南信州ってどんなところ?長野県の南部。上伊那、下伊那、木曽の三地域を指します。
上伊那と下伊那を合わせて伊那谷と呼びます。天竜川の河岸段丘として知られる地域です。私が住んでいるのは上伊那郡箕輪町。飯田線と中央自動車道が通っています。田圃も箕輪町にあります。
南アルプスと中央アルプス、三千メートル級の山々に四方を囲まれていて、四季の景観に恵まれています。桜や紅葉は、全国区の名所があるので、たくさんの人が訪れます。
第一次産業と、ものづくり産業が盛ん。農畜産物の特産品が多数あって、産直は賑やかです。
田畑の農産物、果樹、里山から頂く山菜とキノコ、ときどき獣。
川魚、そして昆虫、、、タンパク源として虫は貴重でした、、、
馬、羊を食べる文化がありましたが、今は名ばかりで、土地の生産とつながっているわけではありません。
蕎麦は山岳信仰と共に定着、発展して、ゆるぎない名物。 その分、他の郷土料理がパッとしません。知られているのは、おやきと五平餅。南信州ならでは、という印象ある名物に欠けるのが少し残念なところです。
里山とタイ料理里山から頂く生命。鳥獣類、植物、菌糸類、昆虫など。
植物も、芽、葉、茎、花、蔓、果実、根、、、町中で見慣れた姿形に限りません。その食べ方と調理方法は、時間をかけて検証、実食されてきました。これら山の幸を食材として有効活用するのに、タイ料理の知恵とレシピを拝借します。
水田とタイ料理長野県上伊那地方には、水田で鮒(フナ)を育てているところがあります。鮒は、稲刈り前に掬い上げて、甘露煮にして食べるのが一般的。江戸時代後期に定着したと言われる稲田養魚ですが、現在は長野県下で300戸未満。生産量は多かった時の半分に減っています。
タイ料理を始めた頃から、店の主食、醗酵料理や調味料の材料になる餅米を栽培することを計画していました。
稲作を思い描いていた数年の間に、農業のスキルがあがり、タイ料理と醗酵食文化への知識と経験も増えて、あとは行動に移すのみ。今がその時です。
親ブナは糯米で醗酵させて熟鮓に。小ブナは塩と糠で漬けて魚醤に。
この二年で小さなテストを繰り返し、要領を得ました。
水田の畔で大豆を育て、稲藁(タイではバナナの葉を使う)で包んで納豆を作ります。
これを干して、調味料として使います。
パクチーはセリ科。水ぎわを喜ぶ性質なので、これも畔に植えて育てます。
一枚の田圃から、タイ料理に使う食材を、幾つも生産できるのです。
田圃から皿の上まで。 循環するシステムを構築して、継続できる事業に育てること。
これが、このプロジェクトの骨になります。
具体的には、
1)農業、調理、食卓をつなぐ、循環型のシステムの構築
2)南信州の素材を使った新しいレシピ作り
3)周りの人が健康で元気になる
を、実践します。
放棄されていた田んぼの再生をしていくのに設備投資(トラクター購入費用)で50万円
年間の経費として20万円を見込んでいます。
このうち、初年度の経費20万円と、リワードの送料及び、原価5万円を調達できれば助かります。
今年は初年度。まずは手が届く範囲として5a(約50 坪)の作付けから始めます。幸運にも、蛍が生息する水路の横の田圃を借りることができました。ここを起点に、来年度以降も事業として継続し、やがては箕輪町の風物詩になるように、と考えており、続けて御支援を頂けるよう、努めて参ります。
皆さまのご賛同とご支援をお待ちしております。
ご支援の使い道トラクターの燃料費 1万5千円
餅米の苗代、脱穀の謝礼 3万円
親ブナの購入費用 2万円
餌代 3万円
水田の注水口と排水口の造作費用 2万円
防鳥ネット 1万円
田植え、稲刈り、ハザ掛けの謝礼 (5千円×10人)5万円
フナ水揚げの謝礼 (5千円×5人)2万5千円
リワードの原価、及び送料 5万円
ご支援を頂いた皆様には、2ヶ月に1回、田圃や畑、南信州の様子をお知らせいたします。
また、GUUUTの料理やレシピ、商品のご案内など、当サイト上で公開させて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
プロフィール 〜 なぜ、今なのか。三浦俊幸 1962年生まれ
高校を卒業後、上京。料理の修行だけに止まることなく、バーテンダー、レストランの支配人として、飲食業全般の経験を積み、1998年に六本木で おうどんの店 さだ吉 を開業。その3年後、自身の交通事故がきっかけで、身体が必要とする料理について考え、実践するようになりました。
転機となった東日本大震災震災後、食材に関していろいろな情報と風評が飛び交いました。お客様の口に入る食材に不安があったのでは、料理できません。その翌年に店を離れて北海道で農業研修。1年後に出身地の長野県で野菜の自家栽培を始め、現在に至ります。料理人としてやってきた30年で辿り着いたのは、命に繋がる料理を提供することに、自分が誠実でありたい、という考えでした。出身地、南信州の風土を知り、郷土料理を見聞きし、自然と健康の維持=免疫力UPに繋がる調理法に意識が向かいました。それから 醗酵食 を研究し始め、そのルーツが東アジアにあって、南信州の食文化と近いものがあると気づいたのです。
