電子工作好きのためのラズパイPico W拡張基板+マルチエアーセンサ―ボード

電子工作好きのためのラズパイPico W拡張基板+マルチエアーセンサ―ボード

Pico W拡張基板のコンセプトについて

こんばんは、fireflakeのはちまるです。今回は、Pico W拡張基板のコンセプトと、それを具体的に実現するためにどんな工夫をしたか、について紹介しますね。 プロジェクトの種の「私たちについて」に書いたように、Pico W拡張基板のコンセプトは「作る事の楽しさを伝えたい」「作る事の可能性を伝えたい」というものです。では、電子工作に興味のある出来るだけ多くの人が「作る事の楽しさ」や「作る事の可能性」を感じられるアイテムとはどういったものでしょうか。私たちはそれを、 1.開発の際に本来作り込みたい部分にすぐに注力出来る 2.カスタマイズ性が高く独自の工夫や試行錯誤を楽しめる 3.作ったものが安定稼働や長期稼働する 4.価格が手頃で買いやすい といった条件を兼ね備えたものではないかと考えました。私たちがPico Wに注目して、その拡張基板を作ろうとしたのは「Pico Wに使いやすい拡張基板があれば、そういった条件を兼ね備えたアイテムが出来るのではないか」と考えたからです。 ご存じの方も多いと思いますが、Pico Wはとても優れたマイコン基板です。各PINで使える様々な機能に加えてWi-Fi機能があるのでIoT開発にとても適しています。また姉妹製品であるRaspberry Piほど複雑な事は出来ませんが、Raspberry Piと違いSDカードが不要なため、SDカード破損による停止のリスクがありません。入手性が高く万が一の故障があってもすぐにおかわり(?)を買えるので開発を滞らせずに済みますし、そもそもお手頃価格なので(2023/10/8時点で、秋月電子通商で税込1200円)予備機を買っても財布が大ダメージを受けないので素敵です。 ただ、そのような優れたPico Wにも使う際のハードルが2点あるのではないか、と私たちは考えました。1点は、Pico Wから電圧I/Oやシリアル通信回路を使いやすい形で引き出すには、配線作業やハンダ付けなどを都度行わなければならず、本来作り込みたい部分を作り始めるまでに労力がかかる点です。もう1点は、Pico WはmicroUSBコネクタから直接電源供給されるのですが、それでは長期稼働や安定稼働に懸念がある点です。そこを拡張基板で補い、さらにプラスアルファの特徴を持たせる事が出来れば、Pico W+Pico W拡張基板は上記の4条件を満たすアイテムになるのではないか、と私たちは考えたのです。 そのような考えから作られたPico W拡張基板は、以下のような工夫を織り込む事で、上記の4条件を実現しようとしています。 1. 開発の際に本来作り込みたい部分にすぐに注力出来る
Pico W拡張基板の「ベースボード」と「ドータボード(センサー類搭載時)」(写真は開発中のもののため、後で差し替えを予定しています)
Pico W拡張基板は、親基板の「ベースボード」と子基板の「ドータボード」から構成されています。ベースボードは、各種シリアル通信や電圧入出力などの汎用機能をPico Wに持たせる基板で、一度完成させてしまえばPico Wから様々な汎用機能を手軽に使えます。これによって開発時に都度起きる配線作業やハンダ付けを減らし、ユーザーが本来開発したい部分に注力出来るようにしています。また、開発試作でよく使わるブレッドボードと比べた場合、ベースボードは、一度完成させれば以降はコネクタなどの抜き差しだけで堅牢な回路を使い続けられるメリットがあります。 2.カスタマイズ性が高く独自の工夫や試行錯誤を楽しめる ドーターボードは、下図のようにベースボードに対して換装が可能な基板です。ユーザーは様々なドータボードをベースボードに(着せ替え的に)搭載する事で様々なシステムを作れるようになります。それだけでなく、ユーザーがドータボードを自作すれば、Pico W拡張基板を使ったユーザーオリジナルのシステムを作る事も出来ます。
用途に応じたドーターボードの換装の仕組み
また、下図にあるベースボードのユニバーサル基板エリアを使えば、ユーザーはベースボードにもオリジナル回路を作れます。Pico W拡張基板は、このような形でカスタマイズを楽しめるものになっています。
ベースボードの基板レイアウト(写真は開発中のもののため、後で差し替えを予定しています)
3. 作ったものが安定稼働や長期稼働する Pico Wは通常はMicroUSBから電源供給しますが、MicroUSBは機械的衝撃に弱く、ぐらついて接触不良になる事があるので、代わりに電源端子(DCジャック)を用意しました。電源端子から電源供給する事で、長期稼働中に何回電源の抜き差しをしてもコネクタにダメージが入りません。また、電源端子からの電源ラインにはインダクタやレギュレータを配置して、ノイズ低減や電圧の安定を行っています。 Pico W拡張基板はこのような機構を設ける事で、作ったものが出来るだけ安定稼働や長期稼働するようにしています。 4.価格が手頃で買いやすい Pico Wは、その性能に比してとても手頃な価格です。それは言い換えれば、より多くの人に受け入れられ、多くの人が楽しめる商品だという事です。私たちも、Pico W拡張基板をPico Wと同じように、「高機能だけど手頃で買いやすい」価格にして、出来るだけ多くの人が楽しめる商品にしたいと思っています。(ここは本番プロジェクトがまだ始まっていないため、実際受け入れられるのかどうかドキドキなところでもありますが・・・。) 今回の話はここまでです。紹介しきれなかった工夫もありますが、それはまた話していきたいと思います。 あ、ここで少し宣伝を。はちまるはずっとX/Twitterをこっそり見ているだけだったのですが、このクラウドファンディングをやるなら広報しなければという事で、ついにX/Twitterにデビューしてしまいました・・・。良かったらフォローお願いします。あと謎の行動をしていても生温かく見守ってあげてください。どうぞよろしくお願いします。
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