煤が付着し長い年月をかけてスモーク状態となった竹は、古民家を解体した時でないと手に入れることができない希少な材料です。

墨壺分離型矢立「萬来」

アウトドア仕様の筆文具です。
Y-D 矢立「招福」
矢立入門用として、手軽にお使いいただける品です。持ち手部分は竹・墨壺はABS油脂を使用しています。

墨壺分離型矢立「招福」

筆を取り出した写真
Y-E 矢立「一茶」
お手頃価格の矢立。入門用では物足りないと感じる方にお勧めの品です。墨壺は唐木・持ち手部分は白竹を使用

墨壺分離型矢立「一茶」

K-A 陶器硯入り携帯書道具
石の硯の入手が不安定なことから、奈良「赤膚焼き」窯元に協力していただき、陶器の硯を企画致しました。印伝風の巾着袋に墨、硯、筆を入れて持ち運びができるお洒落な携帯書道セット。ソーイングセットを持ち歩く感覚でバッグに忍ばせていただきたい。書をたしなむ貴方に!ぜひお届けしたい品です。海外へのお土産にも最適な品です。

硯が陶器「赤膚焼き」でできた携帯用書道セット

巾着袋に書道具一式が入れられます。
奈良古筆「小」
【話題の奈良古筆「小」写経に適す。】奈良古筆「中」に引き続き「小」を考案。
日本の毛先製作職人さんとのコラボ商品です。
サイズ(約)
筆全長:18.5㎝
径:0.8㎝
毛先長さ:1.5㎝
径:0.4㎝
材質:命毛/狸
筆置きは含みません。
天然素材を使用しています。
多少色・柄の違いが生じます。

今話題の「奈良古筆(中)」に引き続き「小」を考案
最後に
繋いでおきたい筆文化!
PCの普及により文字を書く機会が少なくなった今日、当然「文具」の売れ行きは減少していると想像致します。毛筆業界も例外ではなく、販売する場所も少なくなっています。
当店では、筆を必要とする方には納得がいくまで「試し書き」をしていただいてから販売するなど、筆の特徴を説明したりアフターケアも万全な販売所としてお客様には重宝していただいておりますが、日常に必ずしも必要なものでないため、産業としては衰退する一方です。
筆を絶やさない為に!「筆文字」の魅力を皆様にお届けできるような品作りにこれからも挑戦してまいりますので、ご協力のほどよろしくお願い致します。
*天然素材を使用しております。
・素材は使用する部分により色・柄、形等、画像と多少異なる場合があります。
(また、鹿角特有のくすみ(灰色)が出る場合があります。)
・高温、多湿は、割れ、ゆがみの原因となります。
ご注意ください。
*本品は簡易文具と違い、綿を入れ、墨汁をしみこませた墨壺には液漏れしないような工夫を施していますが、
完全に漏れないことをお約束できる商品ではありません。
綿や、墨汁の量、使う頻度、保管状態を考慮し、ご自身の感覚(感性)で使いこなしていただく必要が
ございます。ご了承ください。
■特定商取引法に基づく表記
- 事業者
- 文殊房
- 運営責任者
- 萬谷 万起子
- 住所
- 奈良県桜井市三輪1186-1
- 連絡先(電話番号)
- 0744452004
- メールアドレス
- qqvf3dq8n@coda.ocn.ne.jp
- ホームページ
- https://monjyubo-nara.com
- 特典(商品・サービス)の価格
- 送料・税を含みます。詳細は特典ごとの記載の通り。
- 申し込み期限
- プロジェクトページ上部に目標金額と併記記載の通り。
- 支払方法・支払時期
-
・クレジットカード決済(Visa/Master)・クレジットカード決済(JCB)・楽天ペイ・コンビニ/銀行ATMでの支払い(Paidy決済)
・当プロジェクトにて提供する特典(商品・サービス)にお申し込みいただいた時点で与信が行われますが、プロジェクトの募集期限までに目標金額に満たない場合にはプロジェクトは不成立となり、お客様へのご請求は発生致しません。募集期限までに目標金額に達し、取引成立となった場合にのみ、募集期限の 到来をもって決済が行われます。
・クレジットカード決済、楽天ペイの場合、お申し込みの時点で与信枠を確保し、お申し込み月の末日またはその翌営業日に決済が行われます。
・デビットカードやプリペイド式クレジットカードのご利用はお勧めしておりません。デビットカードを利用された場合は、特典(商品・サービス)にお申し込みいただいた時点で引き落としが行われますので、ご注意ください。プロジェクトが不成立となった場合には後日、提携金融機関を通じて返金が行われます。また、プリペイド式クレジットカードについては、与信と支払の実行について、通常のクレジットカードとは異なるタイミングで行われることがありますので、各カード会社のガイドラインにてご確認ください。
・コンビニ/銀行ATMでの支払い(Paidy決済)の場合、プロジェクトの募集期限到来月の翌月27日までに、コンビニまたは銀行でお支払いください。口座振替の場合は27日に引き落しとなります。コンビニ払いの場合最大390円(税込)、銀行振込の場合は振込手数料をお客様にご負担いただきます。口座振替の場合、支払手数料は発生いたしません。
※ただし、開催期間を延長した場合は以下の通りです。
開催の延長はプロジェクトが目標金額に達し取引成立が確定されている場合のみ行われますため、延長前に支援した方は当初予定していた終了日の翌月のお支払いとなります。延長後に支援した方は、延長後の終了日の翌月となります。 - 引渡時期
- 募集期限までに目標金額が集まった場合に当プロジェクトは成立し、プロジェクトオーナーは集まった資金を元手に特典(商品・サービス)を支援者に提供する義務を負います。特典(商品・サービス)の引渡時期は、特典(商品・サービス)欄の記載の通りです。
- 返品・キャンセルについて
- お申込みをキャンセルする場合には、申込期限の2営業日前の日の午後6時までに、その旨をきびだんご事務局( cs@kibidango.com )までメールでご連絡ください。
※ただし、キャンセルのお申し出があった時点において、当該商品またはサービスにつき目標数量以上のお申込みの意思表示がされており、かつ、当該キャンセルを認めると目標数量を下回ることとなる場合はキャンセルすることはできません。
(詳細はユーザー規約をご覧ください)
※ただし、開催期間を延長した場合は以下の通りです。 延長前の終了日までに支援した方は、当初設定されていた終了日の2営業日前の日の午後6時までに、その旨をきびだんご事務局( cs@kibidango.com )までメールでご連絡ください。また当初終了日~2営業日前までの間の支援分はキャンセルができませんのでご了承ください。