電子工作好きのためのラズパイPico W拡張基板+マルチエアーセンサ―ボード
マルチエアーセンサーボードを企画した理由

こんばんは、fireflakeのとりさんです。今回はなぜ私たちがマルチエアーセンサーボードをつくろうと思ったのか?といった部分をご紹介できればとおもいます。
私たちが初めに感じていた課題感としては、
・農業、畜産等の一次産業でも IoT でセンサーのニーズが高まっているが結構お高い上にカスタマイズができない。センサー提供元のアプリとセットになっていて連携しずらい。
・センサーの仕様が曖昧だったり、必要な設定(キャリブレーション)などが行えない。
といったところからのスタートでした、実際に本業の仕事の関係で、自分たちでCO2センサーや気圧センサーを実際に使って得られた印象として
・CO2って微量であんまり気にしてなかったけど、意外と人間に影響があることに気が付けて面白い。さらに面白いだけでなくコロナでこもりがちな昨今、換気の目安にもなる。(CO2濃度が高くなるとあくびがでて眠くなるとか)
・偏頭痛持ちの人で、気圧が下がると頭痛がするといった不健康?な人たちが周りに結構いるのですが、そういった人たちが気圧の変化をみれたら頭痛との相関が分析できて面白くないかな?
といったノリで今回のマルチエアーセンサーボードを企画しました。私たちの製品では用途によっていろいろなセンサーを使う事が可能です。
ちょっと込み入った話になりますが、例えばCO2センサーの選定を考えてみます。
CO2センサーは長期間使う場合に、キャリブレーションが必要です。
このキャリブレーションは、「外気のCO2濃度が400ppm 前後であるという事を利用して自動で校正する」という簡易的な校正方法があり、これを行う機能がほとんどのCO2センサーデバイスには備わっています。
ですが、この方法には落とし穴があるのです。 一定期間内のCO2濃度の一番低い値を400ppm とみなして校正しようとするのですが、閉鎖された屋内等でCO2濃度が最低500ppm だった場合に、ホントは 500ppm なのに 400ppm として校正されてしまうのです。
つまり、CO2濃度が定常的に高い環境では自動校正が正しく機能しません。
センサーを作っているメーカーもそれは認識しており、センサー部品それ自体を作成しているメーカーのマニュアルには、そういった環境での利用の場合には自動校正をオフにしてくださいとかいてあるのですが、市販の製品だと自動校正の設定のON・OFFなどは出来ないものがほとんどです。しかし、自分たちで作れば自由に設定することもできます。
あと、ちょっとセンサー部品のお値段としては高くなりますが、 Sensirion のSCD30 というセンサーがあります。このセンサーは、内部構造として計測用と比較校正用の2つの回路をセンサー内にもっており、周囲の濃度にかかわらず精度を保つことが可能です。
我々の製品では、CO2の自動校正が上手く効かない環境ではそういったセンサーを使うことで高精度な測定を行いたいといったニーズにも対応が可能です。
色々書きましたが、そうした既存製品では手の届かない所をこの製品で実現できたらとおもっています。
それと、思わずX/Twitterを始めてみたので良かったらフォローお願いします。