タイ料理との出会いは2014年日本の醗酵料理と食文化を辿っている頃でした。熟鮓や魚醤などの醗酵調味料のルーツがタイにあることを知りました。幸運にもタイを訪れる機会が巡ってきて、現地で料理を食べて驚きました。自分が子供の頃に体験した食生活に、とても似ていたからです。
現代では失われつつある日本の食習慣が、チェンマイやイサーンの地方にはまだ色濃く残っている。このことを自分の料理に取り入れて、次の世代に伝えたい。料理人として30年。これまでの経験を活かし、残りの人生をかけてみたいと思ったのでした。
近年になって、タイ人の死因の上位に生活習慣病があげられるようになりました。また、信者からの施しで食生活を賄う僧侶の半数近くがメタボで苦しんでいる、というニュースを目にしました。これらは、日本でイメージされるタイ料理が、命に繋がる食べ物とやや離れたところにあると感じる理由そのものです。原因は、調味料に含まれる添加物、油、糖類などの過剰摂取。
自分が取り入れて、次世代に遺したいと考えているタイ料理は、そうした添加物の多いものではなく、山と川、水田と畑、採取と農耕から成り立つ生活で「土地からの頂き物」のような料理です。
このプロジェクトは、タイ料理を美味しく作って食べる、というものではありません。南信州がスタンダードとなる、他では食べられない料理の提案。
互いの国の、文化として共通している部分に目を向けて、レシピ化する。
貧しい時代から飽食の現代へと一途を辿る中で、私たちが見失った 食 本来の 命をつなぐもの という意味や、環境と一体となり、恵みをいただくことを、料理人としてこのプロジェクトを実施したいと思っています。
南信州の素材で、本場のタイ料理を再構築する。日本とタイを愛する料理人の、国と時代を超える挑戦(文 森野日菜子)和食とタイ料理は、実は似ている点がいくつもあるんです。タイでよく使うハーブも、和食の言葉にしたら薬味ですからね。
そう言ってぐいぐいと和食とタイ料理の世界に導いてくれるのは、料理人の三浦俊幸さん。
東京・六本木に創作和食料理のお店 さだ吉 鎹(かすがい)、そして出身地である長野・上伊那にはタイ料理のお店 GUUUT の2拠点を持つ異色の料理人です。
三浦さんが挑戦しているのは、信州の素材とタイ料理のエッセンスを組み合わせた”新しい味とレシピ”をつくること。
もう少し言えば、和食とタイ料理のルーツを掘り下げ、それぞれの地域が昔から持っていた本来の食文化を再確認し、次世代に受け継げるようなレシピにして送り出すことです。
お客様に安心して食べてもらえるものは、どこにあるのか三浦さんは、地元の高校を出るとすぐに食の道へ。イタリアンやフレンチレストランで料理人としての経験を積んだ後、尾崎浩司さんがオーナーをされていることで知られる Bar Radio 等で10年ほど修行。
BARには教養があるお客様が多く来られるので、華道や茶道などの日本文化はもちろん、ヨーロッパの文化も勉強しました。そこで、日本文化が正しく日本人に伝わっていないことや日本人が自分たちの文化を伝えられていないと感じたのが、私が文化に興味持ったきっかけです。
Bar Radioを独立後は、和食料理のお店を持つことになりました。
しかしその後、三浦さんの方向性を決定づけることが起きます。
交通事故で重傷を負い死にかけたんです。その時から、生きるのであれば自分はどんなことができるだろうかと考えるようになりました。リハビリの中で料理も体が必要とするものを提供することが大切だと感じ、今のような料理にたどり着きました。
それからお店では季節の野菜を使った料理を多く提供するようになり、2008年には共著として「七十二候美味禮讚」という料理の載った歳時記を出版。
2011年の震災を機に、特に野菜を中心にした料理を出していた私たちは、お客様に自信を持って提供できる食材はどこにあるのかと考えました。
店を離れて北海道に勉強に行ったこともありました。そこで教わったことも多かったのですが、自分が納得するような農法を求めて、出身地である長野県の伊那で野菜作りをはじめたのです。自分で勉強しながら、これまでやってきています。
本場のタイ料理に出会い感じたのは、信州の食文化とのつながり2014年に、タイ在住の知人から東アジアの発酵食のルーツがタイにあることを教わった三浦さん。
その時からタイ料理に興味を持ち始め、本場タイへ何度も足を運びました。
タイに行って気付かされたことは、日本で知られている料理のほとんどが屋台料理で、タイ料理の中のほんの一部でしかないということでした。
そしてタイ料理を掘り下げてみると、信州の食文化と似通っている点がいくつもある。
チェンマイやイサーンでは、保存のために発酵させることが日常的。もち米や米を食べる文化があったり、海がないため里山・川・農業で採れる素材を中心に使っていたり。
タイ料理に欠かせないハーブ類は、実は信州で使われる山菜や薬味と役割は同じです。
こうやって見てみると、根底に流れている食文化につながりが見えてきます。
でも、現代の食事はその大事なエッセンスが消えてしまっている。コストも低く楽な農法を選んだり、化学調味料を使ったりしているうちに、本来の味が受け継がれなくなってしまったんです。
だから私は、そのルーツを辿り本当の味を再構築し、次世代につないでいけるような料理の形にしていきたいと思っています。
タイ料理を、南信州の土地に根ざした「タイ料理」にする三浦さんは畑のある箕輪町で、次世代に継承できるタイ料理を求めて GUUUT を開店。
タイ料理のベースに地元の食材を使った 発酵尽くしコース は、雑誌dancyuでも取り上げられました。
タイ料理をつくろうとすると、現地でしか手に入らない素材もあったりして壁にぶつかることがあります。色や形だけの代用品を使うくらいなら、食文化の似ている南信州の素材を使って、料理を再構築することにしているんです。
なぜなら、ないものを代用して見た目だけ似せたくらいでは、その土地に根付いたり次世代に受け継がれるのは難しいと思っているからです。例えばタイ産のライムは箕輪町では入手しにくいので、地元の篤農家が作っているマイヤーレモンを皮ごと絞って使うなどしています。
次世代につないでいきやすい料理という名の バトン にするには、その土地で育つ素材を取り入れていくことが大切だと思っています。
イタリアン、フレンチ、そしてバーテンダーとしての経験で、料理の世界だけではなく文化にも幅広く触れてきた三浦さん。
その経験があったからこそ、文化と文化、料理と料理の域を超えて、人々が おいしい と感じる一皿に変えていくことができているのではないでしょうか。
食べることは、生きること。現代はそれを失っている?食べる、ということ。
生きるために食べていると言っても過言でもないほど、食べることは私たちの多くの部分をつくっています。
しかし今、その 食べる が脅かされてはいないでしょうか。
根底にある”生きるために食べる”を揺るがすような、安くて時短になる食べ物ばかりを摂取してはいないでしょうか。
三浦さんは、そう私たちに投げかけます。
子どもは正直なんですよ。
箕輪の畑で育てた野菜を東京に宅配便で送っていた時、子どもがおいしいって言うから と何度も野菜を買ってくれた家族がたくさんいました。
私は、子どもの時に本当の味を知っておくことが、そのあとに化学調味料が入ったものなどを食べて育っても、ゆくゆくは戻ってくる味覚の拠り所になると思っているんです。
長野・箕輪の自家農園を持ち、
そこで育ったいい素材で
昔から伝わる本質的な料理を届ける。
一昔前の日本だったら、あちこちでこのような光景が見られたかもしれません。
しかし今の都会では、旬の野菜がわかる八百屋で毎日の買い物をすることも難しいのが現状です。
箕輪町のGUUUT、そしてこれから挑戦するもち米づくりや調味料づくりを通して、少しでも町の人やお客さまに日本やタイの本来の料理を食べてもらいたい。
食べることの本来の意味を取り戻してもらいたい。
そして、結果的に自分と自分に関わる人たち、町のみなさんが健康で元気に暮らせたら、と思っています。
六本木、信州の箕輪町、そしてタイ。
世界の小さな食卓を愛し、エッセンスを吸収し、次世代につないでいく三浦さんの挑戦。
興味を持っていただけましたら、ぜひ応援してみてくださいね。
■特定商取引法に基づく表記
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目標は ¥250,000 に設定されています。
プロジェクトは 2020/03/26 に達成し、2020/05/22に募集を終了しました。
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サポーター数 7 | 数量限定あと 13
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サポーター数 2
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お届け・提供予定時期
サポーター数 9 | 数量限定あと 11
お食事券 ペアチケット 版画カード2枚 [送料・税込み]
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